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6.テッドは最強の剣(予定)を手に入れた

さてこの3年で魔力操作のレベルは格段に上がった。

スキルを授かる2年後までの課題を整理しておこう。

課題1、魔力を螺旋状に身体中を巡らせて身体強化をレベルアップさせる。

課題2、魔力の流れ、強弱をどんな時でもスムーズに行えるようにする。現状のレベルでは戦闘中にはどうしても流れが乱れてしまう。

課題3、魔力を体外に放出する。現状では体外に出すと魔力が空気中に拡散してしまう。

課題4、身体から漏れる魔力のムダを無くす。


天才的才能を持つテッド君でも課題が山積みである。

日課の素振りも終わったし今日は気分転換に課題とは別の新しいことにチャレンジしてみよう。

あまり多岐に手を伸ばしたらどれも中途半端になってしますかもしれないけど今は色々行き詰っているのだ。気分転換に新しいことに挑戦するもの良いことのはずだ。

それで新しくチャレンジすることだが父様とシオン兄さんに訓練してもらっているときに気が付いたことに由来する。

魔力視でシオン兄さんや父様が持っている剣を見たとき、あることに気が付いたのだ。

俺の持っている木剣や衣服、家具は魔力を帯びていないのにシオン兄さんや父様の剣は魔力を帯びていたのだ。

不思議に思って聞いてみたら父様の剣はミスリル、シオン兄さんの剣は魔鉄で出来ているらしい。

ミスリルに魔鉄、どちらもファンタジー金属じゃないですか。

魔鉄は高価であるがミスリルはそれを遥かに上回って高価であるだけの理由がある。

それはミスリルのほうが遥かに多くの魔力を内包している。それに比例して剣の性能も格段に高い。

そして天才的才能を持つテッド君は気が付いたのだ。性能が高いミスリルは多くの魔力を内包している。つまり魔力を多く内包している武器がより性能が良いといえるのではないかと。

いや、間違いなく魔力が多いほど性能がよくなるはずだ。

そして天才的才能をを持つテッド君は類まれない魔力操作ができる。

そんな俺には魔力を付与することができるはずだ。

木剣は一本しかないので壊れたら困る。

とりあえず同じ材質の木の枝に魔力を付与してみよう。

まず右手に魔力を集める。右手に持つ枝が手の延長であるようにイメージする。

全く枝に魔力が流れている感じがしない。

魔力視で見ても魔力で枝が光ることはない。

もっと勢いが必要なのだろうか?右手に集めた魔力を徐々に回転させていく。

そのまま高速で回転する魔力を右手から枝に流すイメージだ。

もう少しで壁を越えられそうだ・・・(ペキッ)

「え?砕けた・・・」

う~ん、失敗だ。

失敗だけど枝が折れたってことは何かしら右手から枝に力が働いたという証拠だ。

決して俺が右手を握って折ったわけじゃないぞ。それに8歳の俺に右手を握っただけで枝を砕くほどの力はない。

え?魔力で身体強化したら可能じゃないのかですって?それを言っちゃう?

・・・とにかく俺が故意に追ったわけではない。

すると枝が折れた原因は魔力を流す勢いが強すぎた?

でも威力を弱めたら抵抗を突破できないと思う。

となると一度に流す量が多かったのか?

一度に大量の水が高圧で流れて水道管が破裂するみたいに枝が砕けたのかもしれない。

となると少量をさきほどと同じ勢いで枝に流せば上手くいくはず。

魔力を糸のように細く、細く、なかなか難しいぞ。細く、細く、おのれぇ、天才への挑戦か!細く、細く、よしこのくらいでどうだ?

次は高速で回転させてそのまま枝に流す。

・・

・・・

(バキッ)

「く、砕けたけど、砕ける前は魔力の光で覆われていたからやり方はあっているはず。もう一度!」

・・

・・・

「よっしゃ!!上手くできたぞ!」

ここのところ成果らしい成果がなかったのでこれは嬉しい!

思わず一人なのに大声を出してガッツポーズをしてしまった。

どれくらい強度が上がっているのか試してみよう。

さすがに石に叩きつけたら割れると思うので同じような木の枝に叩きつけてみた。

ビシ、ビシ、ポキ

「おおぉぉ!木の枝が折れた。これは強度が増しているってことか!・・・あ、魔力の光が消えた。」

もう一度、魔力付与を行なう。

一度成功すれば二度目はお茶の子さいさいである。

さすが天才的才能を持つテッド君である。

再び木の枝に叩き付けた。

ビシ、ボキ

「ん?さっきよりも強度が増している?でも魔力を付与した量は同じはず。」

魔力の光が消えたのでまた魔力を付与する。

再度検証のために木の枝に叩き付けた。

ボキ

「さっきよりも強度が増しているよな?」



そのあと何度も何度も木の枝に魔力を付与した結果、確実に木の枝の強度が増していることが実証された。

だって石に叩きつけても折れなくなったのだから。

「魔力の光が消えたのは魔力が拡散したからではなくて浸透したからなのか?まぁ、俺は学者ではないから魔力を付与するごとに強度が上がることが分かれば良いか。」

これはもしかして成長する武器が手に入ったと言うことか。

今もっている木剣に毎日魔力を注ぎ続ければ何れ最強の木剣ができるということでは?

「フ、フフフ、ふぁーはっはっはっはぁ~。」

俺はあまりの嬉しさに笑いを抑えることができなかった。

あまりに大きな声で笑っていたため母様に心配をかけてしまった。

俺がおかしくなったのではとショックを受けた母様の絶望した顔を今でも忘れられない。

ごめんなさい母様。


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