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第20話 人の名前は笑ってはいけない


「うはー、すげぇ、海だー、久しぶりに見たな」


俺は霧の森を抜け港町「シルダット」に着いた。その港町は活気に溢れ、行商人たちが行き交ってる。


さて、とりあえず何をしようか、


“海!海に行こうよ!ボク、海に行きたいよ!”


海ねー、船を見るついでに行くかー、


“あれ、船に乗るの?”


おまえ、何も聞いてなかったのかよ、、、船に乗らんと魔法国家につけません。


“そうだったのかー、でも、ボク、船は苦手だなー、酔っちゃうし、、、”


お前って乗り物酔いとかするのか?まぁいいや、とりあえず船着場に向かうぞ、


船着場につき、船の値段を確認する。


うへぇっ、高っ!1人金貨2枚かよ、、、ボッタクリじゃね?


“おお、高いねー、リュウ大丈夫?乗れるの?”


ええと、所持金は、、、わぉ!銀貨153枚しかねぇじゃん、全然足りねぇー


“あれ?そんなに少なかったっけ?”


ああ、食料費とか装備代とかで結構消えてった。ちくしょう、働かなきゃいけないじゃないか、


“悔しがるとこそこなんだね、でも、頑張るしかないよ、お金がないと魔法国家に行けないんだしさ、とりあえず冒険者ギルドに行こうよ、仕事だよ、仕事しようよ!”


断る!と言いたいとこだが、行くしかねえな、はぁ、気が乗らねぇ


ため息を付きながら俺は冒険者ギルドに向かう。冒険者ギルドに入ると色んな人たちの声が行き交ってる。


さーて、どんな仕事がありますかねー、


と仕事を探していると、冒険者が同士の喧嘩の声が聞こえる。


「へっ、あんな奴お零れを貰っただけに決まってる。もしくは嘘つきなだけだな。」


「そんなことないぞ!あの人は本当に強いんだ!お前なんかりずっとな、強いんだよ、俺たちだって助けてもらったんだよ!」


うわーお、喧嘩してるよ、これは絶対にかかわらない方がいいな、うん、


「へっ、何が『一刀両断』だよ!あんなこと俺にだって出来るね、それを期待の新人だの、強い戦士だの色々言ってくれるじゃねえか、ああん、」


ん?あれ、気のせいかな?なんか『一刀両断』とか言われてんだけど、


恐る恐る喧嘩をしている奴らの方を見てみると、一方はガタイのいいスキンヘッドの強面のおじさんで大きな大剣を持っている。その周りにはニヤニヤしながら立っている、そのおっさんの仲間らしき人がいた。

もう一方は、なんか知ってる顔だった。


「リュウトさんはな、俺らのために『厄災』を1人で倒しちまったんだよ、」


あー、あれ「フィスカ」の奴らだ。しかし、迷惑な話だな、全くもう、陰口ならもうちょっと上手くやれよ、本人に知られたらもうそれは陰口じゃねえよ、よし、ここは知らないフリだな、うん、それがいい、


と知らないふりを決め込もうとした時、「フィスカ」のうるさいリーダー格の男と目が合った気がした。


「リュウトさん!いらっしゃったんですか!」


気のせいでは無かったようだ。


「イエ、ヒトチガイデス。」


片言になり否定する。だが、おっさん達が


「おうおうおう、お前がリュウトとか言う、最近Sランクに上がってきた野郎か?」


いや、だから違うって言ってるじゃん、なんで勝手に話とか進めちゃうかなー、そういうの感心しないぞ、全く、


「リュウトさん、こいつらがですね、リュウトさんのことインチキだの、虎の威を借る狐だの、散々言ってくるんですよ!なんで、リュウトさんの強さ見せつけてやってくださいよ!」


ちょっと待て、変なことを言うな、勝手に挑発とかするな、俺が困る!やめろ、


と俺が本気で困ってると、おっさん達はギャハハと大声で笑いだし、


「ほう、お前が強い、笑わせてくれるじゃねえか、こんなにチョロッちいのによう!いいぜ、見せてみろよお前の強さ、俺と決闘しようぜ。」


ほらー、挑発とかするから俺が迷惑するんだよ、決闘とか受けねえよ、そんなんやってる時間ねえし、ここはキッパリと断ろうか、

すると、


「いいだろう、リュウトさんの強さを見せつけてやりますよ!」


おいこら、何勝手に受けてんだよこいつらふざけんなよ、こっちは忙しいの、分かる?


