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26.テッドは実験体を手に入れた

「「「弟子にしてください。」」」

俺の前で頭を下げているデコ・アゴ・デッパがいる。

何でコイツら一回負けたくらいでさっきまで蔑んでいた相手に頭を下げるのか?

模擬戦は三対ニであったが俺とオランドが圧勝。

オランドは俊敏性を上げたデッパに翻弄されることなくほぼ一方的にボコボコにしていた。

どうやらオランドがSだからボコボコにしたわけではない(オランド談)。

倒しても倒してもデッパがゾンビのように立ち上がって来たらしい。

一度倒れた後はずっと「負けちゃダメだ。負けちゃダメだ。」と呟き続けていたとのこと。

あまりの不気味さにもう二度とデッパとの模擬戦はしたくないと俺に訴えてきた。

デコとアゴは普通に気絶していたけどな。

やっぱオランドが中途半端に倒したのがいけないのではなかろうか。

「テッド、どうするのさ?」

現実から目を逸らすために回想していたがオランドに呼び戻されてしまった。

「どうすると言われてもな。どうしよ。しかし何で俺達のところへ来たんだ?こういうときは学園の教師にでも教えを乞うものじゃないか?」

「テッド、それ本気で言ってるのか?」

いや本気も何も普通だろ?

「ああ。」

「はぁ。それじゃ説明してあげるよ。」

まず第一に模擬授業は2クラスに分かれている。知らんかったわ。

入学後にもらった資料にもそんなことは書かれてなかったぞ。

その資料には自分が受けれる授業以外のことは書かれてないらしい。

道理で全員参加のはずの実技授業でヒカリにもフレアにも合わないはずだ。納得。

実技授業では4人一組で受けるものとのこと。

それも初耳だ。

「つまり3人でパーティーだった彼らは余りものってことか?」

「いや、まぁそうだけど、もっとオブラートに包もうよ。」

なぜかオランドが3人を気遣っている。オランドは良いやつだな。分かってたけど。

「そうだ、俺たち三人は余りもので教師達にも見離れれている。だから戦闘スキルが無くても戦える二人に教えを乞いたいんだ。」

どうでも良いけど、この三人が見限らているのなら二人で組んでいた俺達って何なんだ。

同じくらいの力量である者同士のほうが訓練の意味がある。

つまりデッパ・デコ・アゴの三人をオランドの相手にすれば効率良く成長できるはず。

「分かったよ。」

「「「恩に着る。」」」

大げさな。


そんなわけで実験体を3人も手入れました。

自ら志願したわけだから大丈夫だ。

オランドの協力もあって他人の魔力路を大きくするのにも慣れたもんだ。

「はっはっは、どうしたオランド。反撃してこないと勝てないぞ。」

「クッ、テッドのお蔭で強くなったくせに!」

オランドさんやそれはあなたにもですよ。

デッパは両手への魔力路とそこから所持する武器へと魔力を流す魔力路を作った。

結果として短剣の二刀流の能力が向上したようだ。

「クソッ、強くなったはずなのに全く歯が立たなかったぞ。」

「ほんとに魔力操作のスキルしか持ってないのか。何か秘密のスキルでも持ってんじゃないか。」

デコとアゴはと言うと俺の前で倒れている。

「よっしゃ!勝ったぞぉ!!!」

「ハァ、ハァ、ハァ。」

デッパが勝ったみたいだ。オランド息が上がって倒れている。

どうやらデッパは動きが最適化されてたことで長期戦に強くなったようだ。

「それじゃ、お前ら4人で引き続き訓練しててくれ。」

正直言ってオランドやデッパ・デコ・アゴ三人衆と訓練しても俺に得るものはない。

強いて言えば魔力路の実験くらいだ。

なので俺は森に行って木材の調達やモンスター相手に実践を経験したほうが有意義だろう。

それに4人には新しい魔力路を馴染ませてもらわないといけない。



「グミオウ、コイツらも頼む。」

グミオウに獲物の解体と運搬を頼む。グミオウは嫌な顔もせずに(顔は無いけど)ポヨンポヨン動いてボアを収納していく。

この森にはボア種とグリーンバード種が数多くいる。

ボアにビックボア、ニードルボアやグリーンバードにウィンドバード等々。

ニードルボアやウィンドバードは魔法を使ってくるので良い訓練になるので積極的に狩っている。

ここ数日の狩りの成果物をギルドに持って行くことで懐もホッカホカだ。

「まだまだ時間もあるしもう少し狩るか。」

グミオウはポヨンポヨン揺れながら賛成の意を伝えてくれる。

頭の上にグミオウを乗せた状態で魔力探知を使い周囲の獲物を探しているとニードルボアの集団を見つけた。

フフフ、こいつらを仕留めたらさらに懐が潤うぞ。

見つからないようにするために魔力隠蔽を行う。この森で狩りをするようになって気が付いたのだが身体から漏れる魔力を無くすと気づかれ難くなるのだ。

魔力操作を使ってグミオウの魔力も対外に漏れないようにしながらニードルボアの集団に向かう。

今の俺なら自分以外の魔力を操作することもパワーアップした思考強化を使えば朝飯前である。

ニードルボアの集団まで道半ばまで来ると魔力探知に引っかかる魔物が増えた。

俺の魔力探知はまだまだ未熟なので距離が離れると魔力を抑えている魔物は探知できないのようだ。

グミオウとの訓練中に分かっていたのだが実践での経験は初めてだ。

魔力抑えることができる魔物が弱いわけない。

恐らくこの集団のボスであろうことは確実だ。

移動するペースを落としてゆっくりと近づいていく。

少し開けた場所にそれはいた。

4頭のニードルボアは予想通り。もう1頭は赤黒くニードルボアの3倍近い巨体だ。

さてどうしようか。初見の魔物だから逃げるが基本だけど・・・。

「あ、ダメだ。」

魔力隠蔽をしてるけど姿が消えているわけじゃない。

思いっきり赤黒いボアと目が合いましたよ。


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