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21.テッドは学生証を手に入れた

「キミキミ、そろそろ移動してくれないかな。片付けられないから。」

ボーっとしているとおっさんじゃなくてオジサンに肩を叩かれてホールから出て行くように言われた。

すでにホール内には誰もいない。

椅子も俺が座っている物以外は片付けられていた。

ヒカリやフレアが心配してくれていたが気持の整理のためにも一人になりたかったので二人には先に行ってもらったのだ。

「ハァ、俺は魔法が使えないのか。」

さて、ガッカリするのはこの辺りで止めて、今後どう行動するかだな。

魔法が使えないとなると次に興味があるのは魔道具だ。

今まで魔道具に手を出さなかったのにはそれなりに理由がある。

魔道具はとても高いのだ。目玉が飛び出るくらいに。

基本的に今ある魔道具はかつてあったとされる古代魔法文明の遺産がほとんどだ。

ほとんど王族や侯爵以上の貴族が家宝として保有している。

ごく稀に新たに発見された場合も王族が買い取る決まりになっているので簡単に手に入らない。

魔法先進国であるシャンマ国で複製に成功したと言う話もあるがアーズ国にはない。

複製魔道具について調べるためにシャンマへの留学制度を利用したい。

しかしシャンマへの留学制度を利用するためには魔法スキルを持っていることが必須条件のため無理。

アーズ国内にある魔道具を貸りるにも男爵の三男坊に貸してもらえるわけない。

となると自力で見つかっていない魔道具を見つける。あるいは自腹でシャンマ国に行く。

学園を卒業するまでは学業を疎かににできない。

つまり今すぐにできることは魔道具とシャンマ国の情報集めと近場の遺跡探索くらいか。

あとお金も貯めておこう。

シャンマ国に行ったときに複製魔道具を購入するのに必要だ。

そんな風に今後についていろいろ考えていると学園事務所に到着した。

「こんにちは~」

「はいはい、こんにちわ。」

事務員のおばちゃんに挨拶する。

「今日入学したテッド・ロックです。」

「あら、遅くなったのね。それじゃコレが学生証・学園地図・授業一覧に授業申込書さらに年間スケジュールね。あとコレが寮のカギよ。無くしたら弁償だから無くさないように。」

「ありがとうございます。」

おばちゃんにお礼を言って学生証を確認する。

どうやら俺の寮は第5クラス寮らしい。

はて、第五クラス寮なんて聞いたことないんだが俺の記憶が正しければ第一~第四クラスだったはず。

学園地図を見ても寮は第一~第四クラス寮までしかない。

困った。分からなければ聞くしかない。

「すいませ~ん。」

再び学園事務所に戻ってきた。

「はいは~い。あら、さっきの新入生の子ね。どうしたの?」

この事務のおばちゃんは良い人だ。間違いない。

「え~と、第五クラス寮の場所が分からなくて。」

「え!あなた第五クラス寮なの!?」

なんだかおばちゃんが驚いている。聞いたことない寮のことと合わさって、何だか不安になるんですけど。

「はい、学生証にそう書いてあります。」

「そう、第五クラス寮は特殊な場所にあるのよ。地図を貸して。え~と、ココよココ。」

おばちゃんが指し示したのは学園の端の端。

端の端。つまり学園の塀の外。そこは街の塀の外でもある。

「気のせいか。塀の外に見えます。」

「気のせいじゃないわ。塀の外なのよ。私は何も出来ないけど頑張るのよ。」

「はい、ありがとうございました。」

ここでおばちゃんにブー垂れても意味がないのでお礼を言って第五クラス寮を目指した。


歩くこと30分。

やっと第五クラス寮に到着しました。

学園の端なので利便性は最悪だな。

肝心の寮だが・・・コレ廃屋じゃなくて宿泊施設ですよね?

壁はボロボロ、窓も所々割れているし、入り口の扉は風でバタバタと音を立てている。

ここに突っ立っていても仕方ないので中を確認しようか。

音を立てている扉を開ける。

「ヒィ!」

すでに誰かが中にいたようだ。

「生きていてゴメンなさい!でもまだ死にたくない!だから呪わないで!取り憑くのも勘弁してください!」

なんか幽霊扱いされているんだが、コッチの場合はゴーストだろうか。

「俺はゴーストじゃないぞ。」

「ヒィ!すいません、すいません、許してください、許してください。」

こいつ話を聞いてない。

「コッチを向け!俺は生きている!」

顔をつかんで無理やりコッチに顔を向ける。

「ヒィ!・・・え?へ?」

なぜか大きく目を見開いている。

「ゴーストじゃないの?」

「ああ、生きている人間だ。」

「え~と、ごめんなさい。」

とりあえず自己紹介でもしておくか。

「俺はテッド・ロック。知っていると思うがスキルは魔力操作0だ。そしてこいつはペットのグミオウだ。」

同じ寮で生活することになるだろうからグミオウのことも紹介しておく。

ここ数日ずっと寝ていたから心配したんだけど、今は元気にブルブル震えている。

寝て起きたらサイズが一回り大きくなって色も透明度が増しているようだ。

「僕はオランド。スキルは修繕。」

修繕ってラノベではチートスキル化していたけどどうなんだろ。

そうでなくてもいろいろ出来そうだ。

ぜひともオランドとは仲良くやっていきたい。

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