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18/26

18.勝った!完!ちなみに第二部がすぐに始まる模様!

「いやあ!ありがとうな!お前のおかげだよ緒花!」


俺は緒花の背中をバシバシと叩いて感謝を表した。

緒花は俺が叩くたびにぐえっ!ぐえっ!と苦しそうにうめいた。

潰れた蛙みたいな声だなと思いつつも、俺が叩くたびに緒花の巨大な胸がぶるっぶるっと震えたのを見逃がさなかった。

次はもっと強めに叩こう。

緒花の背中をまた叩こうとする俺の手をバシッと叩き落とした。


「ああそうですか。よかったわね。それでそのお友達は今どこにいるの?」


俺を恨めしそうににらみつけて緒花はそう言った。


「まだ教室にいるよ。今クラスの奴らに捕まってるからこっちには来れて無いけどな。」


和也は昨日休んだことでクラスで質問攻めにあっていた。

放課後になってもあいつは自由になれなかったのだ。

授業が終わってからしょうがなく俺だけがこちらに顔を出していた。


「よかったら俺の教室に来いよ。お前話聞きたがってただろ?」


「無理。そんなリア充の中に入ったら眩しすぎて干からびて死ぬ。」


難儀な奴だ。

しかしまあいろいろあったが和也が戻れたのはこいつのおかげだ。


「まあ。お前には感謝してるよ。」


「そうね。」


緒花はクスリと笑ってどこか遠くを眺めてそれだけ言った。

緒花は突然、無理やりとってつけたようなミステリアス美女ムーブを始めたらしい。

正直うざい。


「それで?」


「それでってなんだ?」


「その友達と何があったかってことよ!」


目をらんらんと輝かせて食いついてきた。

さっきまでのミステリアスな女ムーブはどうした?いきなりメッキがはがれてるぞ。


「友達とどこまで行った?最後まで行った?弱みに付け込んで無理やりとか?さすがに無理か?お、おおおっぱいとか好き放題したんじゃないの?」


こちらの冷たい表情名のお構いなしに、この女全く自嘲する様子がない。


「そういや今回の騒動はお前が原因だったな。」


なぜか突然こいつに感謝する気持ちが消滅した。


「お仕置き行くか?乳握りつぶしの刑。」


俺はそう言ってて両手をワキワキさせながら脅してみた。


「いや!来ないで!ごめんなさい!反省してますううう!」


胸を両手で隠しながら拒絶する。

厚着してるにもかかわらず。押しつぶされあふれた胸の大きさがわかる。

ああ中身さえ普通だったらよかったのになあ。


「そうだ昨日はばたついてて聞けなかったんだけど、結局どこで和也は呪いをもらったんだ?」


「さあ?昨日も言ったけど無差別に呪いをばらまいたからどこでもらった呪いかまではわからないわ。」


改めて聞くとこいつ相当アブないな。

無差別呪いテロ女。


「でもいろんな種類の呪いを作ったんだろ?種類でわかったりしないのか?」


緒花は顎に手を当ててうーんと唸った。


「そうねえ。話を聞くところによるとそのお友達の女遊びで泣かされた女たちの恨みやほかの女への嫉妬の感情をエネルギーにしてかかる呪いのようだけど。嫉妬とかの負の感情っていうのはとっても強い力を持っているの。そこに過去自体を書き換えるような強力な呪いを合わせるなんて危険なことやった覚えはないんだけどなあ。」


この危険思想女も一応ブレーキらしき物を持ち合わせていたらしい。

まあ結局その危険な呪いを作ってるんだからブレーキは無意味だったようだが。

そこでふと気づいたことがあった。


「もしかしてその呪いってこれの事か?」


カバンから取り出した一冊のノートを緒花に見せた。

そう前に和也に貸していたノートに書かれた妙な模様。(8話参照)

