第39話 人によく話しかけられる日
最近更新が遅れてますねー、とりあえずぼちぼち頑張りたいと思います!
闘技大会が終わったあと、俺らはタイガー、もとい不知火 凛子と話をすることになった。
「いやー、どうりで強いと思ったわー!私を倒すなんてねー、無敗記録を量産してたのに、実に残念だ。」
ちなみにかなりテンション高めである。猫のマスクをとった顔はまあ、整っていて可愛いと言うよりも綺麗の方に分類されるだろう。背も高く、体は余分な脂肪がなく引き締まっており、強く美しいと言った感じだ。
「でも、凛子は超強いよね!ボク、リュウがあそこまで苦戦するの久しぶりに見たな。」
「そりゃそうだよなんたって私は『武神の加護』を持っているからね。1体1の勝負だったらどんな相手でも負ける気がしなかったもん。」
「そっかー」
ノアとリンコが、仲良く話している。ケコは用事があるそうでここで一旦別れた。また明日街の案内をしてくれる。女子って友達作るの早くない?てか、ノアさんのコミュ力の高さね、多分コミュ力53万はあるね。
とか思いながら2人を見ています。
「私は初めて会ったな日本出身者。まさかこんな形になるとは思わなかったケドねー」
「ボクは結構会ってるかな、リュウに、サツキ、カケルだね!」
「へー、そんな人たちとあってるのねー。旅とかしてるの?」
「うん、リュウとね、世界を見て回ろうって感じでさ、、、」
この女子トークはしばらく続いた。俺はもちろん入れるわけもなく気がついたら途中で寝ていた。だって暇だったしね!
ノアさんとリンコは結構色んなことを話したらしい。日本での事とか、この世界に来てからのこととかまぁ色々だ。
で、次の日ですよ。俺とノアとケコが飯食ってると突然城の兵士が俺らに話しかけてきたんですよ。
「カザカミ殿でありますか?」
「あっ、いえ、人違……」
「そうですよー、どうしたんですか?」
俺がとりあえず人違いと言おうとしたのをノアさんが上から被せて答えた。
おいおいおい、ノアさんや、いつもながら何勝手に答えちゃってくれてんのかね?
こういうのは断るのがコミュ力ない奴の定石だよ?だってこの後が面倒くさそうだしね!
「実は国王があなたをお呼びです。お連れ様も一緒に着いてきてください。」
あーもう、なんか面倒くさそうだよ国王イベントだぜ?どうせ闘技大会を見てー、みたいな感じのやつだろ?
「ほら、リュウ、行くよ!」
「これって自分も行っていいのでしょうか?」
ケコがおずおずと聞いてくる。
「んー、あー、まぁいいんじゃね?お連れ様だし。」
「そうですか!自分、国王に謁見なんて初めてです。緊張しますね。」
うん、そうだね!粗相をやらかさないか心配だよ!主に俺が!斬られたりしないよねー、きっと!
俺はしぶしぶと言った感じで兵士について行き場内へ侵入、いや、この言い方だとアウトだな。じゃあ、侵入成功で。
場内なそりゃ豪華ですよ。いろんな甲冑とかあってさ、でっかい階段とか、でっかいシャンデリアとかさ、お城だから当然っちゃあ当然だけどね!
俺らは王の間に入る。そこには玉座に座っている王様、ライオンの獣人と思われる方がいた。
わーい、ライオンだー!強そうだなー!食べられないかな?
てか、やっぱりライオンが、王様なんですね。予想通りでなんかつまらないな、もっと面白い動物にすればいいのに、パト〇ッシュとか、ラス〇ルとか、地場猫とかね!
「ガハハ、よくぞ参ったぞ!オヌシがカザカミとか言う奴だな!うむ、強そうだ!」
王様はまたガハハと、大声で笑う。
うむ、元気な奴だな。てか、見ただけで強さって分かるもんかね、まぁそれは人それぞれだろう。
俺も相手が戦闘態勢だったら簡単な強さは分かるつもりだ、でも、リンコのときはノーカンでお願いします。
「オヌシたちに来てもらったのは他でもない、その強さが目的だ!闘技大会でリンコを破ったその実力、それを生かし、どうだ?この獣人国で働かんか?給料も色をつけるぞ?」
あー、やっぱりなんか面倒くさそうな要求だったよ、もちろん断ります!
「せっかくの申し出なのですが、お断りさせていただきます。」
自分でも驚く程にスラスラと言葉がでた。
怖っ!誰だよ本当に、こんなにスラスラ断りの言葉が出るなんて、絶対俺じゃないなにかだよ、
とか訳の分からないことを思う。
「そうか、やっぱりな!ガハハ!オヌシは留まりそうにないもんな!」
断ってもやっぱり声が大きい、テンション高い。
「リンコからオヌシたちの話を聞いた。色んなところを旅をしているらしいじゃないか、よし、闘技大会の褒美としていいものをやろう!アレを持ってこい!」
やったー!って何の褒美だよ、優勝賞金は貰ってるし、あとなにが貰えるの?旅に役立つもの?
