第42話 美少女になりました。
更新遅れて申し訳ございません。色々と忙しかったもので…、まぁこれからもボチボチと更新を続けていきますよ。
いまここには1人の銀髪ツインテールの女の子と、茶髪の女の子と緑髪の軍服の女の子がいる。
「だぁぁぁぁあ!どうやったら戻るんだよ!これは?」
銀髪ツインテールの子、すなわち美少女になってしまったリュウトが怒っている。
「まぁまぁそんな怒んないでよ、可愛い顔が台無しだよ?」
「可愛い言うな!そして撫でるな。」
俺は美少女になったのだが、かなり身長が縮んだみたいだ。たぶん140cmくらいだと思う。
「あの、宝箱に魔道具の説明がありますよ。」
「なにっ?本当か!?」
急いでそれを見にいく。
「効果 : 装備した者の基礎能力を大幅に上げることが出来る。しかし、装備している間は加護の効果を使用出来なくなる。
そして、装備した者の能力を上げるにしたがって能力にあった姿に装備者を変える。
なお、この魔道具は1度装備したら3日間外すことは出来ない。(男性専用装備) 」
まじかよ、何なんだよ、しかも能力にあった姿で美少女ですか、3日間このままって事ですか?もう、嫌だ。
「ククク、ま、まぁそんなしょげないでよ。クク、可愛いからいいんじゃない?」
ノアが笑いを堪えながら、言う。うん、絶対面白がってる。こいつ、人事だと思って。
「で、これからどうするの?とりあえずここを出なきゃだけど、リュウは大丈夫?」
「大丈夫な訳あるか、でも、そうだな、とりあえずここを出よう。顔は、まぁフードで隠して、基本的なことはお前らに頼んだぞ。」
「まっかせてー、可愛いリュウのために頑張るよ!」
「おい、可愛い言うな、本気で怒るぞ?」
「わー、ごめんってばー!怒んないでよー」
俺はフードを深く被る。するとおかしい事に気がつく。
あれ?何で俺はパーカーを着ているんだ?服が変わるんじゃないのか?
手にはブカブカのガントレットもあるしな、変化しなかった?
いや、でも俺のズボンはスカートになったし、中の服だって変わってる。靴だってなんか可愛くなってるし、靴下も変わってる。
変わってないのはパーカーとガントレットだけだな。
……訳わかんねぇや。
「ほれ、いくぞ、お前ら。」
俺達は転移魔法陣を踏み、外に出る。行きはきついのに帰りは楽とか最高だね!
「うーん!久しぶりの日差しだね〜、結構潜ってたからなー」
ノアが伸びをしながら言う。
「日差しはきついな、まぁいいや、とりあえず王都に向かえばいいんだろ?」
「そうですね、リュウさん」
「お待ちしておりました、皆さん。」
俺達が話していると知らない初老の男性が話しかけてくる。執事っぽい人だなー、
「私、ギルドより使わされました者でございます。皆様を王都へとお送りしろとの御命令です」
おお!ギルド、気が利くじゃねぇか、これはあれか?SSランクへの待遇ってやつなのか?いやー!一気に偉くなったね!
でも、どうやって王都まで行くんだ?見た所馬車みたいのは見つからないし、まさか、徒歩…だと!いやーそれは無い、徒歩で迎えとかおかしいだろ。
「では転移魔法を使いますので私の近くへとお集まり下さい。」
なるほど、転移魔法が使えるのか、そいつは便利だなー、いや、ちょっと待てよ、俺今この姿だぞ?色々やばくね?
「あ、あのちょっと…」
「では、『長距離転移魔法』」
俺の願いは虚しくそのまま転移された。気がついた時にはもう王都の門へと転移していた。
「しばらくの間この王都で羽を休めてください。準備ができ次第、お呼びします。では、」
初老の男性はペコリもお辞儀をして、去っていった。
「だって、リュウ、休みが貰えたね?どう?ショッピングでも行く?服でも買う?」
「行かねぇよ、買っても意味ねぇし、身体強化されてるらしいからその調査とかしてるよ。」
「えー、つまんないなー、まっいっか、じゃあケコ!行くよ!」
「えっ、ノアさん?ちょっとー!」
ケコはノアに引っ張られ、王都へと消えていった。
「行ってらー」
俺はそれを手を振り、見送った。
さて、どんなもんか外のモンスターで試してみるか。
俺は外に行き、モンスターを倒しにいく。さてさて〜いい敵はいるかね?