“はぁ、リュウ、それを全部口に出さないと意味無いよ、”


う、うるさい、とにかく断らないと、、、


「おし、じゃあ決まりだな、じゃ、俺らが負けたら俺らの支持金全部やるよ、全部で金貨3枚分くらいあるぜ、」


まじで!金貨3枚貰えんの、すげぇじゃん、これは受けるべきだわー、やるべきだわー、


「じゃあリュウトさんが負けたら俺らの装備を全部やるよ、」


おい、さっきからお前勝手に決めすぎだろ、何勝手に俺の大切な装備全部賭けてんだよ、負けたらどうするんだよ、


「いいのかよ、そんな大口叩いてよ、まぁ俺らが得するだけか、」


ギャハハと笑い声が響く。


「決闘は明日、正午に闘技場だ。遅れんなよ。」


とおっさん達は言い残し、この場を去っていった。


さて、彼らをどうしてくれようか、と、彼らの方を向くと全員頭をかげており、


「すみませんでしたぁぁぁ!こんな、勝手なこと許されないのは分かってます、でも、でも、悔しかったんです。俺らを救ってくれた英雄が目の前で貶されるのを見るのが!」


英雄って、恥ずいけどなんか嬉しいな、そんなことを言ってくれた彼らに少しでもいい所をみせなきゃな、、、


「わかった、許してやるから、えっと、相手の情報を、くれ、」


「はい、相手はSランクパーティの「クライド」です。リーダーはリュウトさんを貶してたあの男です。アイツは少し有名な大剣使いで、『破壊者クラッシャーのキララ』と呼ばれています。」


おい、ちょっと待てよ、あのオッサンあんないかつい顔でキララって、名前なのか、やべっ、ツボった。


“ブフッ、あの人キララって名前なの、ククク、似合わないね、クス、”


「他のメンバーは魔術師が1人、回復役が1人、タンクが1人いるバランスのいいパーティです。戦略は、タンクが攻撃を受け、そこに魔法使いが攻撃し、相手をぶっ飛ばした後に、キララが、大剣でトドメ、と言った戦略になります。」


へー、そうなのか、ん?ちょっと待てよ、これってオレが1人で相手が4人とかそういう感じか?これってイジメじゃね、寄ってたかって俺をいじめるんじゃね?


「パーティ的にはSランクですが、キララ以外は個人ランクはAなので、リュウトさんの相手では無いでしょう。なのでまず回復役かタンクを潰すのがいいかと、」


そうか、なるほどなるほど、とりあえず殺さない程度にぶっ飛ばせと、一応金が貰えるし、頑張るか、


“リュウ!頑張ってよーあんな奴らボコしちゃいなよー、あっ、ボクは使わないでね、あんまり人は切りたくないし、”


分かったよ、白鬼だけでやるよ、充分強いしな、


“うん、頑張ってねー、あいつらの元にいくなんてボク嫌だからねー、ちゃんと守ってよ、”


OKだ、金のために頑張るよ、


“むー、それって分かってないじゃん、何のOKなのさ、”


ノアと会話をしつつギルドを出て、宿に向かい、次の日に備え準備をする。


******************************************


闘技場には大勢の人がいた。戦いを見るのが好きな人や、ギャンブをやりに来た人、しかし1番多かったのは 期待の新人 対 ベテランパーティの対戦カードへの興味を持った人たちだ。


“うわー、すごい人だねー、あっ、みてみて、あそこでどっちに勝つか賭けをやってるよ、”


そこを見てみると人だかりが出来ていた。


「さあ、さあ、賭けてくんな、『一刀両断のリュウト』対『破壊者のキララ』率いるでチーム「クライド」、オッズは、、、、」


うん、盛り上がってるねー、とりあえず賭けのことなんて俺には全く分からないから、あれはスルーだ。よし、とりあえず今日は頑張るぞ!


