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懸賞当たってコミュ障が異世界召喚!?まずは基本のこんにちはから  作者: リルア=アルマーレ
異世界放浪編
50/62

第50話 ライガとリュウト

祝!50話目です。

約2週間で更新していきます!


バチバチと雷が鳴り響き、豪風が巻き起こる。


「ははっ!リュウトの癖になかなかやるじゃねぇか!」


俺とライガは一進一退の攻防をしている。

ピリピリと空気が痺れる。

何だか、いつもよりも力が出ている。そして、相手を倒したいという気持ちがはやる。

多分、こいつは俺とライバル的な存在なんだろうなと、そう感じる。


「はっ!いつもよりも力が出るなぁ!俺の中の力がもっと暴れたがってるぜ!」


そう言ってライガは雷の攻撃を仕掛けてくる。俺はそれを風で薙ぐ。


「お前はやっぱり、その加護を持っているんだな、ライガ!」

「そうだぜ、お前とは相反する加護、『雷神の加護』だよ!風神さんよ。」


ははっ、と俺らは睨み合い、笑う。そして、


「風神力解放!」

「雷神力解放!」


互いに叫ぶ。そして、体の中にあるエネルギーが、外へと溢れ出る。


いつもよりも多く、目の前の敵を倒せと言わんばかりの力。

ああ、いい感じだ。

と俺は思う。いつもよりも調子がいい。


ばっ、と互いに合図もなく飛び出す。

己の力と力をぶつけ合う。


一撃、一撃、轟雷と豪風が巻き起こる。

俺らは打ち合う。殴り合う。攻撃し合う。


バキっ、バキっと、攻撃が入っていく。

ここでの勝負はほぼ互角。だが、少しライガの方に軍配が上がっている。


そして、戦闘は次の段階へと移行する。

互いに剣に手をかける。ライガは背中にある大剣に、俺は腰にある刀へと。


スっとライガは大剣を抜き構える。

それに対して俺は居合の構をする。


神経を研ぎ澄ませろ。俺はそう言い聞かせ、集中する。


ライガは大剣に雷を乗せ、迅雷の如く切りかかる。

俺はそれに合わせるように風を使い、己が出せる最速の剣を繰り出す。


俺の刀がライガにあたる。

纏っている雷のせいでダメージはあまり無い。


「なかなかやるじゃねぇか、リュウト!本当にお前はリュウトか?」

「ああ、本物のリュウトだぜ?人と喋るのが苦手なあのリュウトだよ。」

「はっ!なら違ぇねぇな!だがな、これからお前をあの時のように無様な姿にしてやるよ!」




********************************************





これは風神龍飛が中学校のときの話である。


風神龍飛は元から喋るのは苦手だった。小学生までは何とかやってきた。

変にテンションを上げ、ノリでやってきた。でも、成長し心境の変化があったのだろう。俺はそのノリはあまり出せずにいた。


ひっそりと席に座り、本を読む。時々小学校時代の友達と話すくらいだった。


まぁ、それなりだった。特に目立ったことも無く、普通に生活をする。

勉強をし、部活をして帰る。そんな毎日だった。


だが、変化は突然とやって来る。2年生に上がった時、新たな人物と出会う。

そいつの名は軍上雷牙。元々気が強く不良じみた奴と噂されていた。


一年生の頃は俺はなるべく関わらないようにとやっていた。

しかし、俺は雷牙と何故かいっしょにいるようになった。気が合う、という事だろう。


学校では一緒になってふざけ、つるんでいた。不思議な事に休日なんかには遊ばなかったが、なんか仲良かった。


だが、事件は起こる。いや、事件という程でもないだろう。

ある日俺はライガに反発をした。何かが俺の意見と食い違ったのだろう。


俺はライガとつるむようになって少し自分が強くなったと勘違いをしたのだろう。

所詮は虎の威を借る狐。己自身に力はない。


日も悪かった。たまたまライガの機嫌が悪い日だった。だからこそこれにムカついたライガは俺を虐めるように他の奴らを仕向けた。影でこっそりと先生に気づかれないように。


俺には相談する勇気もない。元々話すのは苦手だったから。


俺はここで自覚をした。俺は元々力のない人間なんだなと、

そしてライガに言われる。


「お前はこれから俺の言うことを聞いていればいいんだよ。」


ライガがニヤリと笑う。


「なぁ、出来ないとは言わせないぜ?」


俺は人を嫌いになった。そして不登校へと陥る。

ライガが怖くて、人が怖くて、外に出たくなかった。

家では特にすることもなくぼーっとしていた。


しばらくの月日が流れ、3年生に上がるという時に、ふらりと学校へ行った。


なぜだかは分からないが、行かないとなという危機感が強くなったのかもしれない。とりあえず行ってみた。


とても視線が痛かった。みんなが俺を見ている気がした。笑っている気がした。

ああ、やっぱり俺は家から出ない方が良かったのだな、と思ってしまった。


ドキドキしながら、ビクビクしながらも自分の席につく。すると、小学校時代の友達が話しかけてきた。


「おう、長く休んでたけど大丈夫か?」


とても嬉しかった。俺は気がつけば涙を流していた。こんな俺を心配してくれるんだなと、


「お、おい、本当に大丈夫か?」

「あ、ああ、すまん。心配してくれたのが、嬉しかったんだよ。」

「それなら良かった。体調悪くなったら言えよ。」

「あ、ああ、ありがとう。」