俺は和也の落書きだと思ったが今思うと魔方陣のようにも見える。

緒花は素の魔方陣をまじまじと見つめている。


「これすごい強力な呪い。とんでもない悪意がこもっているわ。」


「書いた本人がなに言ってる?」


「私こんなもの作ってない。」


「は?」


「私魔方陣はあらかじめ紙に書いていろんなところに忍ばせるようにしてたの。人のノートにこっそり書き込むなんて時間がかかるし見つかったら言い訳できないでしょ?」


言われてみたら確かにそうだ。

そもそもこれは和也の机の中に入っていたこんな複雑な模様を人様の机をあさってその中のノートに書きこむなんて難しいように思われた。


「ちょっと待てよ。しかし確かにここに魔方陣があるんだぞ。」


「これ私が呪いの研究していた呪いと似てるわね。っていうか確かにこれ私が研究中に開発した呪いだわ。」


「じゃあお前が作ったんじゃねえか!」


俺は両手をワキワキさせながら乳握りつぶしの刑の構えをとった。


「違うの!違うのよ!作ったけどさすがに危険そうだったから使うのをやめたのよ。」


ったく!本当に信じていいんだろうなこいつ?


「ほら見てこれ。」


そう言って呪い研究ノートと表に書かれたノートを持ち出してきた。

緒花がノートのページをパラパラとめくってあるページを開くと俺にずいっと見せてきた。

そこに描かれていたのは魔方陣だった。

俺のノートの魔方陣と見比べてみると確かに全く同じ魔方陣だったそしてその魔方陣の下にでかでかと『強力なおまじない使用禁止』と書かれていた。

ねっ!と言わんばかりに胸を張る緒花。

なんだ巨乳をアピールしてるのか?こんなもの無実の証拠にはならないぞ。

それよりも俺には気になることがある。


「この魔方陣の上に書いてある恋のおまじない(ハートマーク)ってのは何なんだ?」


「流石に女体化魔法とはかけないでしょ。人に見られたら困るしね。」


「ってことは見られた可能性があるってことか?」


「馬鹿言わないで常に肌身離さず持っているわよ。過去五回ほど落としたことがあるだけで。」


「つまり中身を見られまくってるってことじゃねえか!マジで揉みしだくぞこら!」


「いやあ!ごめんなさいいい!」


緒花はずざざっと後ずさりをした。

なんとなく全容が見えてきた。

魔方陣は和也のノートに書かれていた。

和也に振り向いてほしい誰かが書いたんだろう。

たぶんノートを拾った誰かがノートの内容を見て恋のおまじないと勘違いをしてたんだ。


「誰がノートを拾ったかわかるか?。」


「わからないわね。失くしたら手元の戻ってくる魔方陣を仕込んでおいたから届けてもらったわけじゃないし。」


こいつポンコツの癖にとんでもねえ技をもってやがる。

はあ。つまり犯人はわからずじまいか。

なんとなくおさまりが悪い解決だが仕方がない。

俺にはこれ以上のことはわかりそうもなかった。


「まあいい。とりあえずお前には礼を言っとくよ。」


「ふふん。まあ私の腕をもってすれば当然ね。」


「言っておくが、もし次に性転換事件が起きたら問答無用で揉みしだくからな。」


「やめてえ!ゆるしてえ!もうしませんからあ!」


こいつのこのノリもなんか慣れてきた。


「まあ今度その友達を連れてきてやるからよ。楽しみにしててくれよ。」


「あ!そうだその友達ってなんていう人?」


「ああ。お前も知っている奴だよ。学年一番の人気者だよ。藤堂寺ってやつだ。」


「藤堂寺?」


緒花が怪訝そうな顔をする。

「どうした?変な顔して。」


「藤堂寺って、藤堂寺和美さんの事?」


和美?和美って言ったか?

背中に氷を差し込まれたような気がした。


「藤堂寺さんって女の子でしょ?。」


その瞬間に目の前が真っ暗になった気がした。


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