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プロローグ

『黒い空、青い星』シリーズの

 第一部 『神隠しから生まれし少女』  青い星 Ⅰ プロローグです。


 

 西暦2011年1月1日午前11時17分JST(日本標準時) 



 あの日から8ヶ月が経っていた。


 中学三年生の盛田雄一は通い慣れた松下家の前に立っていた。この家には中学一年生の時から毎日のように遊びに来ていた。

 門の前で立哨している機動隊員2名が周囲に目を配っている。その姿は去年の正月から見慣れた光景だった。

 雄一はインターホンのボタンを押した。聞き慣れたチャイムの音が家の中で鳴る音が微かに聞こえた。


『お、雄クンや。今、開けるわ』


 雄一の記憶が空耳として、懐かしい少女の声を聞こえさせた。

 同級生に色々なものを残して、世界を混乱の渦に陥れて、世界を動かす存在になった為に、文字通りに地球上を飛び回っている少女の声・・・

 もうテレビでしか聞けなくなってしまった彼女の声は、そのボーイッシュな外観にだまされて気付いていなかったが、きれいな声だった。

 だが実際にテレビホンから聞こえた声は大人のしっとりとした声だった。


「あ、いらっしゃい。どうぞ、中に入って」


 隣に立つ田中綾乃がぎゅっとこぶしを握ったのが分かった。

 彼女も未だにテレビホンから流れるこの声に慣れていない様だった。後ろに居る同級生の笹岡啓子、井植拓海、田所清志の三人も同じ気持ちだろう。


「失礼します」


 あの頃とは違って、どこかよそ行きの声で返事をしながら雄一は思った。


『綾もだけど、俺も早く慣れなくちゃ榛菜さんに悪いぞ』


 玄関を開けて、五人を招き入れてくれた女性は8ヶ月前までは同級生だった。


「明けましておめでとうございます。挨拶に来ました」

「明けましておめでとう。よく来てくれたわ。ありがとうね」


 そう言って、五人分のスリッパを出してくれた女性は雄一たちとは一回り以上年齢が離れていた。

 偶然にも、みんながいつも使っていたスリッパだった。

 一瞬、スリッパを履くのが遅れた五人を見る女性の目に、満足感を含んだ笑いがよぎった。




 次からやっと本編が始まります(^^)

 プロローグだけで(シリーズ用、本編用)3話も使うとは・・・

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