第26話 VS魔将グラウ・ザガール 前編
最近書いているとスゲェたのしいです。
俺らが城の中に入るとそこにはたくさんの魔族が倒れていた。
「うわー、すげぇなこれ、全部勇者一行がやったのかよ、百はいるぜ、」
“おおー、凄いねー、ザコがいっぱいだねー、だが、ボクたちが会いたいのは貴様らのようなしたっぱではないわ!”
うん、ノアさんなんかテンション高いね、どしたの?
“いやー、なんか雰囲気がさ、異世界感が出ててちょっと嬉しいんだよねー、”
そうっすか、でもここは敵地っすよ、ぱいせん、俺は今、絶賛警戒中だぞ、
“そうなんだ!頑張れ!でも、あんまり気張りすぎると上手く動けないぞ、”
人事感はんぱねぇー、はぁ、なんか気が緩んできた。とりあえず、勇者達探すか、
“レッツゴー!”
ダッダッダと城を駆ける音が響く。
「くそ!どこいった、奴め、俺に恐れをなして逃げたか!」
“いやー、あのー、リュウさん?もしかして......”
バタン、バタン、と扉を開け、閉める音が何度も聞こえる。
「ちっ、どこかに隠れたな、魔将め、正々堂々戦え!」
“・・・ねぇ、リュウ迷ってるよね?”
おいおい、何を言うんだ!俺が迷ってるわけないだろ、少し奴を見つけれないだけだ、安心しろ
“全く安心できないよ!やっぱり迷子だよね!?”
まぁ、言われてみればそうかもしれないかもしれないけど、ほら、まだ分からないだろ?野球もツーアウト三振からって言うだろ?
“いやもうそれ、チェンジだよ!始まるどころか終わっちゃってるよ!・・・あっ、ほら、あそこに大きな扉があるよ、そこじゃない?”
あー、どこだよ?
と辺りを見回してみると奥に大きな扉が見える。
ホントにあったよ、なんで分かったの?エスパーか?
“いやそんなんじゃないよ、むしろなんで見つけられないのかが不思議だよ。凄く分かりやすいじゃないか。”
いやだってね、ほら魔将の城とか初めてだしさ、色々探索したいじゃん、だから今どこにいるのか分からなくなって、あの扉を見つけれなかったわけよ、OK?
“うーん、分からなくもないからなー、まぁ許したあげよう。”
サンキュー!よし、じゃ、気を取り直して入りますかね、ボス部屋へ
“準備はいいよ!”
それじゃ、
俺は大きな扉を開ける。目の前に広がったのは1人のガタイがよく黒い肌をしている男と、その前に怯えている1人の女性。その周りには倒れている男女が3名いた。
「え〜と、何これ?どうゆう状況?」
勇者一行がやられていたのだ。
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これは少し前に遡る。
勇者一行が城に突入した。
「数に翻弄されるな!敵は弱いぞ!」
迫り来る敵を次々に倒していく勇者一行。あっという間にしたっぱ共を一掃した。
「ふぅ、なかなか数が多かったさね。」
「でも、敵は大したことなかったですね。」
「当たり前だ。この程度のヤツらに遅れを取るようなら俺らは負けている。」
「みんな、流石だね。次はいよいよ魔将だ。みんな、気を引き締めてね。」
「「「りょーかい!!」」」
勇者一行は先に進む。そして大きな扉の前にたどり着く。
「よし、みんな、準備はいいかい?」
ギルドが声をかける。