俺は歩きながらモンスターを探す。すると近くにでっかい犬型のモンスターの群れが現れた。懐かしのロッカー君だ。しかもビックロッカー。
ちょうどいい、こいつで試すか。
俺はビックロッカーを体術だけで倒す。掌底、蹴り、殴りを入れて。
軽い、体がスッゲェ軽い。しかも男の時よりも威力があるし、速いし、良く見える。これが魔道具の力ってか。
あっという間にビックロッカーの群れを討伐。しかも体は疲れてはいない。
すごい動けるな、これ、『纏嵐・韋駄天』よりは強いな、だけど少し合わないな、もっと調整が必要か、
と戦闘後の確認をしていると周りから男達が五、六人やって来た。
「すげぇな、お嬢ちゃん。ビックロッカーの群れを1人で倒しちまうなんてよぉ、」
「ああ、凄い、どうだ?俺達のパーティに入らないか?へっへっへ」
と下衆な笑を浮かべながら話しかけてきた。
うん、アウトだね。百パーセントアウトなやつだよね。このロリコンどもめ。あと俺が1人なのと少女だから舐めてるなこいつら、
「…断る。」
俺は短くそう告げその場を去ろうとする。すると、当然このロリコンどもはそれをさせない。
「なぁ、いいだろー?お嬢ちゃん。痛い目とか見たくないだろ?」
「ついてきたらいいものやるぜぇー?」
あー、もう、どうしよう。もう実力行使でいいな。
俺はその場で男達に掌底を叩きもうと、したとき、
「止めないか、その子は嫌がってるじゃないか。」
はい、イケメンの登場ですね。まぁ、ここはこいつに任せれば何とかなるでしょ、
「なんだと?テメェ、別に俺はこの子と遊ぼうとしてただけだぜ、別に何もやっちゃいない。」
「そうかな?その子はこの場を去ろうとしていたけどそれを君たちが囲んで通れなくしたと思うんだけど?」
はい、全くその通りです。いやー、いいね、助かるね。しかし、あれだな、なんかこの声聞いたことある気がするな。気のせいか?
俺は気になり、そのイケメンの方向を向いてみると、そこには4人の影があった。
「お、おい、こいつらまさか、いま王都に来てるっていう勇者一行じゃねぇか?」
「な、なに?こいつらがか?やばい、逃げろ!」
男達は逃げていった。
あー、こいつらあの勇者君たちか、魔将のときの、いや、マズイ、いま知り合いに会うのはかなりマズイ。だってこんな格好だぜ?
「大丈夫ですか?怪我とかしてませんか?」
懐かしの賢者様のサツキが聞いてくる。
「…大丈夫、です。」
俺は出来るだけ小声で答えた。まぁ声の高さとかまで変わってるので分かるわけが無いんだがね!
しかし、唯一の懸念はこのパーカーである。 俺の知る限り、この世界にパーカーはない。ならばこのパーカーで気づかれる可能性もある訳だ。
「良かった、でも、何でこんなところに?」
「そうさね、こんな小さな子が……?」
確かこの人は魔術師のルルク、あれ?もしかして俺に気づいてる?気のせいだよね?
「どうしたんですか?ルルクさん?」
「何でも無いよ、」
とか言いながらルルクさんはめちゃくちゃニヤついてこっちを見ている。
うわっ、やっぱり気づいてるやん、めっちゃ見てくるよ、
「あれ、この子のこの格好、どっかで…?」
「そうだな、カザカミの装備に似てないか?」
「そう言えばそうですね、この赤い服はカザカミさんのと似ていますね。」
やべっ、バレ始めた、もう、これは観念するしかないか、だってルルクさんが今にも吹き出しそうになってるもん!
「はぁー、久しぶりだな、勇者君。」
「へっ?久しぶり、あの、僕達どこかで会いましたっけ?」
「俺だよ、魔将の時に会った カザカミ リュウトだよ。まぁ、訳あってこの姿だけどな。」
「えっ、本当なんですか?カザカミさん?」
「そいつの言ってることは本当だよ。魔道具でその姿になってるだけだよ。」
「「「ええええええええぇぇぇぇーーー!!」」」
めっちゃ驚かれた。そりゃそうか。だって俺も驚いたもん!
