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11.美少女と手加減と

「それで?言い訳を聞こうか?」


俺は目の前で縮こまっているドアホウをありったけの殺意を込めてにらみつけた。


「いやなんていうかあいつら酷いよな。何もあんな言い方しなくてもいいよな。なんていうか。お前は良いやつだよ。俺は知ってる。俺はお前のミカタだ。」


和也はこの期に及んで力強く握りこぶしを作って弁舌をふるう。


「大丈夫だ!」


何を考えているんだか安心しろとばかりに胸を張り強く請け負ってくださった。

胸を張った勢いで胸が弾んで揺れる。

目が強力な磁石にひきつけられそうになるが首を左右に強く振った。


「どうした?頭痛いのか?」


心配するように上目遣いで顔を覗き込んでくる。

くそ可愛いな!こいつ!しかもこいつブラ的な物何もつけてないのか?

まあつけててもどっから調達したんだ?って話になるけど……。

くそっ!かすかな動きにあわせてふわふわ揺れやがる。


「俺は何でここにいるのかと聞いてるんだ!」


目線を必死に胸からそらしてそう怒鳴りつけた。


「いやあ悪いなあ。誰にも見られないように侵入できる窓を探してたんだけどさあ。」


うへへと笑いながら頭をポリポリと書く。

そんなとぼけたしぐさもかわいく見えてくる。

くっそ!男だったらぼこぼこにしてやるところなのに……。

まあ男だったらそもそもこんな困った状況にはなってないのだが、学校に入るだけでこんなに大変な思いをするとは難儀なものだ。


「この時間なら授業中だし入るなら今しかないし……。」


「それで?」


どうやらこいつはだれにも見つからずに侵入できる場所がどこかと考えていたらしい。

その心がけは素晴らしいがその結果なぜか保健室を思いついたらしい。


「俺が保健室に行くことぐらいわかってただろうが!なんでわざわざここを選ぶんだ?」


「だって窓が開いてなかったから。」


うっと言葉に詰まった。

確かに学校の窓は基本的に締め切られている。

侵入しようとするならたまたま空いている窓を探すか、あらかじめ俺が窓を開けておかなければならない。


「いやお前があらかじめ窓を開けといてくれればよかったんだけどさあ。まあこうなったのもしょうがないよな。なんていうか悲しい行き違いっていうか……。」


「お前は自分の立場が分かってるのか?」


頬をぐにっとひぱってやった。


「ひゃめりょ。おい!」


おお!柔らかい。しかも無駄にすべすべしてやがる。


「放せ!全くいたいけな美少女になんてことをするんだ?」


孫ことを言いながら和也は俺の手を振りほどいて頬をムニムニと撫でている。

涙目になりながら俺を恨めしげに見つめてくる。

男だったらもっと徹底的にへこますところだが、相手が美少女だとどうしても手が止まってしまう。


「とにかく俺はもう体調不良で早退ってことにするから一緒に図書室に行くぞ。」


俺はため息をつきながらそう言った。



放置してすみません。久しぶりの投稿です。

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