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U-CC説明書  作者: 椥桁
アウトサイド
1/34

外側-01

サララメモより抜粋。

[U-CC](正称)

└体感型アクションゲームのメインタイトル。開発段階でのキャッチコピーは超近接戦闘推奨VRMMORPGだった。

空中に固定された鎧型のコントローラー[AC]を動かしてU-CC内のキャラクターを操作する。

現実世界でのプレイヤーの動きは仮想世界でのキャラクターの動きに反映され、仮想世界のキャラクターが受けた抵抗は現実世界のプレイヤーも体感する。

稼働開始日は10月10日午前10時。




[NEW HORIZON](正)

└U-CCを運営している会社。

過去作に水上をスケートのように走りながら撃ち合うVRFPSゲーム[GGSR]があるが、怪我人が続出したため稼働停止となった。

スタッフを総入れ替えし、今作ではそのリベンジを計る。




[GR](正)

└内部が直経約4mの球状にくり抜かれている立方体の装置。中心にACが備え付けられている。

黒一色の壁面にはスピーカーとカメラを複数設置。収納機能も完備。空調機能もゲーム内から設定変更可能なため、プレイを中断する必要がない。

内壁はACの動きに合わせて、眼球のようにスムーズに回転する。

部屋の外側にある鍵穴に、受付で貰った鍵を差し込むとカートリーダーと静脈認証用の台座が現れ、そのカードリーダーにPC-Cを通したあと、台座に手をかざす。両手の静脈を登録しているので、この手は左右のどちらでもよい。

PC-Cと静脈の情報が一致した後、カードリーダーと台座が仕舞われ、内部のACをプレイヤーの体格に自動調整してからGRの扉が開く。


┗[カメラ](仮称)

 └GRの内部、前後左右上下の6点に2つずつ設置されている。ACの動きを読み取りACのセンサーによる入力情報を補完をすると共に監視の役割も果たす。録画した監視映像を見るには本人のPC-Cとパスワードが必要。盗難、破損、傷害等の問題が起きた場合に、警察や弁護士と社長の立会いの元映像の閲覧ができる。


┗[スピーカー](仮)

 └GR内部の壁面、62箇所に設置された超指向性スピーカーがプレイヤーに臨場感をもたらす。噂ではまだスピーカーが隠されているらしい。




[AC](正)

└このゲームのコントローラーを司る装置。

┗[スタンバイモード](仮)・[椅子型](仮)

 └外見はマッサージチェアに近い巨大な椅子。座り心地もよい。実際、ゲーム中に全身揉みほぐし機能を使うこともできる。

ACに座った状態で「コネクト」と唱えると、声紋認証後、ACが変形する。

先にヘルメット部から装着され視界が覆われるため、変形の仕方は見ることができない。

変形中、体を無理に動かすか「アンコネクト」と唱えると変形がキャンセルされ、椅子型に戻る。


 ┗[ドリンクホルダー](仮)

  └備え付けられたドリンクホルダーに最大4本まで専用のボトルをセットできる。ここにセットしたドリンクはU-CCのプレイを中断せずに飲むことができる。




┗[プレイモード](仮)・[鎧型](仮)

 └騎士の鎧のようにプレイヤーを包む、ACの変形後の状態。プレイヤーの全ての動作を読み取り、遅延なく送信する。

仙骨の上部から尻尾のように伸びる支柱がACを空中に固定していて、内側にはセンサー等のケーブルが詰まっている。

人体に触れる部分は、通気性がよく摩擦の小さいクッション材で保護されている。

ACを身に着けていてもプレイヤーは日常の動作と変わりなく体を意のままに動かすことができるが、人体の筋肉・骨・関節等に悪影響を及ぼす方向には絶対に曲がらないようになっている。

基本的にACはプレイヤーの動きに追従する。随所に設置されたセンサーがプレイヤーの動作を読み取り、ゲーム内のキャラクターがその通りに動く。また、ゲーム内のキャラクターが何かしらの抵抗を受けると、その部位に対応したACのシリンダー内に圧縮空気が供給されることで伸縮幅が少なくなり、プレイヤーにもキャラクターと同じような感覚を与える。大小様々なシリンダーを内蔵しており、空気圧を調整することで、綿から鉄まで様々な感覚を再現できる。主に、重さや固さを再現するための大型シリンダーがACの外側の関節部に、軽さや柔らかさを再現するための小型シリンダーがACの内側に無数に設置されている。

各部に仕込まれたモーターは、装備がぶつかったときの微かな振動も如実に再現する。

公式パンフレットに記載されている、人体の筋肉と比べて2倍の数の伸縮材、骨の4倍の数の支柱、関節の16倍の可動部、神経の256倍のセンサーの数は正式ではない。


 ┗[ヘルメット](仮)

  └MMORPGで最重要となるコミュニケーションを円滑にするために、5点の小型カメラがプレイヤーの目線や表情を性格に読み取り、ゲーム内のキャラクターへ投影する。口元には小型マイクも付いている。ヘルメットと呼ばれているが、頭部を保護することが目的ではないため、隙間が多くあいていて蒸れることはない。


  ┗[多層式VRゴーグル](仮)

   └通常のVRゴーグルと同じように、左右に別れた超高精細ディスプレイに人の両目の視差分だけ角度のずれた像を映し、立体視を可能としている。加えて、超高精細ディスプレイの上に極薄透過ディスプレイを多数重ねているので、手前にあるものは前面側のディスプレイに、奥にあるものは背面側のディスプレイに表示され、わずかであるものの眼球の水晶体がピント調節を行おうとするため通常のVRゴーグルよりも更に没入感が得られる。酔い軽減の効果もある。

視力も矯正可能なため、眼鏡不要。

ヘルメット側で固定されているので重さも感じない。




┗[メンテナンスモード](仮)・平型(仮)

 └GRのカードリーダーにPC-Cではなく社員証を通すと、ACがこの型になる。通常は1枚の板のような型になるが、どこか異常があればその箇所に凹凸ができる。表面に凹凸が見つけられた場合は修理もしくは交換となる。

この表面を拭くだけで人体に触れる全ての部品の清掃が完了となる。清掃には、アルコールの希釈液を染み込ませた柔らかい布が密閉された袋に入った状態で本社から送られてくるのでそれを使用する。使い終わったものはまた本社へ返送する。

ブラックライトを照射して光った部分には潤滑油を注油する。

ACも定期的にコンピューターが自動で自己点検を行い結果を本社へ送信することで、人間と機械のダブルチェックをしている。

耐久性能の実験の結果では、ノーメンテナンスで1日24四時間連続稼働させた場合2年と3ヶ月の間、故障することなく動き続けた。この結果は最短のもので、最も長いものだと6年半。平均は4年2ヶ月であった。

国民性上、万が一怪我人が出ると継続不能になるおそれがあるため、出来る限りの対策・処置を行っている。





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