「あ、あのカザカミさん…、撫でても良いですか?」
サツキ、お前もノアと同類だったか、
「だめだ。あと、可愛いとか言うなよ、」
「そ、そんな!それはあんまりですよ!」
どんだけショック受けてんだよ…驚きだよ。
「まぁ、なんだ、さっきは助かった。」
「いえ、勇者として当然のことをしたまでです。」
さすがだねぇー、立派だわー、
「カザカミさんは王都にはSSランク昇格のためですか?」
「あ、ああ、そうだが、」
「やっぱりですか。カザカミさんがSSランク昇格と新聞にてでたものですから。」
マジかー、がっつり宣伝がされてんのかー、目立つのやだなー。
「流石はカザカミさんです。僕達もカザカミさんを目指して修行したんですよ。」
そうか、頑張ったんだな。前見たよりもかなり力がついた感じがするな、なるほど、こいつは少しちょうどいいかもな。
「なぁ、一つ提案なんだが、勇者君、俺と手合わせしないか?」
「えっ?僕とカザカミさんがですか?」
「そうだ、強くなったんだろ?ならさ、やろうぜ、俺と。」
なんかあれだ。自分で言っててめっちゃ調子乗ってんなって思うわ。たぶんこの姿だから言えることなんだろうなー、ほら、なんか普段と違うとさ少し調子乗らない?そんな感じだよ。
「是非、お願いします。僕の力をお見せします。」
「なら決まりだな。ええと、サツキ、木刀と木剣作ってくれ。ほら、真剣でやる訳にもいかんだろ?」
「はい、では。」
サツキは木刀と木剣、二本作り、俺たちに渡す。さて、やりますか。
俺達は剣を構える。試合の合図はゴロウさんがかける。
「では、始め!」
力強い掛け声とともに試合がはじまる。木刀と木剣がぶつかり合う。
なるほど、これは強くなった。俺のこの美少女姿はかなりの身体能力がある。それについてきてるってことは、かなり修行をしたと思われる。
打ち合いは続く。木の武器なので金属音はしないがかなり大きな音がぶつかりあう。今の優勢はギルドである。
リュウトはまだ少しこの身体能力とリーチに慣れていないのだ。思うように体が動かせない。そう、動きすぎてしまうのだ。
さて、どうしたもんか、この体のうまい使い方がよく分からん。そりゃ、40cmも背が違ったら感覚も違うな。少しスタイルを変えてみるか……
リュウトは戦闘スタイルを変えた。メインに武術を使い、サポートに刀を用いた。基本的には刀を手で持たず宙に浮かるスタイルをとった。これはこの魔道具の超身体能力があってこそ出来る芸当だった。
これだ!上手くハマった。このスタイルはこの状態でしか出来ないが、これは使える!
実際、今の優勢はリュウトだった。多い手数に押されギルドは防戦一方になっていた。そして、カランと剣が落ちる音がした。
「参りました。」
リュウトの勝利でこの模擬戦は終了した。
「お疲れ様。なかなか強かったぞ。修行の成果が出てるな。」
「はい、ありがとうございます。いやでも、カザカミさんには敵いませんね。僕は全力でやったのに、途中から押され始めて。」
「まぁ、これからも頑張れってことだな。」
「はい!頑張ります。」
言い返事だねー、これからも精進したまえよ、勇者君。
「さて、俺はそろそろ街に戻るかな。」
「そうですか。ではまた会いましょう。」
「ノアちゃんによろしく言っておいてください。」
「おう、じゃあなー。」
俺は勇者一行に別れを告げて街へ戻る。
いやー、疲れた。疲れた。結構強かったなー、楽しかったなー、またやりたいなー。
と考えていると、ガシッと足を掴まれた。
なんだ?変態か?いやでも、なんかこの感じ身に覚えがあるんだが……
嫌な予感がして恐る恐る下を見てみるとそこにはいつぞやのこの世界最高の鍛冶師のヘルダがまた行き倒れていた。
面白かったらブクマ、評価、感想よろしくです!




