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28.テッドは再戦する

誠心誠意の謝罪を受け入れてヒカリとフレアの怒りは何とか納まった。

「師匠は聖女様と炎姫様の知り合いなのか。」

「紹介してください。師匠。」

「そうです。聖女様と炎姫様を独り占めなんてズルイです。」

デコ・アゴ・デッパの三人衆がうるさい。

人が久しぶりに友人と話しているのにこいつらには常識ってもんがないのだろうか。

「テッド、紹介してやったら。でないと何時までもこのままだと思うよ。」

いつまでも男三人に付きまとわれるのは嫌だ。

仕方ない紹介だけはしてやるか。後は知らん。

「ヒカリ、フレア。こいつらは勝手に弟子入りして来た。デコとアゴとデッパだ。」

「「「名前が違うぅ!!!!」」」

何だと!

「テッド、それは酷いと思うよ。」

オランドにも呆れられていた。

「デルコだ!」

「アルゴだぞ!」

「俺はデルパ!」

そんなに違わないと思うけど、本人達には重要なようだ。

「らしい。気が向いたら相手してやってくれ。」

「宜しくね。」

「・・・宜しく。」

「「「はぁぁ~。」」」

なぜかデコ・アゴ・デッパが顔を赤くしてホオけている。キモいぞお前ら。

「それでテッドは私達を探しもせずに新しい友達と何をしていたのかな。」

三人衆がキモいせいでヒカリの怒りが再燃しそうじゃないか。どうしてくれる。

「こいつらは友達じゃないぞ。最初の実技授業で負かしてから勝手に弟子入りしてきただけだ。今はちょっと訓練を手伝ってるんだ。」

「え、友達じゃないの?仲良さそうだけど。」

「こいつらに遠慮がないだけだ。」

ホント、最初は俺とオランドのことを蔑んていたのにな。

「師匠は名前を覚えない酷いやつだけど、みるみる俺達を強くしてくれたんだぜ。」

おまえらの名前が覚えづらいだけだ。決して俺が悪いわけではない。

「・・・テッドの弟子、興味有る。」

フレアはなぜか俺の弟子ということに反応している。

うん、折角だから4人の模擬戦の相手をしてもらおう。

「興味があるなら模擬戦をするか。」

「・・・うん。」

「ええ、炎姫様と模擬戦。無理だよテッド。学年トップクラスの実力者だよ。僕みたいな落ちこぼれには無理だよ。」

オランドも少しは自身が付いたと思っていたけど、まだまだのようだ。

「何を言っておるんだ。我々は師匠から手ほどきを受けているのだ。自身を持て。」

「そうだぞ。戦闘スキルを持たずに我々を倒した男はどこへ行った。」

「それに我々下級クラスの者が上級クラスの者と戦える数少ないチャンスですぞ。」

それに比べてデコ・アゴ・デッパはやる気十分なようだ。

さて俺の実験の成果を見せてもらおう。



「ギャ。」

「グフ。」

「ゲフ。」

初めはいい感じに戦えていたデコ・アゴ・デッパであったがフレアが魔法を使い始めるとあっという間にやられてしまった。

三人も頑張ったがそれ以上にフレアの成長具合がすごかった。入学当初の実力であれば良い勝負になったのに。『男子三日合わざれば括目してもよ』ですね。フレアは女子ですけどね。

「参りました。」

避けに徹して頑張っていたオランドもついに降参したか。

「・・・・なかなかの実力。」

お、フレアも認められるくらいには強くなっているようだ。

「フフ、炎姫に認められたぞ。ガク。」

「師匠のおかげだ。ガク。」

「ありがとう。師匠。ガク。」

なんで顔面三人衆は「ガク」って自分で言ってんだ。わけ分からん。

「やっぱムリだったよ。テッド。」

オランドは倒される前に降参していたので意識を失うことはなかった。

「・・・うん。弟子は倒した。」

4人相手に完勝したフレアが俺に向かって構えを取っている。

ムム、どうやら弟子の次は師匠が相手をしろと言うことらしい。

ちょうど俺も試したいことがあったのでちょうど良い。

いきなり実践で試すのは失敗したときのリスクを考えて出来なかったのだ。

「いいよ。やろう。」

グミオウが出してくれた木剣を握り構える。

「ヒカリ、審判をお願い。」

「分かったわ。それじゃ・・・始め!」

始めの掛け声と共にフレアが魔力を高め魔法で火の矢を作り出す。

幼少のころから魔法を使おうと頑張ってきたが未だに使えない俺には羨ましい光景だ。

それにしても何で魔力の動きを真似しても魔法が使えないのだろうか。

予想は幾つかある。

一つは魔法を使うときに魔力視で見たときの魔力の色が違うこと。この魔力の色を変えることがどうしても俺にはできない。

もう一つは魔力の流れが不自然に乱れていること。おそらく正しい流が感じられないようになっているんじゃないかと考えている。

どちらも解決方法が思いつかないが気長に頑張るしかない。

今回の模擬戦で俺はいくつか考えた魔法の対処方法を試したいと考えている。

「・・・くらえ。」

フレアの声と共に魔法の矢が俺に向かって飛んでくる。

フレアさん、女の子がくらえなんで言っちゃいけませんよ。

投げた魔力を込めた短剣が魔法の矢に当たると魔法の矢はハジケテ消えた。

思ったとおり魔力を込めた物であれば魔法を弾ける。俺の前世知識(ラノベ由来)は役に立つ。

魔法を無効かした短剣はそのままフレアに襲い掛かる。

「な!」

いつも感情を表に出さないフレアが驚いたような声を上げながらも短剣を避ける。相変わらずフードで表情が見えないので実際のところは分からないけど。

短剣に紐をつけて魔力で自在に操る自在剣を初見で避けるとはさすがフレアだ。

自在剣を手元に引き戻す。ある程度自在に操れるが今の俺の実力ではどうしても魔力だけで動かしても勢いが足りないので定期的に手元に戻して再度投げる必要があるのが欠点だ。

自在剣を手元に戻しているスキにフレアが再度魔力を高め始めた。

もう一つの魔法への対処方法を試してみよう。

とは言っても難しいことをするわけではない。ただ自分の魔力を相手に叩きつけて相手の魔力に干渉するだけだ。

「ハァッ!」

ちょっと気合を入れて魔力をフレアに向けて放出した。

「なんで?」

魔法が不発に終わってフレアはあまりの驚きに動きが止まっている。

このスキを逃さず下半身の強化を一段上げて高速で移動するとフレアの喉元に木剣を突き出した。

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