第11話 遥かなるそよ風に
いつも通りの朝が来る。いや、なんか宿屋で飯食ってる朝が普通って変だけど、、、
まあいっか、いつも通り朝飯を、食べていると師匠大きな声で、声で、声、、、、、で?
あれ?師匠の俺を呼びに来る声がない。どうしたのだろうか?何かあったのだろうか?
俺は何か心配になり、急いで飯を食べ、外に出る。すると、外には「風車」のメンバーがいた。
「よう、リュウトよ、調子はどうだ?」
何か師匠の雰囲気が違う、いつもの師匠じゃない。
「まぁ、ぼちぼちですよ、で、師匠何かあったんですか?」
俺は適当に答え、何かあったのかを聞く。
「ん?ああ、ちょっとな、ところでお前は風を制御できるようになったか?」
「えっ?まぁ、始めよりは出来るようにはなっていますよ、師匠も知ってるでしょう?」
「おお、そうだったな、ちゃんと使えるのならいいんだ、うん。」
やはり、師匠の様子がおかしい。全然元気がないし、何かを言いたそうだが言えない感じだ。
もどかしくなってきた俺は師匠に思い切って聞いてみる。
「師匠、いつもの師匠じゃないですよ!本当に何があったんですか?教えてください。」
「、、、ハァ、」
師匠の口から大きなため息が出る。
「、、、実はな、王都から依頼要請が来た。
で、俺らはそれにいかなきゃならねぇ、お前も連れてきたいんだがそれは出来ない。その依頼は難易度SSの超難易度のクエスト、お前はランクも強さもまだまだだ、きっとお前はついてこれないだろう。だから、ここで別れだ。」
ああそうか、この人たちはとても強いパーティだった。指名の依頼もあるのだろう。
しかし、案外悔しいものだな、自分の力が、足りないからお前は来れない、と言われるのは。
「、、、そうですか、分かりました。
師匠、今までありがとうございました。俺は、師匠に出会えて良かったです。師匠たちからは色んなことを学びました。風の使い方、剣の使い方、戦闘の仕方など、俺に必要なことをたくさん教えていただきました。皆さんも、ありがとうございました。」
と、みんなに感謝の気持ちを届け、深く礼をする。
「ああ、俺もお前のような弟子に出会えて良かったぜ、お前は物覚えがイイしな、素直だし、たまに何言ってるか分かんないがよ、いい弟子だっだぜ、」
と言って師匠は俺の頭をクシャッと撫でる。
「うん、私もリュウト君に出会えて楽しかったよ♪ありがとね♪」
ニコッとイズさんが笑う。
「そうですね、私もあなたの剣を見れてよかったです。毎日剣の鍛錬を欠かさないで下さいね、」
とカタエさんも笑う。
「ガハハ、そうじゃの、お前さんがいたおかげで、楽しかったぞ、」
ドランゴさんも大きな声で笑う。
「そうですね、リュウト君がいて僕も楽しかったですよ。」
カミロウさんも笑を浮かべる。
「ああ、お前がいて楽しかったぞ。」
ブレイドさんがフッ、と笑う。
「よし、お前に師匠から最後の教えをさずけよう。
いいか、お前は強い、必ず強くなる。だから俺達のところまで上がってこい。なぁに、お前ならスグに来れるさ。そしたらさ、また一緒に冒険しようぜ!」
と言って師匠は俺の手にペンダントを手渡してくる。
「、、、これは?」
師匠から渡されたペンダントは風車の形をしていた。
「これは、俺たち『風車』の証だ。これを持っている限り、お前は『風車』のメンバーだ、俺からもプレゼントだぜ、ありがたく受け取れよ」
「ありがとうございます!」
俺は泣きそうになる、
ああ、別れとはなんと寂しいものなのだろうか、
「そうくらい顔をするなって、人は笑った顔が一番なんだぜ、」
さっきまでくらい顔をしていた師匠が笑う。
ああ、俺は本当にこと人たちに出会えてよかった、この人たちと過ごした日々はとても楽しかった。
「そうですね、今までお世話になりました。俺、必ず強くなります。」
俺はまたこの人たちと冒険がしたい。だから、俺は強くなる、師匠に追いつくんだ、と固く誓った。
「じゃあな、リュウト、いつかまたこの広い世界のどこかで会おう!」
と、こんなセリフを言って師匠たちは街の外に歩き出した。
俺は師匠たちの後ろ姿を眺める。
俺はそれに向かって、礼をする。己の全身全霊の感謝を込めて、尊敬する人たちへの感謝を表すために、
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師匠たちを見送ったあと、俺はこうしちゃ、いれないと思い、剣を片手に、モンスターを討伐しに向かった。
1日でも早く、あの人たちに追いつくために、教えてもらった風を使い、教えてもらった剣を使い、モンスターをどんどん討伐していく。
1歩ずつ、強く、強く、強くなるんだと、自分を奮い立たせ、討伐していくのだ。
俺はこの日だけで100以上のモンスターの討伐をした。
俺は夕飯を食べながら考える、強くなれる方法を、もう、教えをこうことは出来ないのだから自分で考えるしかない。
風の使い方について、剣を使った戦闘について、師匠たちに追いつくために、
強く、強く、強くなるために俺は努力をし続ける。さぁ、明日もまた特訓だ。
少し短めですけど、楽しめたら幸いです。
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