第17話 光の後に神が来る
剣から出た温かな光は全身を覆う。
「これが、『聖光の加護』の力なのか?すげぇ、傷が治ってく!」
全身を覆った光が己の体にあった傷を癒していき、元の体調に戻していく、いや、それ以上に引き上げた。
なんだこれ、力が漲る、さっきまでとは全然違うじゃねえか、これなら、いける!
光り輝く剣を構えオーガに向かっていく。オーガは折れた刀で応戦をする。先ほどと同様にガキンッ、ガキンッと剣と刀がぶつかる音が聞こえる。
だが、押しているのこっちだった。相手は刀も折れ、リーチが短くはなっているが、それでも速く強い、だが、光を纏ったリュウトはそれよりも速く強かった。これはどうかな『聖光の加護』の力だった。
これが、お前の力か、ノア!すげぇよ、お前がいてくれて良かったぜ!
“うわわ、急にそんなこと言わないでよーもう、でも、これがボクの力なのか〜”
傷を癒し、身体能力を、大幅に上昇させる『聖光の加護』とは、最強のバフ能力だったのだ!
「人間がここまでやるとは、驚いたぞ、だが、次の一撃で貴様を葬ってやろうぞ!」
とオーガが言うと折れた刀を上段に構える。するとすごい殺気が溢れ出る。大技が来る、俺はそう確信した。
俺も剣を居合の形にして持つ。カタエさんから教わった居合術見せてやる。
あたりに静寂が訪れる。
ーーーーーーーヒューと風が吹く。
先に動いたのはオーガの方だった。オーガが折れた刀を上から下へ切りかかる。だがそれは俺には当たらない、外したのではない、わざとだ、オーガは下にある刀を上に振り上げる。そうこれは上から下への攻撃ではなく、下から上への攻撃なのだ。
「オーガ流刀術奥義『滝登り』!」
下から上に刀が登ってくる。
だが、リュウトには当たらなかった。それは刀が折れ、リーチが短くなったからなのか?いや、違う、リュウトは避けたのだ。刀が上から下へ振り下ろされた時に後ろに飛び、避けていたのだ。
ここでリュウトの剣が動く。
「カタエ式居合『大器晩成』!」
ズバッ!と鮮やかにオーガの体を真っ二つにする。
「、、、見事!」
とオーガは言い、バタりと地面に落ちる。
“やったね!リュウ!ボクたち、オーガの亜種を倒したんだよ!凄いよ!”
ああ、今回はめっちゃやばかった、森竜の時もそうだったけど、やっぱりピンチの時って覚醒がテンプレなんだね、マジ、助かった、
「、、、ぐぅっ、、、人、、間よ、お前は名を、なん、、、と、言、う。」
おう、マジかコイツこれでいきあるのかよ、すげぇな、
「俺の名前は「風神 龍飛」だ、」
「、、そ、うか、、リュウト、と言う、、のか、では、リュウトよ、お主、、、は強い、この、、我を、、倒すほど、、、の力を持っている。だが、、まだまだ、、強く、、なれる。高みを目指せ、さすればどんな、、強敵が、、現れて、、、も、、大丈夫、、だろ、、、う」
「ああ、胸に刻んでおくよ、強敵だったお前に敬意を払い、俺は強くなるよ、死なないために、」
オーガはここで息絶えた。
「ふう、よし、街に戻って報告だな。」
“そうだね!早く戻ろうよボク、何だか疲れたよ”
ん?お前って疲れたりするのか?まあいいや、帰ろ、帰ろ、
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「おお!リュウト殿、オーガを真っ二つだなんて、流石は『一刀両断』であります。」
軍人が興奮しながら賞賛してくる。恥ずいな、『一刀両断』も定着しつつあるし、色々疲れるなー
「では、こちらがオーガ亜種の討伐報酬であります。」
と言って軍人が渡してきたのは銀貨150枚くらい入った袋と角だった。
「これは?」
「それはオーガ亜種の角であります!オーガの角は武器にも防具にも使える超優れものなのであります。それに亜種ともなると更に質のいいものが作れるでありますよ。」
そうなのか、オーガの角って凄いんだなー、加工してもらうと良いんだけど、どこでやるんだろうなー、まっ、こういうのは後回しだな、うん!
「ありがたく受け取るよ」
「いえ、こちらこそありがとうであります!ギルド支部長として深くお礼を申し上げるでありますよ!」
ビシッと敬礼をする。まじで軍人にしか見えんわーこの人。
さて、これからどうするかね、もう夜だし、宿も見つけてない、出発の準備もしてないぜ
“とりあえず宿屋に行こう!”
そうだな宿屋行ってから考えるか、今日はもう眠いし!さて、宿宿〜どこにあるー?
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あー、もう、早く宿は取っておくべきだった、まさか1泊銀貨30枚の高級宿に泊まることになるとは、これでは稼いだ金もすぐになくなってしまうではないか、
“今度からは先に宿をとろうねー”
そうだな、今後気をつけるとするか、今日はもう疲れた!寝る!おやすみ!
“うん、おやすみー”
鳥のなく声が聞こえるなー、もう朝かー、よし!出発の準備でもしますか!
俺はそう思い、宿を出る。
あれ?日がなんだか高い気がするぞ、気のせいかな、きっと気のせいだよ、とりあえず時間を確認しようか、
俺は広場の大時計を見る。時計の針は3時を示していた。
、、、あーーーー!もう昼じゃねえか!ヤベェな、朝のうちに準備して昼には出発の予定だったのに!ノア!なんで起こしてくれなかった!
