第45話 最大の敵
投稿が遅くなってますねー、とりあえずぼそぼそと頑張っていくので、応援よろしくです。
「会いたくないとは心外だな〜、俺に会えてとても喜んでいるぜ?」
「あ、ああ、俺も嬉しいぜ。」
俺は雷牙を睨みながら答える。
「おいおいそんなに怖い顔すんなよ。俺はお前を祝に来ただけなんだぜ?」
「祝に?お前が、嘘つけ。」
こいつは人を祝福したりしない。するとしたらそれをネタにいじめる時だけだ。嫌な予感しかしない。
「信じろよ〜、本当に祝に来ただけだって。お前がSSランクになるって噂を聞いてよ、まさかって思って見に来てみたらよ懐かしい顔があるじゃねぇかってな。いやー、本当にお前にこの世界で会えて嬉しいぜ。」
雷牙の顔には喜びが滲み出ている。それは再会の喜びからではなく、新しい玩具を見つけた時のようにニヤニヤとしている。
「いやー、しかし、あのお前が、コミュ障のお前が女2人と一緒とはな、驚いたぜ。なぁ、もしかして治っちまったのか?そうだとしたら、つまらねぇな?」
「うるせぇ、俺はお前が嫌いだ。話したくもない。それと、あのことを俺は忘れねぇよ。」
「なんだよ、あの事かよ。ただ遊んでただけじゃねぇかよ。しかも中学の時だろ?もう気にすんなよ、なっ?」
本当にこいつと話しているとイラついてくる。何でこんな奴と仲良くなったのかが分からない。
「ふざけるなよ。用が無いならもう帰れよ。」
「なんだよ、冷てえな、もっと話そうぜ」
「お前と話すことなんて無いんだよ。じゃあな。」
早くこいつから離れたいと思う。早く帰れと願う。
「おいおい、じゃあなとか言うなよ、まぁいいや、本題に入るか。お前、俺のクランに入れよ。」
クランとはSSランク以上の者がリーダーとして多数のパーティで構成されているグループの事だ。
少なくとも雷牙はSSランク以上である。
「・・・は?何言ってんだよ、」
「だから、クランだよクラン、俺がリーダーのクランが、あるんだよ。お前って強いみたいだからよ、来いよって事だよ。」
「はっ、ふざけんな俺がお前のクランなんかに入るわけないだろ、極力お前には関わりたくない。」
こいつの下につくなんて嫌だ。絶対にだ。
「悪い話では無いはずだぜ?だって俺のクランは今1番熱いクランだからな。期待の星とか言われてんだぜ?冒険者はみんな入りたがる。超強いクランなんだぜ?俺はこのクランでこの世界で頂点に立つ。お前も一緒に上を目指そうぜ?神から貰ったチートがお前もあるんだろ?」
「そんなことどうでも良いんだよ、俺はお前とは関わりたくないって言ってんだよ。」
「なんだよ、俺が誘ってやってんだぜ?いいじゃねぇかよ。来いよ、このクランに入ればあの『風車』ってパーティも倒すことが出来るぜ?」
はっ?どういう事だよ、何でもここで師匠のパーティが、でてくるんだ?
「・・・『風車』?」
「なんだ知らねぇのか?『風車』ってのはよこの王都を拠点にやってる冒険者最強のパーティの事だよ。だが!その最強のパーティも俺ら巨大クラン『雷竜』にかかれば倒すことも出来るんだよ!」
倒す?師匠達を?
「はっ!お前らが『風車』を倒す?出来るわけないな。」
「あ?なんだよ、どういう事だよ。」
「お前らに、数の力でしか圧倒できないような奴に、師匠達は倒されないってことだよ。」
ガッと雷牙は俺の胸ぐらを掴む。
「言うじゃねぇか、リュウトの癖によ。なんだ?俺が弱いといいてぇのかよ?」
俺はこいつが嫌いだ。そして苦手で、怖い。
だが、こんな奴に師匠は倒されない!!俺を助けてくれた、色々教えてくれた。師匠を馬鹿にされて怒らないはずがないだろう!
「ああ、そうだ、お前は弱い。強がってるだけのただのカスだよ!」
「そんだけ言うならよ、見せてやるよ、俺の力を!!」
「良いだろう!お前の全てをぶっ飛ばしてやる!総戦力で戦うぞ!」
「「クラン戦だ!!」
バンッと俺らは宣言をした。こんな奴に負けるか、負けるもんか!
「へっ!決まりだな。決行は1週間後。それまでに負けた時の立ち直り方でも考えてな。」
「はっ!お前こそ、俺に負けて泣きべそとかかくんじゃねえぞ。」
「俺がお前なんかに負けるわけねぇよ。ひねり潰してやる。」
バチバチと火花が散る。こいつと衝突するのは初めてだ。正直怖い。だが、こいつは、こいつだけは倒す。師匠の名誉のためにも、俺の為にも!