「はい、大丈夫です。ここまで来たんです。もう引き下がれません。」
「賢者様の言う通りだね。もう大丈夫だよ。」
「ああ、大丈夫だ。」
それぞれ返事をする。
「じゃあ、行くぞ!」
ギィとドアが開く音がする。
「フハハハハ!!」
部屋に高らかと笑い声が響く。
「よくぞ参った!勇者よ!我が名はグラウ・ザガール!この城の主である!」
「お前がグラウ・ザガールか!お前が、魔法国家マジアを苦しめた魔将か!」
勇者が声を張り上げる。
「ふっ、苦しめていた、とは人聞きが悪いではないか。我はただ、強く美しい武器が欲しかっただけだ。」
「ふざけるな!何が欲しかっただけだ。そうやって自分の私利私欲のために人々を武器に変えてきたんだろ!」
「フハハハハ!自分の欲のために生きて何が悪い?」
「お前は僕が、僕らが倒してやる!お前の悪事もここまでだ!」
「かかってこい、勇者よ!そして我のために強き武器となれ!」
4人が武器を構え、戦闘が始まる。
まず、サツキが全員にバフをかける。
「《ロイヤル》《エレメント》!」
攻撃力、素早さ、防御力、属性攻撃をアップさせる。次にギルドとゴロウが剣で攻撃する。そこにルルクが魔術を放ち、追い打ちをかける。
だが、グラウにダメージはない。全てよけられた。そしてギルドとゴロウは後ろに吹っ飛ばされた。
「勇者さん!ゴロウさん!」
「この程度か勇者よ!もっと我を楽しませろ!」
「くっ!ハァァァァァ!」
勇者が再び立ち向かう。
「いいぞ!どんどん来い!」
勇者は剣を降る。その速度は一般の冒険者よりも遥かに速く、鋭い。だが、グラウはそれを全て避けきった。そして勇者を蹴り飛ばす。
「かハッ!」
「勇者さん!《ヒール》!大丈夫ですか?」
サツキはギルドの元に駆け寄り、回復する。
サツキが勇者を回復している間、ルルクが高速詠唱からの連続で魔術を放つ。
「ほらほら、こいつはどうだい?
炎よ燃え上がれ!《火炎柱》」
ごうっと炎の柱が何本も出来上がり、魔将を包んでいく。
「ふっ、すさまじい炎だな。だが、甘い!」
バンッと炎が霧散し、中から魔将が姿を現す。
「これが効かないのかい。」
「我の体は強いからな、その程度の呪文なんて聞かないのだよ。」
ルルクは殴り飛ばされる。
「ルルクさん!」
「グラウ!貴様ぁぁあ!」
タロウが飛び出し、大剣で攻撃をする。
「遅いぞ!そんな鈍い攻撃では我に当たらんぞ!」
タロウの横腹をける。
「ぐっ、まだだ!うおぉぉぉおおお『狂戦士化』!」
タロウの体の筋肉が、膨張し、目が充血する。
「ほう、こんな力があったか、面白いぞ!」
「ガァルル!」
タロウが先ほどとは比にならない速さで剣を振る。そして魔将の体に傷がついていく。
「この我に傷をつけるとは、なかなかやるな、狂戦士よ。」
「どきな!タロウ、時間稼ぎは十分だよ!」
ルルクの声がとぶ。
「おう、あとは頼んだぞ!」
タロウは後ろに下がり、距離をとる。
「アタシのありったけの魔術をくらいな!
今ここに、全ての力を!!《エル・セル・アブソリュート》朽ち果てな!」
巨大な氷の塊が出現する。魔将グラウ・ザガールは凍りつく。
「やったか?」
誰かが言ってはいけないその言葉を口にした瞬間、ゴゴゴゴ!と音が鳴り響き、巨大な氷塊は割れた!
