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懸賞当たってコミュ障が異世界召喚!?まずは基本のこんにちはから  作者: リルア=アルマーレ
異世界放浪編
36/62

第36話 雨が降るようです


俺は今、獣人国を目指して歩いています。獣人国に行くには馬は使えないそうで、歩いて向かってるよ!そして今は山の中にいます!


「はぁー、疲れた。なに?まだつかないの?俺もう歩きたくないんだけど?」

「何言ってんの!もうすぐだから、ほら、ファイト!」


俺は汗を垂らし、猫背で山を登っている。てか、ノアは何であんなに元気なんだよ。全然疲れてる様子がないじゃん、ほんと何でだよ、


とか、考えているとどこからとも無く叫び声が聞こえてきた。


「うわぁぁぁぁあ!ヘビ、ヘビ、ヘビ!助けてー!誰か、誰かー!」


なんか、やばい声が聞こえんな。

と声の聞こえる方を見てみると、そこにはすごい速さでこっちに走ってきているミドリ色の髪をした女の人と大きなヘビがそれを追いかけてきた。


「うおー、見事に追いかけられてますなー、てか、ヘビでかいな。」

「何言ってんの、ほら、助けるよ、」


ノアが急いで弓を用意し、光を乗せ、矢を放った。光り輝く矢はヘビを目を射抜き、ヘビはその場に叫び声を上げ、立ち止まる。


「ほら、リュウ、後は任せたよ。」

「へいへい、」


俺は刀を構え、ザクりとヘビを切り倒す。


「はい、終わり〜、」


刀を鞘にしまう。


「あ、あの、どうもありがとうございました!おかげで助かりました!」

「ん、あっ、まぁ、ええと、気にすんな、」


へい、俺のデフォルト能力が発動したね!もう、やだ、帰りたい。


「君も大変だったね〜、ヘビに追いかけられてさ。」

「はい、自分どうしてもヘビか苦手で、見ただけで本能が逃げろと言うんですよ、あなた方が通りかからなければどうなっていた事か」

「いや〜、どういたしましてだね、そういえば君はどうしてこんな所に?」

「ここ最近、色んなところで異常な現象が起こっているのをご存知ですか?」


異常な現象?前みたいなことか?ナワバリにいるはずの奴があちこちを動き回っているっていうやつ。


「ええと、それっているはずのないモンスターがあちこちにいるとか?」

「はい、それに加えて、異常気象とかが起こっているんですよ、自分はその調査に行こうとしていた途中です。」

「そうなんだ〜、そういえば君の名前は何かな?教えて欲しいな。」

「はっ!そういえば名乗るのを忘れてました。自分としたことが、すみません!自分 ケコリア=ウェザー と申します。気軽にケコとお呼びください。」


ケコはビシッと敬礼をした。ケコはかなり敬礼が似合っていた。

肩くらいに伸びたミドリ色の髪に黒色の帽子を被りその帽子にゴーグルが備えられている。服は軍服みたいな格好をしている。背中には大きな木槌が装備されていた。そしてなにより特徴的なのはその豊満な胸だった。服の上からでも分かるほど大きいものがそこにはあった。


「そっか〜、ボクはノア、ユウキ ノアです。ノアって呼んでね、ケコ!」

「はい、よろしくお願いします。」

「で、こっちの赤いのがリュウ、カザカミ リュウトだよ、ちょっとってか、かなり喋るの苦手なんだよ〜」


おい、勝手なことを言うな、いや、本当の事なんだけどさ、


「そうですか、リュウさん、よろしくお願いします」

「お、おう、」

「そういえば、リュウさんと、ノアさんはどこへ向かわれているんですか?」


とケコが、聞いてくる。


「獣人国だよ、ボクらは2人で色んなところを旅してるんだ。」

「そうなんですか、獣人国はいい所なので是非楽しんできて下さい。」

「うん、楽しんでくるよ、ケコはもう行くの?」

「はい、色々やらないといけない事があるので、」


ノアとケコは寂しそうにする。そして俺は少し考える。


…異常な現象、少し気になるな、


「なぁ、ケコ、えっと、少しいいか?」

「…?はい、何でしょう。」

「俺達もついて行ってみてもいいか?少し現象について知りたくてな。」

「もちろん良いですよ、リュウさんたちが同行してくれるのでしたら心強いです。」

「感謝する。すまんな、ノア勝手に決めちゃって。」


俺はノアに謝る。


「大丈夫だよ!気にしてないよ。ボクもケコと一緒にいれて嬉しいよ。」

「そうか、それなら良かった、じゃあえーと、その、よろしくな、えっとケコ?」

「はい、こちらこそ。」


ケコと一緒に歩き出し、そして俺らは近くの小さな村へとたどり着いた。


「こりゃ、ひでぇ」


俺はその光景に目を疑った。酷い有様だった。田畑は干からび、地割れが出来ている。村の人々はやせ細っていた。


「これが異常な現象、干ばつか、」


俺はそうぼそっとつぶやく。


「はい、そのようですね、とりあえず村の人たちに話を聞きましょう。」


とケコが聞き込みを始めようとした時、村の奥から1人の老人が出てきた。


「旅の方ですかな?私はこの村の村長です。大変申し訳ないのですが、ここにはもう、食べるものもほとんど残っておりませんし、水も干からびてしまいました。なので、他をあたってくれませんか?」


やはり、ここの村は相当にやばいみたいだな、本当に何が起きてるんだ?

