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ドールズの恐怖その3

タクトの肉体が少しずつ縮む。男は勝利を確信したのか、不敵な笑みを浮かべながら、双葉の人形を掴むと、頬擦りした。

「俺はどうなるんだ?」

「フヒヒヒ、君は人形になる。意識のないただの玩具に。最も、おでは男の人形なんて興味ないから、すぐ壊すけどね」


タクトは拳銃を男に向けると、そのまま男の手に発砲した。そして、弾丸が双葉の人形に命中し、地面に落ちた。

「な、何をした?」

「俺の能力、クイックリロードはな、撃った奴を加速エネルギーによって、肉体の成長を急速に加速させ、結果、加速について来れなかった、意識だけを鋭敏にし、肉体から意識だけを弾き飛ばすことができるんだ。これはある種の賭けだが、双葉の人形に当てることで、彼女の意識を人形から弾き飛ばすことができないか試すことにしたぜ」

 タクトの体は急速に縮んで行き、ついに人形となってしまった。だが、同時に弾丸を受けた双葉の人形が爆発した。


「何だ?」

 白い煙と共に、双葉の線の細い影が現れた。タクトは賭けに勝ったのだ。肉体を加速させた結果、人形の中にある双葉の意識は、人形の外に飛び出した。どういう原理かは不明であるが、行き場の無くなった、彼女の意識は、元の肉体に宿り、結果、元の体に戻ることができた。

「くそ、戻るなんて・・・・」

 男は地面に尻もちを突いて、そのまま後ろにズルズル下がった。それを双葉が歩いて追い詰めて行く。彼女は拳銃を拾うと、それで男の足を撃った。

「うげああああ」

 男は撃たれた足を押さえながら、地面の上を転げ回る。しかし攻撃はそれだけでは終わらない。

 双葉はどういうわけか、タクトの加速を一度見ただけで、自身も加速の力を体得した。これが彼女の天賦の才によるものなのかどうかまでは分からないが、とにかく彼女は加速が使えた。それもタクトのものとは真逆の性質を持つ加速だ。


 タクトの加速エネルギーは物体の成長を加速させる。しかし双葉のそれは、破壊、劣化、つまり退化を加速させるのだ。かつて闘ったミルキーウェイという男も、劣化の加速を使用していたが、彼女の場合、それよりも遥かに強力な、消滅のエネルギーだった。

「さっきはよくもなめてくれたな」

 双葉が吐き捨てるように言うと、男の足がどんどん腐り、ボロボロになっていく。まるでそこだけが急速に年を取ったように、水分を失い、ただの枯れ木と同様の物体に変貌した。


「ねえ、死にたくない?」

「し、死にたくないです」

「じゃあさ・・・・」

 双葉は拳銃をポケットにしまうと、腰を抜かしている男に、顔を近付けた。男は僅かに頬を染めた。彼女の息が顔に掛かるほどの距離だったからだ。

「タクトを元に戻して」

「ああ、はい」

 タクトの人形が青白い煙と共に、元の姿に戻った。

「こ、これで許してくれますよね?」

「うん、もちろん」

「じゃあ、この足を戻してください」

 男が必死の形相で言うと、双葉の顔が暗くなった。そして申し訳なさそうに男を見た。

「ごめんね、治し方分かんないや」

 言葉を聞いた男は泡を吹いて地面に倒れた。ちなみにその後、タクトが男の足に加速を使用したところ、足が成長し、元に戻ったらしい。

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