表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
懸賞当たってコミュ障が異世界召喚!?まずは基本のこんにちはから  作者: リルア=アルマーレ
異世界放浪編
47/62

第47話 ゴロウの戦い


『カレッジ』と『雷竜』の戦いは続く。『雷竜』のメンバーは大量に削られたが、まだ、『雷竜』の方が人数は多い。


「ガァ!」

「どりゃァ!」


大男同士の戦い。かなりの迫力だ。ゴロウは大剣を持ち、シンは大斧を持っている。


「ハハハ!いいな、おまえー、こんだけやっても壊れないなんて!これは全力出してもいいよなぁ!」

「ふん、やれるならばやってみろ。」


ゴロウとシンは全身に力を入れる。2人の雰囲気がガラリと変わる。ゴロウは『狂戦士化』を、使用する。そしてシンは、


「ガガガッ!『狂気解放』!!」


シンの体を黒いオーラが包み込む。そしてシンは狂気と化す。目が血走り、血管が浮き出る。


「さぁ、やろうゼ!」


ゴロウとシンはドンっとぶつかり合う。ギンッと金属がぶつかり合う音がする。そして、ゴロウは吹っ飛ばされる。


「ガガッ!お前、結構弱いな。期待外れだな。」

「くっ、」


ゴロウはSSランクの中では弱かった。そう、弱かったのだ。

ゴロウは加護を持たずに生まれてきた。何も才能のない者だった。

ゴロウの周りは加護を持つ者が溢れていた。いや、加護を持たない方が珍しかった。


ゴロウは悔しかった。自分が何も持ってないことが、だが、諦めてもいた。自分はどうやっても強くはなれないなと、しかし、彼に転機が訪れた。


それは彼がある時魔物に襲われた。それを冒険者に救われた。その冒険者も何の加護も持っていなかったのだ。

幼いゴロウは冒険者に憧れた。何の特別な力も持たないのに自分を救ってくれ、勇敢に戦った姿に憧れたのだ。


ここからゴロウの努力は始まった。思いつくことを何でもやった。木の棒を振ったり、斧を振ったり、走って体力をつけたり、かつて見た冒険者のようになれることを目指して。


そして、段々と強くなっていった。どんなに馬鹿にされても、雨の日でも、努力を惜しまなかった。それは実を結び、かなりの年月をかけたが、Aランクまで上がることが出来た。


ゴロウは喜んだ。自分も強くなれたんだと、だが、それでも加護持ちには勝つことが出来なかった。いつも活躍するのは加護を持っているヤツら、ああ、やはり自分は凡人なんだなとゴロウは思った。


それは悔しかった。自分が今までしてきた努力を嘲笑うかのように加護だけの力で自分よりも強い事が許せなかった。そしてその怒りは爆発をする。それは彼に力を与えた。彼は『狂戦士』と化した。


ゴロウは眠らずに魔物を倒し続けた。目に入るもの魔物を全て、一匹残らず、その中にはSランクも、SSランクの魔物も含まれていたという。


「ヴォォォォォオオオ!!」


雄叫びは獣の如く荒々しかった。ゴロウは怒りで我を忘れ、破壊を繰り返した。大地は抉れ、木は倒れ、魔物は倒されていく。その姿はまるで大地が怒ったかのようだったという。


そして、ゴロウは倒れる。体力を使い果たしたのだ。ゴロウが倒れた場所は更地になっていた。魔物はいなく、植物も生えていなく、大きなクレーターの様なものが出来ていた。


ゴロウは後からやってきたギルドナイトに運ばれ、治療された。そして、Sランク冒険者へと昇格をした。


ここからもゴロウの努力は続いた。ゴロウは怒りの力をコントロールすることに努めた。それを使いこなすことが出来たならば自分はもっと強くなれるだろう、これならば加護持ちとも対等に戦うことが出来るだろうと、


そして、努力は力となり、加護が目覚める。その加護は決して強いものではないだろう、だが、それは努力の証となる。今まで諦めず頑張ってきたその不屈の心からのみ生まれる加護。『不屈の加護」だ。


『不屈の加護』は努力すればするほど強くなる加護である。努力を怠れば強くはなれない加護である。この力のお陰でゴロウはSSランクへと昇格することが出来た。怒りのコントロールも少しできるようになっていた。


ゴロウはSSランクとなり、勇者という存在に出会う。最強の加護を持つ存在、そんな彼が自分の努力を、実力を自分には真似出来ないと認めてくれた。ゴロウは嬉しかった。そして勇者の仲間となった。


勇者の仲間となり、魔将を倒しにいった。勇者もいるし、強力な仲間もいるので圧勝出来ると思った。だが、現実は違った。魔将の圧倒的な強さになす術もなかった。自分はもうダメだと思った瞬間、突然男が現れる。


その男は強かった。あの魔将と戦い勝ってしまったのだ。勇者でも勝てなかった相手に、ほぼ1人で勝った。ゴロウは思う、自分はまだまだ努力が足りないのだなと、そして、仲間と共に努力をした。


「俺は、確かに弱い、弱かった!だが、努力は絶対に裏切らない!」


力強い一言。その言葉と共に力が溢れる。怒りを力とせよ!自身の弱さを悔やめ!運命を恨め!そして、強者を打倒せよ!