と俺が考えているとケコが、


「安心してください、自分はこの村の危機を救いに来ました。」

「……救いに?」


マジかよ、調査だけが目的では無かったのか、でも、どうすんだ?食べ物を分け与えるとかか?いや、でもケコはそんなにものを持っていなさそうなんだが、まさか、アイテムボックス持ち?


「はい、少し見ていてください。」


ケコは背中にあったハンマーを両手に持ち構えた。


「何が始まるんだろうね?」

「そうだな、全く分からん。」


俺らはそんなケコの様子をじっと見つめる。

ケコは詠唱を始めた。


「恵の雨よ、恵の雨よ、ポツポツ、ザーザーと、降りてこの大地の渇きを癒したまへ!ケロケーロ、ケロケーロ、雨よ降〜れ!」


ドンッとケコは思いっきり地面を木槌で叩いた。すると、雨雲がどんどんと村の上空に集まってきて、ザーと大きなスコールとなった。そして、村の大地からは緑の芽が出始めた。


「すげぇ、雨だ、これをケコがやったのか?」


と俺は言いながらパーカーのフードを被り雨を防ぐ。このパーカーには汚れ無効が付いているので水汚れもなしなのだ。いやー、本当にいい装備だ。最強といっても過言ではないな。


「うわー、すごい雨だね、って、リュウってばズルいよ、1人だけ雨を防いでさ、」


ノアがそういうので俺はパーカーを脱ぎ、ノアに着せる。


「ほれ、これで満足ですかね?」

「…う、うん。」


ノアはフードを深く被り、顔を隠す。俺は雨に濡れた髪をかきあげる。


しかし、普通に雨をあたってるとさみいな、風邪ひきそうだな、これは


とか考えているとケコが、話しかけてきた。


「リュウさん、ノアさん、とりあえず村長の家に行きましょう。」


と言ったので俺らはケコについて行き、村長の家へとお邪魔する。村長は俺らが家に入った瞬間にケコに深々とお礼を言った。


「この度は村の危機を救ってくださり、本当にありがとうございます。村を代表して私からお礼を申し上げたいとおもいます。」

「いえいえ、自分は自分の仕事をしたまでですよ。」

「しかし、まさか貴方様が『聖女』様だったなんて、」


聖女?なんだそれ、ケコのことを言ってるんだよな?でもなんか聖女っぽくないもんな〜、ケコって


「ねぇ、ケコって、『聖女』って呼ばれてるの?」

「お恥ずかしいのですが、はい、そう呼ばれているみたいですね。」


ふーん、聖女サマねー、まっ、後で色々と聞こうか。




***************************************


その後俺らは村長さんの話を聞いたり、村の人たちからの感謝を受け取ったりとまぁ、なんだ、なかなか大変だった。

村の干ばつの原因はやはりよく分からないそうだ。突然近くの川が干からび、突然作物黒くなり、枯れ始めたそうだ。本当にココ最近は何が起こっているのだろうか?なにか嫌な予感がする。



「ねぇ、ケコ、あの雨ってケコが降らしたの?」

「はい、自分の加護の力です。」


加護ね〜、俺のものも大概だが、流石に加護にしては強すぎやしないか?恵、雨、…


「なぁ、一ついいか?」

「はい、何でしょう?」

「お前って『神』か?」


俺のその言葉にケコは驚いた表情をする。


「流石です、リュウさん、はい、自分は『豊穣神フレイヤ』の名を授かったものです。」


やっぱりな、流石に強すぎだろう、天候を操るなんて加護は、しかも一瞬で芽が生えたんだぜ、強すぎだろ、


「えっぇぇぇぇー!ケコって『神』なの!全然気が付かなかったよ〜、リュウはどうして気づいたの?エスパー?」

「いや、エスパーではない、なんとなくだ、ヘルダから聞いた話と、ケコの能力から推測しただけだ。」

「えっ、それだけのヒントで、へー、さっすがー!」


ノアが賞賛の声を上げ、拍手をする。なんな恥ずい。

しかし、あってて本当に良かった、間違ってたらマジ、やばかったからなうん、


「じゃあさ、ケコの話をもっと聞かせてよ。」

「はい良いですよ、まず、自分の持っている加護から説明しましょう。

自分は『天候の加護』『豊穣の加護』『自然の加護』を持っています。先程使ったのは天候と豊穣です。この力でこの村は豊穣に見舞われるはずです。

あとは、自分の行っている活動についてですかね、普段は特に力を使うこともないのですが、しかし、最近では異常な現象が多いのです。自分はそれの調査とともに被害にあった村を回っていたのです。この村が被害にあった最後の村ですね。」


凄いな、流石に『聖女』と呼ばれてるだけはある。いったいいくつの村を救っているのだろうか、


「凄いね!ケコは、本当に偉いよ!被害にあった人達を救うだなんて!」

「そんな、自分はただ、苦しんでいる人を見るのが耐えられないだけなのです。」


ああ、やっぱりこいつは凄いやつだ。人のためを思える人は本当に尊敬できる。


俺は素直にケコを、尊敬した。

とその時突然に村中に鐘が鳴り響いた。


?なんだ!なにが起こったんだ?


俺らは急いで家の外へと出る。するとそこには大きな黒い竜が1匹村の中心にたっていた。





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