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8.テッドは魔力糸の能力を手に入れた

フッフッフ。

魔力を圧縮させることに成功したテッド君。

今まで進捗のなかった課題を2つも達成し身体能力が劇的に上昇したよ。

笑いが止まらんぜ。

このまま他の課題も解決してやるぜ。

圧縮した魔力なら放出しても拡散しないんじゃないか。

そもそも魔力を付与している時点で一瞬とはいえ体外に魔力を放出しているはず。

さすが天才的才能を持つテッド君だ、気付かぬうちに課題解決の糸口を見つけていたよ。

圧縮した魔力の糸を・・・って毎回言うのは面倒なので魔力糸とでも命名しよう。

指先から魔力糸が・・・出た。

伸びる伸びる、何処まで伸びるんだ?

あ、消えた。

どうやら現状では30メートルくらいが限界のようだ。

おお、体外にあっても思い通りに動かせるぞ。

強度はどのくらいあるのかな。木の枝に括りつけて自重を支えられるかやってみよう。


アレ?もう一度。

やぱりダメだ。どうやら魔力糸は物質に干渉できないらしい。

残念ながら俺は糸使いには転職できないようだ。

何か使い方ないだろうか。

今分かっている魔力糸の特性を整理してみよう。

1.物質には干渉できない

2.何となく物に触った感触は分かる。

3.おおよそ30メートルまで伸ばしても糸の状態を保てる。

これはもしかしなくてもアレができるんじゃないだろうか?

そう気配察知が!

まず魔力糸をたくさん作ります。

そして魔力糸を四方八方に蜘蛛の巣のように張り巡らせます。

フッフッフ、テッド君の才能は怖いですね。

気配察知どころか四方八方の様子が立体映像を見ているかのように把握できますよ。

どうやら魔力密度が上がったお陰で思考強化(脳の強化)のレベルが上がったお陰だで苦もなく処理できているのだろう。

魔力操作のレベルが上がればもっと広範囲の空間を把握できるだろう。



課題を三つもクリアしただけでなく新しい魔力操作の活用方法まで見つけてしまった。

キャー、テッド君すご~い。

フ、自分の才能が怖いな。

・・

・・・

すんません、調子乗りました。

慢心ダメ絶対。

さて魔力捜操作の活用方法がもう一つあります。

みなさん、父様から魔力が遠くに伸びていたのを覚えていますか?

あれはきっとテイムしている魔物と繋がっているんだと思われます。

だから俺も魔物と魔力糸で繋がれば魔物をテイムできるはずなんです。

魔物をテイム。ワクワクが止まりませんぜ。

しかし、父様のグリフォンみたいな強力な魔物をテイムできれば良いのですがさすがに無理なのは分かっています。

そもそも一度も魔物と戦ったことすらありませんし、森に行くなんて母様が許すはずもないです。

さてどうしたものか。

森に行かなくても見つかる魔物って何がいるかな。

ちなみにこの世界に動物はいません。すべての生き物に大なり小なり魔力を持っているからです。なぜか魔力を持っていても人のことを魔物とは言いませんけどね。

つまり日本で言う犬、猫、鳥などに当たる魔物は街の中にもいるんです。

そんな街中で遭遇できる魔物の中で俺が狙うはグミスライム。

石の下などのジメジメしたところにいる大きさ5センチほどのスライムだ。

石を退けて探す。探す。ミッケタ!

魔力糸生成。

フッフッフ、逃げても無駄だ!逃がさぬ、逃がさぬぞぉ。プスッ。

いや、刺してないですよ。イメージですよ。イメージ。

うむ、特に繋がりのようなものは出来てないな。

父様に聞いた話ではテイムすると相手の感情が何となく分かるらしいが、そんなことは全くない。

う~ん、とりあえず魔力を送ってみるか。

(プルッ、プルプルプル)

なんかプルプルしているだけで変化はないな。もっと送ってみよう。

う~ん、(ゴシゴシ)気のせいなのか、なんか大きくなってないか?

でも、まだ繋がりはできてないからもう少し続けよう。

ん?ん?薄っすら光ってる?

おお、なんか喜んでいるような感情が伝わってくる。

テイムできたか確認してみよう

「ジャンプ、回転、こっち来い。」

プチスライムはジャンプしたあと転がりながら俺の足元に来た。

さすがテッド君。バッチリ、テイムできたようだ。

足元でプルプル震えている。カワ、じゃなくて天才テッド様がこいつを最強のスライムに育て上げてやるぜ。

名前は・・・・

「よし、お前の名前はグミオウだ。」

グミオウの喜びの感情が流れてきた。どうやら気に入ってくれたようで良かった。



ウルウルの瞳を使って母様にグミオウを飼う許可を貰えた。

テンションが上がりすぎて母様の許可が必要なことを失念していたのだが許可がもらえて助かった。

俺は今父様に切りかかろうとしている。もちろん木剣でだ。

生まれ変わった俺の力を見せて驚かせてやる。

まずはいつも通りの身体強化で上段から切りかかる。

「うむ、テッドもだいぶ良い打ち込みをするようになったな。」

両足をどっしりと構えたまま軽がると父様は受け止める。

ここまでは何いつも通りだ。

魔力密度を上げ螺旋状に身体に巡らせる。

「ハァ!」

父様の右へ回りこみ、下段から一気に切り上げるがあっさり父様に受け止められる。

何となく分かっていたけどやっぱりダメか。

「ム、今の切り上げは良かったぞ。これだけ剣が振れるようになったのなら次の段階に進んでも良いだろう。テッドよ、良く見て避けるか受けるかするんだぞ。」

そういうと常に受けに回っていた父様を剣を構えた。

父様の纏う魔力が躍動する。

来ると思った瞬間俺は半身になって一撃目を避けたが一呼吸の間もなく二撃目が腹部を横薙ぎに襲う。

強化された魔力視のお陰で来ることは分かっていたが避けるのは無理だ。

なんとか木剣を間に差し入れたが受け止めることができずに吹き飛んだ。

父様、本気を出しすぎです。こんなの8歳児に避けれるわけありません。

俺は心の中で叫びながら意識を失った。

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