死んだと思ったんだけど?
どう考えても即死だったと思う衝撃と痛みだったのに、私は真っ暗な空間に1人立っていた。
これが地獄?
いや悪い事した覚えは無いから天国かしら?
とにかく立っていてもしょうがないし…
どうしようかと思ったら、足元に私が持っていた通学鞄が!
ガサゴソと中を探すと本が一冊だけ指先に当たった。
いつも1冊は持っていないと落ち着かないのでホッとしながら鞄から出して驚いた。
「……なにこれ?」
表紙に書いてある文字は…見た事が無い文字だった。
興味のある本はある程度見てきたつもりでいた。
呆然となり中身を確認するとやはり見た事が無い文字だった。
とても不思議な本だった。
1文字1文字がとても画数が多い漢字と似ている多分文字だと思うものが沢山書いてあるページもあれば…
画数としては少ないアルファベットににたような文字が沢山書いてあるページもある。
ページ毎に書いてある文字はどれも違った。
……変な本だ。
辞書だとしてもページ毎に文字が違うなんて事はない。
パラパラと捲って最後のページを見てもっと驚いた。
他のページと同じく読めない文字だったのが徐々に滲んで馴れ親しんでいる文字に変わったのだ!
―――――本が…文字が、絵が
好きなあなたに…どうかこの世界の無書化を止めて下さい。
意味がわからない。何故文字が変わったのか、無書化とは何なのか…止めてとは?
ただ…
「文字も、絵も無い世界?そんなの困るなぁ…」
感情のまま言葉が漏れた瞬間、眼の前がまっ白に染まり、眩しくて目をつぶり、そして開いた時には草原に立っていた。