「負けた方は勝った方の言うことを何でも聞く、でいいな。リュウト。」
「ああ、望むところだ。」
「じゃあな、1週間後、楽しみにしているぜ?お前を無様に這いつくばらせてやる。」
雷牙はこの食事処から去っていく。俺はその瞬間力が抜け、椅子にドサリと座る。
ちょー緊張した。そりゃ、緊張もするさ、一番会いたくないやつと話していたのだから。
「いやー、すまんな、勝手に戦い挑んじゃって。」
「別にいいよ、ボクも何だかムカついたし、それにリュウと何かあったんでしょ?」
「昔、ちょっとな……」
俺は思いにふける。何度思い出してみても嫌な過去だ。
「それでクラン戦はどうするんですか?自分たちは3人だけですよ?」
「あ〜、それはなどうしよ、勢いで言ったけどさ、何も考えてなかった。」
「ダメじゃん!相手はなんか強いんでしょ?だってチート持ちだし、人数も多いと思うよ?」
「まあな、さてさて、どうしたもんかねー、」
俺は頭を悩ませる。どうするべきなのか、仲間を集めるにしても戦力にならない人を集めた所でしょうがない。
・・・あれ?待てよこの街に俺の知り合いで強いヤツって言ったら・・・
「そうだ!勇者だ、勇者パーティを呼ぼう!」
「それだ!サツキちゃん達に頼もう!」
「よっしゃ、そうと決まればとりあえず勇者パーティを探すぞ!」
「了解!」
俺らは二手に別れて捜索をした。俺ひとりと、ケコとノアの2人で別れた。ケケコは勇者パーティの顔を知らないのでノアと一緒に捜索をした。
そして、俺が発見をした。
「ああ、カザカミさん、おめでとうございます。昇格の時見ていましたよ。凄かったですね。」
「ああ、ありがとう、でもその話は後だ。少し、来てくれ。」
「・・・?はい、分かりました、何かあったんですか?」
「あったよ、スゲー困ったことだ。」
俺は勇者パーティを連れてノアたちと合流をした。
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「・・・・・・・・・てな、感じなんだ。頼む!俺に力を貸してくれ。」
「分かりました。カザカミさんのために僕達はあなたのクランに入りましょう。」
「助かる。お前達が入れば何とかなりそうだな。」
良かったー、承諾してくれて。でも、これでこっちにはかなり強い仲間が集まった。人数はたったの7人だが、多分いけるだろう。てか、これ以上声かけられるやつがいない。
「しかし、相手はあの『雷竜』か、厄介だな。」
ゴロウがポツリとつぶやく。
「えっと、そんなに強いのか?」
「全てAランク以上で形成されているクランだ。所属しているパーティは確か50はいたはずだ。人数が多く、クラン戦は結成してから1度も負けていないらしい。」
うげっ、なんだよ面倒くさそうだな、人数多いのかー、50パーティあるってことは最低でも100人はいるんだよなー、
「そんなに多いの?大丈夫?この人数で。」
「私も心配です。」
「まぁ、そのへんは作戦でカバーする。」
作戦でカバーするとは言ったけど何も考えてないな。えっと、確かクラン戦って城を攻め落とせば勝ちなんだよな。人数が少ないなら、攻めた方がいい。攻撃こそ最大の防御なりーってね。
「よし、じゃあ作戦会議といこう。この戦い、絶対に勝つ。」
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こうして俺らの作戦会議や、特訓やらで一週間が過ぎ、試合の日になった。
「よう、リュウト、負ける準備は出来たか?」
「俺はお前を倒す準備はしてきたつもりだ。お前こそ覚悟をしろよ。」
雷牙相手に少しビビりながらも啖呵を切る。
ここでビビってられるか、俺はやれる。やってやる。
「俺をせいぜいガッカリさせないでくれよ。」
アッハハと笑いながら背を向け、去ろうとする。
「ちょっと待ってよ。」
ノアが引き止めた。
「なんだよ、リュウトのお仲間さん。」
えっ、なんだよノアさん、何を言うつもりだよ。怖い、怖い、ただでさえビビってんのに、
「えっと、君は 軍上 雷牙君と言ったっけ?随分とリュウを貶してくれたね。君は知ってるのかい?リュウの強さを、凄さを、優しさを。ボクは知ってるぜ?君に 悠木 乃亜の名において言っておく!」
ノアは人差し指をライガに向ける。
「風神 龍飛を舐めるなよ?」
一瞬の間が起こる。
「フッ、はははははは!面白い。なら、楽しみにしといてやるよ。」
ライガは去っていった。
「ふぅ、言ってやったね。」
ノアさん!マジカッケー、こう言われたら、頑張るしか無いよな。
俺はポンとノアの頭に手を置いた。
「ありがとよ。おかげで、ビビリが吹っ飛んだぜ。」
「ふふん!どういたしまして。今日は頑張ろうね!」
「おう、じゃっ、まぁ、いくとしますか。」
「「「「「「おう!」」」」」」
俺らはクラン戦へと踏み出す。
目の前にはたくさんの敵がいる。200以上は確実にいるな。
クラン戦は相手の陣地の城の中にある旗をとった方が勝利する。俺らの仲間の人数は7人。対して相手は約200、不利すぎる。
だが、それもまた面白いと思ってしまう自分がいる。圧倒的不利な人数差。燃えるだろ?
「さぁ!今回はあの全戦全勝の大型クラン!『雷竜』VS新しく出来た小さなクラン、だが、メンバーは『勇者』に、『風の英雄』と豪華だ!『カレッジ』は何を見せてくれるのかー!!」
俺らのクラン名は『カレッジ』勇気を持ってという感じでつけられた。
「さぁ、間もなく試合開始となります。鐘の音がなったらスタートです!」
俺らは互いに構える。その場に緊張がはしる。
リーン、ゴーン、ゴーン、と鐘の音が鳴り響く。俺らの、俺の戦いが始まった。
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