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懸賞当たってコミュ障が異世界召喚!?まずは基本のこんにちはから  作者: リルア=アルマーレ
異世界放浪編
48/62

第48話 ユウキ ノア

更新が2週間になっています。とりあえず、頑張ります。


ノアVSシオンの戦いが始まる。


ノアは弓矢をしまい、新たに二つの扇を取り出す。そこには太陽の紋章と月の紋章が描かれていた。


「なんだいそれは?扇?そんなんで何ができるっていうんだい!」


ダッと、シオンはノアに向かって駆けていく。そして、ナイフで斬りかかる。それをノアは扇で受け止める。


「これはヘルダさんに作ってもらった特別製でね、そこら辺の武器よりも強いよ。」


そして、2人は1度距離をとる。

ノアは扇を広げた。


「さぁ、僕の力を見せる時だね!」



少し、ここでノアについて、悠木 乃亜についての話をしておこう。


悠木 乃亜という人物は一般とは少し異なる家庭に生まれた。ノアの家は代々巫女の家系だった。正確にはノアの父方の家系の方だ。


ノアは厳しく育てられた。礼儀作法や習字や、音楽、ちょっとした武道なんかまで、小さい頃からたくさんのことを学んできた。


ゲームや漫画などの娯楽は禁止されていた。そして、巫女としての仕事も教えられてきた。


巫女としての仕事とは10歳になったら毎日夜に祈りの“舞”をすることだ。

二つの扇を使い、可憐な衣装を着て華麗に舞う。その姿は美しかった。


ノアはその仕事を5年間続けてきた。だが、ここで転機が訪れる。

自分はいったい何をしているんだろうか?と思ってしまった。

今までやってきた巫女としての仕事に疑問を持ち始めたのだ。


毎日、毎日、毎日、学校から帰ったら舞を踊らなければいけない。

学校帰りは早く帰らなければ行けなく自分の時間もない。

休日だって習い事で予定がいつも埋まっている。


ノアは成長し、大きくなり、周りを見て、こう思った。ふざけるな、と。

親戚はいつも言う。お前は巫女なのだと。


ノアはこの家で50年ぶりに先祖の血を引き継いだ女の子だった。ノアが生まれた時は親戚共々全員が喜んだ。これで役目を終わらせずに、次に繋いでいけると。


ノアはそんな親戚達の言いなりになってきた。だが、それももう終わりだと言わんばかりにノアは家にあったお金を持って家を抜け出した。

そう、家出したのだ。ノアは駆け出した。家を出て、行くところは無かったがとりあえず家にいたくなかった。



ノアはフラフラと街を歩く。とりあえずどこかで休もうと休める場所を探した。

すると図書館を見つけた。本か・・・と思い入っていった。


ノアは本は好きだった。いや、本を読むことは許されていた。本は勉強になるからと。


学校の休み時間なんかにもよく読んでいた。本を読んでいる間は自分の役目を忘れることが出来たからだ。


ノアはひたすら本を読んだ。図書館が閉まる時間いっぱいまで。ノアはここで1冊の本に出会った。


その本の主人公は異世界に勇者として召喚される話。よくある様は話だが、主人公は女の子だった。

女の子の勇者が旅をし、仲間を集め、敵を倒していく。時にはやられ、ピンチにもなったりする。そんなチープでシンプルな物語。


読んだ時にはワクワクした。こんな事が起こったらいいな何て考えながら。現実ではない世界に憧れを抱いた。

シンプルだからこそカッコイイと思えた。


そして、主人公にも憧れた。この主人公は強くて、かっこよくて、可愛くて、そして何よりも自由だった。自分には持ってないものを持っていることに憧れたのだ。


ああ、自分もこの子みたいになりたい。ノアはそう思った。だから、この子みたいになろうと思った。


一人称を私からボクへと変えた。

そしてノアは家に帰り、もう舞を踊ることは無かった。

自分のやりたいと思ったことをやり、親戚達にも反抗をした。


ノアは自由に生きた。

だが、親戚たちは怒った。無理矢理にでもノアに舞をやらせようとしたがノアは一向に踊らなかった。


「 お前は巫女だ、踊れ!踊らなければ神がお怒りになる。」

「嫌だね、ボクはもう絶対に踊らないよ!」


親戚たちは毎日のようにノアに踊れと言う、家にいる時は居場所を何てほとんど無かった。

だが、両親だけは味方をしてくれた。父は「自分の好きなように生きなさい。伝統なんて知ったことじゃない。」と言ってくれた。


だが、それをよし、としなかったのは親戚たちだった。ノア自身には踊れと言い、父にはお前がもっとしっかりとしてればと言い、母にはお前が来たからこんな子に育ってしまったんだ、と言われた。


ノアは耐えられなかった。自分だけでなく関係のない父や母も巻き込む事が。父や母を悲しませたくない。ノアはそう思い再び踊ろうとしたが、父はそれを止め、親戚たちに言った。