「フハハハハ、我が見た中でも最高の魔術だ。この我を凍りつかせるとはな、この我に武器を使わすとはなかなかやるではないか!」
「なんだい、う、うそだろ?アタシの全ての魔力を使ったんだよ、それなのに、こんなの倒せっこないだろ」
「これで終わりだ。いい武器になるんだな。」
魔将が、ルルクに手をかざす。
「させるかぁぁぁあ!『ブレイブ・ソウル』」
ギルドの体が光り輝く。
「私もいきます。オリジナル!《モード:ゴッドスター》、そして!《聖者の刻印》です!」
ギルドの背中に巨大な星が現れ、右手に光の刻印が浮かび上がる。
「ほう!凄まじい力を感じるぞ、勇者よ!こい!それがお前の全力ならば、我の力でねじ伏せてやろうぞ!」
「ハァァァァァ!」
ギルドが魔将に攻撃を仕掛ける。
「これで、終わりだ!『聖剣フラガラッハ』!!」
ドゴォォォォォォンと轟音が鳴り響き、砂煙が巻き起こる。
「流石に今のは危なかったぞ。勇者よ。」
砂煙の中から魔将の声が聞こえる。
「ーーーなっ!?」
そこには勇者の渾身の一撃を剣1本で止める魔将の姿があった。
「あれを受けて、無事、なのか?」
「無事、という訳では無いわ。すさまじい技よ。我の自慢の剣が折れてしまった。」
バキンと、剣が折れ下に落ちる。
「だかな、我を倒すにはちと精密性にかけるな。ここで終わりだ、勇者よ。我の武器となれ。」
「勇者さん!《ランス・オブ・ファイヤ》」
魔将の元に無数の炎の槍が飛ぶ。
「ふん、この程度、我にきかんと言っておろうに。」
「大丈夫か、ギルド。ここは一次撤退だ。体勢を立て直すぞ!」
ゴロウがギルドを抱え、魔将から距離をとる。
「ほう、逃げるのか?だが、我から逃げられると思うなよ?」
魔将がゴロウの前に立ちはだかる。
「クソッ!」
「逃がさんぞ。」
ゴロウとギルドは吹っ飛ばされる。
「次はお前だ。」
そう言って、魔将はサツキの前に立ちはだかる。
サツキはもう終わりだと思った。ああ、自分はなんて甘い考えでここに来てたんだろうと、自分を恨んだ。悔しくて涙が出る。
とその時だった。この部屋の扉が開き、風が吹き抜ける。
「え〜と、何これ?どうゆう状況?」
間抜けた声とともに、1人の男が入ってきたのだ。
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さて、状況判断をしようか。えっと、あそこにいる大きな黒いマッチョさんが魔将グラウ・ザガールと、で、魔将の前で泣いている子が賢者サツキと、で倒れているのが勇者一行と。
うっわ、すごい状況だなこれ、勇者一行全滅じゃん、どんだけ強いんだよ、魔将さんは、
“ホントに強すぎだよ、てか、リュウ。みんなポカンとしてるからさ、この雰囲気どうにかしてよ。”
おいおい、俺にそんな事が出来るわけがないだろ?俺が出来るのはせいぜい空気を凍らせるか、俺が空気になるかだけだ、
“このコミュ力の無さはホントに凄いよ。でもどうすんのさ、この空気、いきなり切りかかっても変な感じになるだけだよー?”
うん、それはもう、どうしよもないな、よし、帰ろう!
と帰ろうとした時魔将が口を開く。
「貴様、何者だ?」
おおう、魔将さんが、話しかけてきたよ、えっとこうゆう時はえっと、
“何心の仲間でキョドってんのさ!ちゃんと答えなよ!ほら、”
「えっと、俺は、その、あれだ。カザカミ リュウトと言う、ただの通りすがりの冒険者だ。」
「カザカミ、リュウト?」
賢者がボソッと呟く。
「ダメだ!君、こいつと戦っては!勝てる相手ではない!早く逃げるんだ!」
おう、なんか勇者さんが叫び出しましたよ、逃げろって、いやー、なんかやられている勇者を見るのはなんか気分がいいね、
“はぁ、最低だよリュウ、でも逃げろって言われて、逃げれる状態でも無いよねー、これは。”
そうだな、逃げるにしても賢者だけは助けないといかんしな。よし、準備はいいか、ノア?
“大丈夫!こっちはいつでもOKだよ!”
俺は剣を構える。
「ほう、我に立ち向かうというのか、冒険者よ。」
「ああ、そうだよ、やるしかないんでね、」
「ダメだ!早く逃げろ!」
さて、VS魔将といきますかね!
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