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23.緒花!死ス!

「すいませんでしたああああ!はんせいしてますううう!」


緒花が俺の目の前で、見てて可愛そうになるくらい平謝りしている。

昨日俺がこいつに送ったお仕置きするぞというメッセージが相当聞いているらしい。

しょうがない俺と和也が大変な目にあっているのにそんなエロ同人みたいなことを想像していたなんて不謹慎すぎるからな、少しかわいそうだがこれは当然の報いだ、うんそうだ。


「まあ反省しているならいいんだけどな。全く俺が女に見境の無い最低男みたいに言いやがって!」


「じゃあ。和也君には何もいかがわしいことはしてないんだね。」


なんとなく残念そうな声に聞こえるのは気のせいだろうか?

むしろいかがわしいことを期待しているように見えるのは気のせいだろうか?

大丈夫だよな?あれは別にいかがわしいことじゃないよな?多分……。

突然黙りこんだ俺を見て緒花の目がきらりと光った。


「え?なになになに?したの?したのね?したんでしょ?どどどどどどんなことをしたの?」


俺が無言で両手をワキワキとして緒花ににじり寄ってみる。


「いやああああ!」


ずざざっと後ずさりする緒花。

フン。こいつは全く学習しないやつだな。


「うう。私も協力したのに!」


恨めしそうに睨んでくるが全く迫力がない。


「じゃあ。じゃあね。」


「今度はどうした?」


「もしも!もんでいいって言ったら!全部教えてくれる?」


え?


「いいの?」


「聞いただけ。聞いただけだから。善蔵目が怖い。」


「確認だよ確認。揉ませてくれるのかどうか確認しているだけ。」


「ま、まあ。和也君と何があったか教えてくれるなら我慢してもいいかも、っていうかよく考えたら・・・・・・。」


「考えたら?」


「善蔵があいてだったらそこまでいやじゃないかも……。」


嘘だろ?いいのか?いっちゃっていいのか?


「そ、それじゃあ……。」


「それじゃあなんだ?」


後ろからブリザードのような冷たい声が聞こえた。

振り返ると和也が殺し屋のような冷たい目で俺をにらみつけてきた。


「和也、お前も元男ならわかるだろ。止めてくれるな。」


和也が俺の腕にしがみついてきて抗議してくる。


「止めるに決まってるだろ!俺が男に戻るための情報交換じゃないのかよ。」


「わかってる。だから情報交換するために少し交流するだけだ。」


「駄目だ~!」


くそ!こんなチャンスに邪魔してきやがる。


「はあはあ!女体化男子が嫉妬して親友と修羅場ってる。」


なんか緒花がこちらをねっとりと見つめながらハアハア言っている、正直怖い。


「ええい。はなせ、あの二つのチョモランマが俺を待ってるんだ。」


「別に待ってねえよ!緒花は別にお前が好きとかじゃないんだぞ。あいつの乳に目が眩んでんじゃねえよ。」


「くそ!お前も男に戻ったらわかるはずだ。俺の気持ちがきっとわかる。」


和也がぷうっと頬を膨らまして睨んで来る。

おっと可愛いじゃねえか!

止めろよそういう顔!どんなに可愛くてもオマエは男だ。

普通だったら口説きに行っちゃうけど、こいつが相手だとどうしたいいかわからなくなる。


「私は嫌じゃありませんよ。もしも和也君とのイチャコラをまじかで見せてくれるなら、善蔵と付き合ってもいいよ。」


「マジか。……マジ……なの……か……?」


「おい!俺を無視して話を進めるな!だいたい善蔵!お前は藤子が好きなんじゃないのか?」


和也が痛いところをついてきやがった。


「わかってるよ、さすがに冗談だよ。俺だってそこまで節操無しじゃないしな。昨日だってお前に何もしなかっただろ?」


まあ手を出せなかったのは、今後こいつが男に戻った時に気まずいことになるからっていう理由もあるがな。


「別に手を出してもよかったのに。」


和也がぼそりとつぶやいた。


「え?なんだって?」


俺がそう聞き返した。

和也はじっと俺の目をじっと見つめて耳元に口を近づけた。


「聞こえてたくせに。」


和也がぼそりとつぶやいた。


「ふひゃあ!」


息が耳をくすぐってくすぐった気持ちいい。

思わず変な声が出た。


「ほっふはああああああ!テンプレ展開キターー!しかもニューバージョン!ラブコメ科鈍感族難聴目のテンプレ主人公のテンプレ反応!普通のヒロインなら真っ赤に照れてごまかすところを女好き親友ポジの女体化ヒロインが女性経験の差をみせつけたー!」


「お前はボクシングの実況か?」


「おい!善蔵。無視するな!」


「ええい!絡みつくな!今大事な話をしてるんだ。おい緒花早いとこあの魔方陣の解き方を見つけてくれ。」


「へえ。そう、あくまで俺を無視する気か?」


そう言うと、和也は後ろから耳をハムっと甘噛みしてきた。


「はひゃおう!ほう!お前何をしてんだあ!」


「あ?どうした?お前は大事なお話し中なんだろ?続けろよ。はむっ。はむっ。」


「うひい!あひょう!」


こいつが女にもてるのがわかる。

この見た目でこんなモテムーブができるとは!


「ぶはあっ!女体化親友と!いけないお遊び!自由奔放な親友に振り回される地味男の組み合わせが!」


緒花が鼻からだらだら血を吹き出しながら悶えている。

誰が地味男だコラ!鼻血を止めろ!死ぬぞ!


「お前なあ何考えてんだよ。お前は可及的速やかに男に戻らないといけないんだぞ。もし俺と変な関係になったらあとで絶対気まずいぞ。」


「逆だよ。俺が女のうちじゃないとオイシイ思い出来ねえぞ。あれみたいな美少女にお相手してもらえるチャンスは一生ねえぞ。」


「なんという言い草だ。」


「なんだよ。でも正直言って俺の体ってかなりエロくね?おいしいことしたくね?」


思わず、ぐっと言葉に詰まってしまった。

和也がそれを見てニヘーっと笑った。


「素直にやつだな。このスケベ。」


「う、うるせえ……。」


「男同士の気やすい関係で……ありながら……女体化男との微妙なエ……ロス。最後の一線を……越えそうで超え……ないもどか……しさ。萌え。ぐふっ!!」


ついに緒花が崩れ落ちた。

死んだか緒花、お前は良いやつだった。


「おい、和也。お前わざとだろ。」


「フン。善蔵にちょっかい出そうとするからだ。」


こいつは女になってからどうも性格が相当変わっているのかもしれない。

なんだか全身の生気を吸われてかのようにどっと疲れた。

思わず深いため息が漏れた。


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