「私達はこの家を出ます。ノアは自分の好きなように生きさせます!!もう一切ノアには近づかないでください!」


そして、父はノアと母を連れ、荷物を持ってそのまま家を出た。

後ろからは親戚たちの声が聞こえる。戻ってこいや、ノアだけでも置いてゆけ、なんて声が。


ノアは涙を流した。自分のためにここまでしてくれる事が嬉しくてたまらなかった。家族との縁を切ってまで守ってくれた事が嬉しかった。


それからの生活は母の実家で過ごした。元いた家よりも生活は質素だったがソレでもとても幸せだった。

父と母と祖母と祖父とで暮らす生活。とても楽しかった。

煩わしい習い事も、神事も無く自分の好きなことが出来ることがうれしかった。


そしてある時、ある一通の手紙がノアの元に届く。

その手紙には


『悠木 乃亜 様 ご当選おめでとうございます!』


と書かれていた。ノアはへっ?と思う。何か当たったらしいのだが、記憶にない。何だろうと思い中身を見てみるとそこには異世界に召喚される権利を獲得したと書かれていた。


異世界!と思ったが、誰かの悪戯だろうと思いその手紙を捨てようとした瞬間に辺りを白い光が包む。


「うわっ!」


気がついたらそこは別の場所、いや、別の世界へと来ていた。そしてヒラヒラと手紙が舞落ちてきた。

それを見てみると、


「背景 悠木 乃亜 様、


いきなりの事で戸惑っていると思いますが少しこの世界について説明させていただきます。この世界はあなたがいた世界とは別の場所にあるものです。言語につきましては、あなたに選別として、プレゼントした加護の効果により、通じるようになっておりますので、ご安心を。


続きまして、あなたに付与した加護についての説明です。あなたに付与した加護の名前は『言語の加護』と『聖光の加護』です。


『言語の加護』は、あらゆる言語が分かり、こちらの言葉も伝えることが出来る、異世界転移者限定の加護になります。

そして、『聖光の加護』は、光の力を操ることが出来ます。お気軽にご利用ください。


〜〜〜」



「おお、これはボクは異世界に召喚されちゃったて事でいいんだね!」


ノアはワクワクしていた。自分も冒険が出来ると喜びに満ちていた。


「よし、まずは探索だ!色々知っておかないとね!」


ノアは街の中を探索したりした。



ノアは宿で休んでいた。


「ふぅ、今日一日だけで結構色々やれたね、疲れたよ。

本当に異世界なんだなー。ギルドがあって、武器を持っている人が歩いていて、外には魔物がいて、凄いなー!」


ノアはこの異世界生活を楽しんだ。魔物を狩り、ほかの人と一緒に冒険をしたりと、やりたいことをやった。

その途中でなんか大物を仕留めてSランクにもなれた。

そして、しばらくの月日が流れた時、ギルドに魔将退治のパーティメンバー募集という貼り紙を見つけた。


「これはこれは、何か燃えますな。」


ノアは魔という言葉にこれは戦ってみたいと思った。そして魔将退治に志願したのだ。

魔将退治のメンバーは10人。全員が、Sランクの冒険者であった。

これならいけると思っていた。


だが、結果は違った。惨敗だった。それもそのはずである。ノアはまだまともに加護の力を使いこなすことが出来ていなかったのだ。

そして武器の姿へと変えられ、どこかに飛ばされた。


ノアは暗い場所にいた。正確には何かを巻き付けられていた。武器になっても意識はあった。

ここは店の中で自分はそこにいる。何度か人が来たけど自分を持っていってくれる人はいない。


(ボクはいったいいつになったら戻れるんだろうなー)



ある時その店に1人の男がやってきた。


「やーお兄さん、いらっしゃい」


元気のいい店主の声が聞こえる。仲良さげである。よく来る人なのだろうか?

それにしても何かその人に強い光を感じる。なんだろうこれ?


「あー、ラウガなんかいい剣ないか?」

「ほほう、剣をお探しですか?そうだね〜、お兄さんにはどれがいいかな〜?」


この人は剣を探しているのか、もしかしたら!

と思い、心の中で叫んでみる。確か店主の人はお兄さんと呼んでいた。ならば、


“そこのお兄さん!”


その瞬間、男がビクってなり、キョロキョロと辺りをみる。


「ん?ラウガなんか言ったか?」

「えっ?なに?どうしたのお兄さん。」


これはきっと聞こえている!どうにかしてこっちに呼ばなければならない!えっと、どうすれば・・・、

ボクが置かれた場所は確か右側、で、この人は入ってきたばっかだ、なら、


“お兄さん、こっだよ、こっち、右の棚の方だよ、ボクを助けてよ”


そして、自分自身が上に持ち上げられ、巻いてあった何がとられる。

自分の目に光が入ってくる。目の前には知らない男の人。年齢は一つか二つ上くらいだと思う。

気だるそうだが、なかなか整った顔立ちをしている。


それがボクとリュウとの初めての出会いであった。













ノアさんの話は続きます。

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