「俺はなんの力も無く生まれてきた。そして努力をした。その不屈の心は力となる!これが俺の切り札だ。強者を超えるための力なり!『弱者革命ゲコクジョウ』!」

「叫んだところで何も変わらないよ、お前は弱い、だから俺に壊されるんだ!」


シンが斧を振り回してくる。それをゴロウは剣で受け止め、切り返す。先ほどでは吹っ飛ばされていただが、いま後ろに飛んでいるのはシンの方だった。


「な、何故だ、俺が飛ばされてんだ?」

「これが『弱者革命ゲコクジョウ』の力だ。お前の力を利用させて貰ったぞ。」


弱者革命ゲコクジョウ』とは相手の力に自身の力を載せ攻撃するカウンター技である。ゴロウも危険を伴うが相手に確実にダメージを与えることが出来る技である。


「これで終わりだ。シン・ソルナ。お前の負けだ。」

「俺が、俺が、負けるかー!」


シンが斬りかかり、それをゴロウはカウンターで返す。そしてシンは倒れる。戦闘不能である。


ゴロウVSシン


ゴロウの勝利で幕を閉じる。




***************************************



ここは『カレッジ』の城近く。ケコ、サツキ、ルルクが城を守らんと戦っている。


相手はAランク冒険者が多い。ケコ、サツキ、ルルクの3人もそれら全てを倒していくのは大変なのである。


「数が多いですね!」

「そうだね、でもここがあたし達の正念場だよ、ここを耐えるよ!」

「了解です。皆さん、頑張りましょう!」


魔法がまい、土煙が起こり、天候が変わる。相手の冒険者も負けてはいない。


「うおぉぉぉぉぉ!」

「こいつらを倒せー!!」

「いけ!メイジ隊、魔法をレジストしろ!」

「城だ!城に入れば勝ちだ!こいつらは強いが数が少ない!それに、ライガさんもいる!絶対に勝てるぞ!!」


「絶対に通しません!『大地の防壁』!!」


地面から巨大な土の壁が出てくる。冒険者達の侵入を防ぐ。だが、全てを防ぐことは出来ず、数人の冒険者達は攻撃をしてくる。


「はっ!はあっ!」


ケコは木槌で、敵を倒していく。そこにルルクが魔法で追い打ちをする。


「流石は『神』の名を持つ人さね、やるねぇ、」

「あなたこそ、かなりの精度と威力の魔法ですね。」

「そうさね、でも、あたしの魔力ももう少なくなってきてるよ、ちょっと回復するから少し頼んでもいいかい?サツキ、ケコ」

「はい、任せてください。」

「OKです。ルルクさん!」


そして、土の防壁が崩れ去る。かなり数が減った冒険者達が流れ込んでくる。それでも数はまだ多い。


「さぁ、耐えますよ、サツキさん。」

「ええ、頑張りましょう、ケコさん。」


3人の防御戦は続く。




********************************************



「ちょこまかと、逃げるんじゃないよ!」


ノアは追われていた。二本のククリナイフを持ったシオンに。


「やだね!ボクが出来ることは少ないんだよ。」


ノアは逃げながらも矢を放つ。それはナイフに防がれてしまう。かなりの速さなのに防がれる。シオンという敵はかなり強い。


しかし、ノアはなぜ逃げているのだろうか?普段は弓を使うノアだが、『聖光の加護』という最強のバフ能力を使えばかなりの力を発揮することが出来るだろう。


答えは簡単である。それは『聖光の加護』の能力のせいである。この加護は使用制限が決まっている。今回はその使用制限をオーバーしてしまったため、一時的に使えない状態になっているのだ。


オーバーしたのは試合開始時の『大閃光』の時である。少し用途とは違う無茶な使い方をしたために大幅に加護の力を使ってしまったのである。


いま残っている力はノアに軽くバフをかけている程度で、本来の力はない。再び加護が使えるようになるために時間を稼いでいるのである。


そして、時が満ちた。ノアは現在戦闘服を着ている。いや、戦闘服といってもタダの水色のパーカーである。ヘルダに作ってもらったのである。くるりとシオンの方を向く。


「さぁ!いってみよう!光り、輝け!聖光の力!」


ノアの体に光の力が漲る。


「なんだい?キラキラしているからって強くなったつもりかい?鬼ごっこは終わりにしてさっさと倒させてもらうよ!!」

「ふふん、ボクを舐めると痛い目みるよ?」


2人は構える。ノアの戦いが始まる。

















評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