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11.ヒカリの王都道中

「父様、あれ。」

あと小一時間もすれば王都に着くのではと言うところで街道を外れたところに上る土煙が見えた。

「うむ、テッド少し寄り道をするぞ。」

どうやら父様は騎士としての職務を全うするらしい。

「はい、俺もこのまま試験を受けても気になって試験どころではなくなるので。」

どう考えてもコレはテンプレイベントでしょ。

無視したら気になって試験どころではなくなる。

「スピードを上げるのからしっかり捕まっていなさい。」

俺が鞍の手すりを両手でつかみ直すと同時にヒオウのスピードが上がった。



私の名前はヒカリ。

小さな商家を営む父と一緒に王都へ向かっている途中です。

今年で10歳になったので王都の学園に入学するためです。

「ヒカリ、気分は悪くないか?気分がまだ悪いならミンさんの後ろに乗せてもらおうか?」

となりで荷馬車を操っている父が私を心配してくれています。

ミンさんとは王都まで私達を護衛してくれている女性です。

他にセシルさん、アイルさんが護衛をしてくれています。女性3人でパーティーを組んで王都を目指していたところに私たちの護衛依頼を見つけて丁度良いと依頼を受けてくれたのです。

乱暴な男性冒険者ではなく女性冒険者だったので私も緊張せずに一緒に行動できます。

「大丈夫、だいぶ馬車の揺れにも慣れてきたから。」

正直、馬車の揺れには全くなれる気がしませんが吐き気には慣れて来たので我慢できそうです。

それに護衛をしているミンさんの後ろに乗ったら確実に護衛の邪魔です。

あと半日ほどで王都に到着しますので少しでも揺れを緩和させるためもう一枚毛布を敷いて耐えることにします。

「ミン、後方から何か来てない?」

馬車の揺れを抑えられる座り方を考えているとセシルさんの声が聞こえてきました。

何があったのかと左後方を見るが何も見えない。

「アイル、何か感じたのか?」

「後方から何かが近づいてきているみたい。」

後ろから何かが来ているようには見えないけどアイルさんは何かを感じるみたい。

おそらく気配察知や生命探知などのスキルを持っているのだろう。

「あなたが言うなら間違いないわね。ドリーを偵察に飛ばすわ。」

ドリーとはミンさんが連れている大きな鳥である。おそらくワシいやタカかも。

ドリーはミンさんの言うことを聞くのでおそらく獣調教か獣調伏のスキルを持っていると思う。

どうも学園の入学に向けて勉強していたせいか他人のスキルを予想する癖がついてしまったみたい。

ミンさんはドリーと視界を共有するために目を閉じて集中している。

従える獣と視覚を共有できるなんてミンさんのスキルは高いレベルになっているみたい。

「見えた。不味いわね。」

「ミン、何が見えたの?」

「ウルフの群れが来てるわ。」

ウルフの群れ?ミンさん達の実力があればウルフなんて楽に倒せると思うけど何が不味いのかな。

「ミンさん達ならウルフくらいどうってことないでしょ?」

「そうなんだけど、数が多すぎてどう考えても私達がウルフを倒す前にヒカリちゃん達が襲われるわ。」

ミンさん曰く、ウルフを倒すだけなら問題なくできるのだけど数が多すぎて抑えきれずに後ろに通してしまう可能性が高い。

「王都までもう少しだから逃げるよ。」

大変なことになりました。もうすぐ目的地につくというところでピンチです。

けん制しながら全力で走れば逃げ切れる可能性は十分にあるとのこと。



「キャ!」

街道を無視して王都へ真っすぐ走っているので揺れが激しくて何度も舌を噛みそうになっています。

「ヒカリ、しっかり捕まっているんだ。」

父さんが馬にムチを入れながら注意してきます。

ウルフは見えるだけで30匹近くいます。

ミンさん達は優秀な方たちです。あの時全力で逃げ出さなければミンさん達は切り抜けられても私と父さんは無理だったでしょう。

「く、しつこい!いい加減諦めなさいよ。この犬っころ。」

ミンさんが矢を放ちながら悪態をついている。

こんなときに言うことではないですが女性がそんな汚い言葉を言うべきじゃないと思います。

ミンさんは綺麗なんですから。

「ミン、でももう大丈夫みたいですよ。」

魔法の矢を放っていたセシルさんが緊張感のないおっとりとした口調で言います。

「全然大丈夫じゃないよ。」

「でも、アレを見てください。」

アイルさんの反論にセシルさんは空の一点を指さしました。

あれは鳥?ではないですね。

鳥にしては胴体が大きいです。

「おいおい、あれってもしかしてグリフォンか?大丈夫どころか絶対絶命じゃないか!」

あれがホントにグリフォンなら私の人生の旅路もここで終わりですね。

聞いた話ではグリフォンを抑えるには一個小隊規模の戦力が必要らしいですから。

「でもあれ人乗ってない?」

アイルさんの言葉にもう一度グリフォンをよく見ます。

確かに誰か乗っています。

「あれはおそらくグリフォンの騎士様ですよ~。」

グリフォンの騎士、私でも知っている第四兵団一有名な騎士様です。

「そうと分かれば騎士様が来てくれるまで頑張るぞ。」


グリフォンの騎士様が私達のもとにたどり着くと一瞬でピンチから脱出できた。

騎士様はグリフォンから飛び降りるとウルフの統率個体を一撃で倒すとウルフは地上に降りたグリフォンを恐れてチリヂリに逃げたのだ。

よかった、どうやら私は無事に王都にたどり着けそうだわ。

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