「オヌシには久しぶりに熱いものを見せてもらったからな、これはその褒美だ。リンコとの戦いは凄かったな、我も血が滾ったよ。」
そう言って渡されたのは紋章が、入ったデカイメダルだ。イメージ的にはペーパーウェイトくらいの大きさだ。
「……これは?」
と俺はそれをマジマジと見る。と目の端にめっちゃ驚いているケコの姿があった。
えっ?なに?そんなに凄いもんなの?ヤバイの?これは?
「うむ、これは我が王家の印と呼ばれるものだ。簡単に言えばこの印を見せれば大体の国の王と謁見出来る代物だ。オヌシたちに必要であろう!ガハハ!」
はい、ヤバイのキター!てか必要ないよ、王に謁見とかしないから、無理だから。だからケコが、ヤバイ顔してたのか、まぁ、一応貰っておくか、いらないとか言えないしね。
「ありがとうございます。」
俺は頭を下げ、お礼を言う。
「うむ、そして、そこのオヌシ、ケコリア=ウェザーだな?」
王がケコの名前を呼ぶとケコはビクッと肩を震わせた。
「は、はい、自分が、ケ、ケコリアでございます。」
うん、超緊張してるね!でもね!コミュ障にとってこんな噛み噛みは日常茶飯事だよ!気にすんな!
「そう固くならんでもいい、オヌシは『豊穣の神」の名を神様から授かったそうだな、獣人として誇らしいぞ、これからも活躍を期待しておる。」
「は、はい!ありがたいお言葉です!これからも人々のため、精進します!」
ケコはビシッと思いっきり敬礼をした。軍服に敬礼、めっちゃ似合うね!
こうして俺らの王への謁見は終わった。ケコは泣きそうになりながらもかなり喜んでいた。良かった、良かった。俺もなんか凄いもん貰えたし、良しとする。
俺らは宿で一息つき、何となく冒険者ギルドに顔を出してみる。相変わらず賑やかである。いつ来てもここは雰囲気がなんかいいから好きだ。
と思っていた時、俺は声をかけられた。
「カザカミ リュウトさんですね?」
なんかよく声をかけられるなーこれは、あれかね、闘技大会のせいかね、頑張ったのがいけなかったのか?いやでも俺は、勢いでやった後悔はしていない。
「はい、そうですが、」
俺は凄いテンションの低さで答えた。だってね、人に話しかけられるとか嫌なことがあるようにしか思えないんだが、
しかもこの声をかけてきたヤツ、イケメンでピカピカの白い鎧を着てる。これはあれだいわゆる聖騎士といわれている奴だな。けっ、リア充め!
「こちらに来ていただきたい。」
と言われ、その聖騎士について行ってみる。ついて行った先はギルドにある応接室みたいなところだ、主にギルド支部長と話をするところだ。
「おかけください。」
言われた通り、とりあえず座る。本当になにが起こるのかが分からない。特別依頼とか?指名依頼とかか?
「カザカミ リュウトさん、あなたはSSランクへの昇格試験を受けることを許可されました。」
………へっ?どゆこと?SSランクって、俺が?
「まずは資格を手にしたこと、おめでとうございます。試験を受けるかはあなたの自由です。このままSランクでとどまってもいいですし、試験を受け、SSランクを目指すのも良しです。」
選べるのか、しかし、SSランクとSランクの違いって何だったけ?受けることの出来る依頼の難易度とかか?
「あ、あの、質問いいすか?」
「どうぞ。」
「SSランクになるメリットってなんなんすか?」
「それはSSランクになることで基本的には入れない場所は無くなるんだよ、特別な許可がいるような場所でも入ることが出来る。更に受けることの出来る依頼の違いだね。SSランクでは特別な依頼も存在してくる、そういったものを受けることが出来るんだよ。」
「そうっすか、あざす」
なるほど普通では入れない所に入ることが出来るか、それはいいな、てか、面白そうだ。これだけでも充分にメリットがあるな。
「どうかな?受ける気にはなったかい?」
「受けましょう、SSランク昇格試験を!」
「いい返事だ、では、試験内容を簡単に説明をさせていただくよ。試験はたった一つ、新しく出現した迷宮の踏破だ!」
迷宮…やばそうだな、流石はSSランクになるための試験と言ったところだな。
「迷宮へ行き、そこの最深部にいるキーパーを倒してくることが試験の内容だ。パーティで行ってもらっても構わない。人数の上限は8人までだ。あと、僕も君たちについて行く、まぁ監視役といったところだね。」
なるほどね、多分原則パーティで行くものなのだろう、てか1人で行くやつなんていないよな、迷宮なんて、
「出発の日はそちらで指定してくれて構わない、好きな時にいってくれ、ただしSSランク昇格試験は3ヶ月立つと無効になるので、それまでにいくように、出発する時は僕に声をかけてくれ、僕はギルドにいるから、迷宮の場所を案内しよう。ではまた会おう」
そう言ってそのイケメンは去っていった。
ふむ、名前が分からんな、もしギルドの奥とかにいたらさ呼べないじゃんね、まぁ、知ってても難易度は変わらないけどね、とりあえずアイツらんとこ戻るか、
俺は更なる冒険の予感にワクワクしながらギルドを後にした。
面白かったらブクマ、コメントお願いします。