さて、最近強化した赤いパーカーを着て、両腕に白いガントレットをつける。一応腰に剣を刺し、準備を完了ですな。よし、行くかー


会場に出てみるとすごい歓声が聞こえる。わー、わー、と言う声が、飛び交う。


ああ、人が観てると緊張するね!やばい、帰りたい。


「レディース&ジェントルメーン、さあさあいよいよ始まります。『一刀両断』対『破壊者』の戦いが!ルールは簡単、先に相手を倒した方が勝ち、なお殺しはご法度ですのでご注意を!」


「へっ、逃げずに来たようだな、その度胸だけは褒めてやるぜ、だがな、勝つのは俺たちなんだよ!覚悟しやがれ!」


わー、テンプレ的なセリフだなーこんなんいう人始めて見たよ、凄いな、これはあれだ、負けフラグというやつだ、おっ、これなら勝てるんじゃね?てか、このおっさんがキララ、ブフッ、ヤベェ笑えてきた。


「それでは始めていただきましょう!ーーーレディーファイトーーー!」


スタートの合図と共に、キララが飛び出してくる。大きな大剣をブンブンと振り回しながら突進してくる。


「オラオラ行くぜぇー」


俺はそれを腕で受け剣を弾く。キララの攻撃は充分に受けれる、だが、相手はパーティだ、次から次へと攻撃がやって来る。魔術師が魔法を使い俺の動きを止めようとしてくる。


「はァァ!『パラリシス』」


相手は電撃系統の魔法を使い俺を痺れさせようとして来る。俺はそれを拳で粉砕する。


「なに!?魔法を砕いた、だと、!」


次は俺から仕掛ける。『纏風』を使い身体能力を上げ、回復役の奴を狙う。ギュン、ギュンと早い動きで回復役の背中をとり、そこを風を使い思いっきり殴る。回復役の奴はぐわっ!といい気絶する。


「メル!テメェ良くもメルを!」


ああ、盾の人が怒ってる。てかこの人メルって言うんだなー、

とか考えてると盾の人が突進してくる。シールドアタックというやつか、俺はそれを横に避け、横から盾の人を殴る。盾の人も倒れる。ふむ、意外と弱いなこいつら、

と思っていると複数の火の玉が飛んでくる。それを拳で全て砕き霧散させる。するとその瞬間を、狙ってたのかキララが、


「ハッハッハースキありだ!」


とか言って切りかかってくる。俺はそれを風で難なくガードし、剣を殴る。すると剣にヒビが入り、バキバキバキと粉々に砕け散った。


「俺の玉鋼の剣がーーー!」


うわっ、すげぇ白鬼って玉鋼でも砕けるんだね、強すぎだろ、

俺はそんなことを考えながら剣が粉々になり、ショックを受けているキララの腹を思いっきり殴る。で、気絶と、ヒッ、と声がするのでその方向を見ると、尻餅を着いた魔術師がいる。

さて、お次はお前さんの番だぜー、へっへっへ、覚悟しな、


“リュウ、なんか悪役みたいだからやめなよ”


へいへい、スミマセンでした。じゃっ、とっとと終わらせますかー、

とグルグルと腕を回し始めたところで、魔術師が


「こっ、降参だ、降参する。俺達の負けだー、だから、辞めてくれー!」


わー、随分怯えてるなー、これじゃあまるで俺が悪役みたいじゃないか!


“うん、さっき実際そうだったからねー!あながち間違いじゃないよ!”


「勝負ありだー!なんと勝ったのはーー!期待の新人『一刀両断のリュウト』だーーー!」


実況がそう言うと、わーわー、と歓声とちくしょう、外れたぜー、ふざけんなよー、とか色んな声が聞こえてくる。

はぁ、終わった。金もらって宿に行きますか。


俺は「クライド」の奴らから金と謝罪の言葉を、貰った。パーティの勧誘も、来たがもちろん丁重にお断りさせて頂いた。「フィスカ」からも


「流石はリュウトさんです!感服したしたした!」


とか賞賛の言葉を貰った。今日は金を稼げて、なかなか普段なら出来ないような体験が出来たので良しとしますかね、まっ、こういうのはもう勘弁なのだが、よし、次は魔法国家目指して船に乗りますかー!


呪い発動まであと55日


ブクマ、感想よろしくです

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