“いやーボクもぐっすり寝ちやったんだよねー、リュウが起きるまで寝てたよー、”
えっ、お前ってやっぱり寝たりするのか?
“そりゃ、寝たりするよ、疲れるしね、意識はあるんだから眠くもなるよ”
へー、そうなのか、初めて知ったなー、じゃない!それどころじゃないぞ、準備だよ、準備!期限はあと78日なんだからわりと早く来るもんだからね、とりあえず市場行くぞ、
“いえーい、市場だー、リュウなんか買ってよ!”
うん、食料な、食料買いに行くんだからな、余計なものは買わないからね、
“またまたー、そんなこと言ってー、お菓子とか買ってくれるんでしょ?”
買わないよ!てか、お前にお菓子を買ったところでお前は食べれないよね?なに?眺めるの?お菓子を
“もうー、そんなに怒らないでよー、怒りっぽいとモテないゾ!てか、リュウ今日、テンション高いね!なんかいい事あった?”
いい事は何も無いよ、むしろ悪いよ!、このおかしなテンションはお前のせいだからね、あ〜もう、さっさと買い物済ますぞ!
“はーい、やっぱリュウは面白いね!”
面白いって、遊んでたのかよ、、、この子怖いわー
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よし、こんなもんかな、じゃ、出発しますかー!
“おー!”
なんだかんだでもう夕方だ。くっ、こんなはずじゃなかったんだが、考えても仕方ない、行くかー
と馬を出し出発しようとした時道に人が倒れてるのを発見した。
「 “、、、、、、、” 」
何だあれ?ああゆうのは、気にしたら負けだ。目を逸らしながら早めに過ぎ去るのがいいな、よし、行こう!
“えっ?いいのほかっといて、”
いいんだ!あれは関わってはダメなやつだ、飯とかたかられるパターンだ、
と過ぎ去ろうとした時、足をガシッと掴まれる感じがした。
これはヤバイな、いや、気のせいだ、疲れで足が重いだけだ。うん、そうに違いない。
“ねぇ、リュウ、この人に足をつかまれて、、”
ジャラップ!気のせいです。よし行くぞ!、ってあれ、動かないな、この人力強!
「まってーや、兄ちゃん、行かんといてーな、飯奢ってくれへんか?ワイ、腹が減って死にそうやねん。」
は、話しかけてきたー、しかも関西弁とか、より一層面倒くさそうだな、
さて、どうするか
1、無視して先に行く。
2、無視して猛ダッシュする。
3、無視してそのまま引きずる。
さてノアよどれがいい?選ばせてやる
“うわー、全部無視して逃げるという選択肢しかないよ、”
とノアと相談をしていると関西弁の人が
「なっ、ええやろ?これも人を助けるためやで、頼むわー、飯おごってくれるまでワイ、手離さんでー」
うっわ、めんどくせ!既にめんどくさいよ、もういいや、とりあえず飯奢るか、奢らない方が面倒くさそうだし、
「はぁ、わかった、わかった、だから、ええと、その、あの、そう!そのてを話してくれ!」
くっ、途中言葉に詰まってしまったではないか、どうしてくれるんだよ、もうまったく!
「ほんまか!兄ちゃんおおきに、ほんま助かったで、ほな、奢ってやー」
なんだよ、急に元気になりやがって、はぁ、大変だなー、
「いやー、ほんま助かったわ!餓死するかと思っとったからなー、」
おまえ、遠慮なしに食いやがって、飯だけで銀貨10枚とか、食いすぎだろ!少しは我慢しろよ、
「これはお礼をせんとあかんなー、そや!ちょっと今からついてきてくれるか?」
お礼か、なんか貰えんのかな、ならば俺も遠慮なしに貰うぜ!
「、、、ああ、わかった。ついて行こう。」
“何が貰えるのかな!たのしみだね!”
ノアよ、あんまり期待しないほうが身のためだぞ、期待しすぎてお礼がしょぼかったらショックはかなり大きいぞ、
「ついたで、ここや、ここ、」
ついた先にはとても豪華な建物があった。建物の看板には『英雄武具店』と書いてあった。
うわー、なんかやばそうなとこ来たな。でっかいなーこの街のギルドよりも大きいんじゃないか?
「ほな入ろかー」
関西弁の人が店に入ってく。それに続き、俺も入る。店の中には豪華な剣や盾、鎧などが飾ってあった。
やべぇ、ここはヤベェぞ、すげえ場違い感があるよ、ほら、一番安い剣で金貨10枚とか値段が全然違う。
剣やら鎧やらに目を奪われてると関西弁の人が
「こっちやでー、ついてきてやー」
と階段を上がる。階段を上がり、ついた先は鍛冶師の工房みたいな場所だった。
「ここは?」
「ここはワイの工房や、どや、スゴイやろ、」
えっ、というと、まさかここは、、?
「そういえば、自己紹介を忘れとったな、ワイはここ、『英雄武具店』の店主兼鍛冶師、この世に5人しかおらん『神』の称号持ちの中で『鍛冶神』の称号を持ちしもの、「ヘルダ・ファスト」ちゅうもんや、よろしゅうな!」
俺はここで『神』の称号を持つものと出会った。
よろしくお願いします!