俺は久しぶりの受け答えに緊張しつつも頑張った。

俺も頑張れるかなと、思った。

ライガはというと俺に興味が無くなったのか全くの無関心であった。

ああ、良かった、俺は心の底から思った。


俺の学校生活は再スタートをした。まだ人と目を合わせたり、喋ったりするのは苦手だったが、少しづつ頑張っていった。


勉強も頑張り、何とかそれなりの高校に進学することは出来た。

ここで、ライガと別々となった。俺はその後ライガがどうなったのかは知らない。


俺はそんな奴とありえない場所で、出会った。




********************************************



「無様な姿ねぇ、俺は虐められてたな。」

「ああ、そうだな、お前は弱いんだよ。」


ふっ、と俺は笑う。


「あん?何笑ってんだよ。」

「いや、ついね。その通りだよ。俺は弱いんだ。誰よりも弱い。だからこそ俺は強くなれるんだよ。」


ぐっと力が入る。

そうだ、俺は強くなれるんだ、今ここでこいつを倒して証明をする!

風神様、俺に力を!


「風よ唸れ!『風神憑依』」


バチバチと嵐が体に纏う。竜巻が起こり、その場は嵐と化す。


「てめぇの全てを砕いてやるよ!『雷神技・雷鳴真剣』!」


ライガは手に雷を持ち襲いかかってくる。その速さは雷の如く。


だが、俺の力をナメるなよ?

ライガの雷剣を片手で受け止め、そのエネルギーを霧散させる。


「なっ!?」

「甘いな。今度はこっちから行くぞ。」


ドンっと1発腹を殴る。


「・・・かハッ、」


ライガはよろめき膝をつく。だが、再び立ち上がる。


結構強めにいったのに耐えるか、流石は雷神の加護だな。


「俺が、お前なんかに負けるわけねぇ!!」


地面の中から雷がほとばしる。


「ガアッ!」


ライガの雷を纏った攻撃を仕掛けてくる。

俺はそれを全て避ける。


「ぐっ、まだだぁ!」


雷を飛ばし、雷を落としてくる。


はっ、甘ぇ、そんな攻撃じゃ俺は落とせないぜ。


俺は難なくそれを風で守る。


「クソがぁ!俺は負けねぇんだよ!」

「これが俺とお前との差だよ、ライガ。お前はこの世界に来て録に努力をしなかったんだろうよ。」


ライガは元々能力が高い。多分異世界に来てすぐに順応したんだろう。

だが、俺は違う。俺は弱かった。師匠と出会って強くなれた。


「これで終わりだライガ。今までの借りを返すぜ。『風神技・暴乱擊』」


俺は風の力を使い、嵐を拳に纏いライガを、乱打する。

ライガは吹っ飛ぶ。


「はぁ、はぁ、はぁ、くそっ、俺は、俺は、お前に、お前なんかに・・・」


ここでライガは、気絶した。


俺は風神の力を元に戻す。


「俺の勝ちだな。ライガ。」


ライガ VS リュウト 勝者はリュウトで幕を閉じた。



そして俺は敵拠点へと走る。すると城には丁度ノアがやってきた。


「やぁ、リュウも勝ったんだね、流石!」

「そういうノアこそ。じゃあ決着をつけますか。」

「勇者くん達も勝ったようだし、頑張ろう!」


俺らは城に入っていく。ここからは簡単だった。

敵の戦力はあまり無く正直弱かった。俺とノアで余裕で倒せた。


「しかし、あれだな、扇を使うようになったんだな。」

「うん、そうだよ。ボクが1番出来ること、だからね。」

「そうか、ありがとな。」


そして俺らは旗へとたどり着く。


「んじゃあ、一緒にとるか。」

「あれだね、初めての共同作業だね!」

「アホか、じゃあ、やるぞ。」


ガシッと旗をつかみ、上に掲げる。するとカーンカーンと試合終了を、知らせるベルの音が聴こえる。


俺らは外に出て、仲間と会う。ギルドは医務室で休んでいるが、他は全員集まった。

全員が傷を受けていた。ああ、頑張ってくれたんだなと思った。


「みんなありがとう、俺に力を貸してくれて。よく頑張ってくれたよ。この勝利はみんなのものだ!」


ペラペラと口がスムーズに動く。

わぁぁぁぁっ!と歓声を上げる。


すると、今まで気絶していたライガが、突然起き上がり、こっちに向かってくる。


「なんだよ、戦いは終わった。ライガ、お前は負けたんだ。」


俺は諭すようだ言った。だが、ライガは聞いていない様子でフラフラと近づいてくる。

様子がおかしい。


「俺は、俺は、負けてない、お前なんかに、俺は、お前なんかに、負けてない、俺は、お前に、ふざけるな、俺は、俺は、俺は・・・」

「お、おい、ライガ、大丈夫か?」


明らかにおかしい。ライガから嫌な気が流れる。どす黒い様なそんな感じの気だ。


「ふざけるな、俺は強い、ふざけるな、俺は弱くない、ふざけるな、ふざけるな、ふざけるな!」


負のオーラが、怒りのオーラが強くなっていく。


「ガァァァァァァァァァァォ!!!」


ライガが叫び、体の中心から黒い何かが飛び出し、ライガを包み込む。

バチバチと雷がほとばしる。


黒い何かがだんだんと大きくなっていく。


これはヤバイ、何だろうか、この感じ、どこかで体験したことあるような感じだ。でも、どこだ?


そして黒い何かが晴れる。


「なっ!?」


全員は驚愕の色を見せる。そりゃ、そうだ。だって目の前には巨大な龍の姿があったのだから。





















面白かったらブクマなんかをよろしくです!

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