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『笹岡啓子(肉食動物の少女)』 3

やっと登場人物の紹介が入りました(^^;)

 少しは人物相関が分かり易くなるかも(^^)

登場人物 (第一部「神隠しから生まれし少女」当時)


松下 浩史  松下家父親。影の主役。

松下 榛菜  松下家母親。怪現象に巻き込まれる。

松下 一樹  松下家長男。高校二年生(西暦2008年時)。ある種の天才。

松下 陽菜  松下家長女。中学三年生。腐女子。可愛いので、男子からは人気がある。

松下 葉菜・瑠菜・菜々  本編の主人公達。内、一人はシリーズを通しての主人公。

早川 翔太  一樹の親友。高校二年生。後に松下家と更に深い仲になる。

早川 優衣  翔太の妹。中学三年生。陽菜の幼馴染。

盛田 雄一  もう一人の主人公。中学一年生。気が付けば運命を捻じ曲げられてしまった子。運動バカ。弟思いの『いい奴』

盛田 健二  雄一の弟。小学三年生。ある事がきっかけで人見知りが激しい。

田中 綾乃  雄一の同級生。中学一年生。引っ込み思案な優等生。

笹岡 啓子  雄一の同級生。中学一年生。ナイーブないじめっ子。

井植 拓海・田所清志  雄一の同級生。中学一年生。

松田 貴志・杉浦 美紀  浩史の部下。婚約中。    

特別出演   堺市堺区の皆様





 笹岡啓子は人生で最大の屈辱感を彼女に与えた三人組みを、どうやってクラスから排除するかを考えながら家路を急いでいた。かなり難しい事は分かっていたが、あの三人を認めてこのまま負ける事は自分の存在意義を放棄する気がしていた。

 いつも周りに居る二人は、今日は用事が有るからと先に帰っていた。

 嫌な相手が待っている事に気付いたのは、彼女の自宅まであと少しという所だった。

 それは計算された待ち伏せ場所だった。ここで引き返せば逃げたと思われるし、無視をするには道が狭すぎた。啓子は退路が無い事を悟り、覚悟を決めて松下瑠菜の待つ場所まで歩いた。先に口を開いたのは啓子だった。


「何やねん? もう私なんかの相手は一人で十分って訳かいな?」

「別に喧嘩を売りに来た訳じゃないわ。情報を教えに来たのよ。菜々の弱点は可愛いものと自分より弱いものよ。だから、さっきも徹底的な攻撃をしてないわ。だって、あの子がその気になったら、あなたは耐えられないもの。まあ、信じないかも知れないけどね」

「なに偉そうに言っとんや? あんたも化け物の一人やないか? 私を脅そうとしても無駄や」

「やっぱりそう受け取るのね。ま、一応警告はしたから。そうそう、ネットの書き込みは監視しているよ。嘘だと思ったら昨日の書き込みを確認してね。全部削除されているから。じゃあね」 


 瑠菜は帰る途中でいきなり啓子の方に向くと笑顔を見せた。


「あなたの言葉で一つだけ正しいかも知れない事が有るわ。私達は化け物かもね。その事は本人達が一番考えている。それじゃ、明日学校で会いましょうね」


 瑠菜の後姿を見送る啓子は身震いした。

 彼女達を『化け物』と言ったが、啓子自身信じていた訳ではなかった。


 だが、瑠菜の笑顔を見た時に本能的に悟った。

 少なくとも瑠菜って子は『普通』じゃない。いざとなれば、ためらわずに敵と見なした存在を消すだろう。

 自分とは賭けているものが違う。

 あの子は『存在』そのものを賭けている。私は『存在意義』という実体の無いものを賭けている。これでは勝てるはずがない。啓子は三人を排除するどころか、自分が排除される可能性が高い事を遂に理解した。

 そして、本当の『化け物』に出会ってしまった事も確信した。

 人生最大の屈辱と恐怖を、たった一日で味わった事で彼女の精神は打ちのめされた。

 啓子の姉が通り掛かるまで彼女は立ち尽くしていた。


 翌日、彼女は休んだ。瑠菜の言う通り、彼女が書いた書き込みは全て削除されていた。今までに味わった事が無い不安が彼女の心を満たしていた。

 今までは携帯サイトで、気に入らない人間の悪口を書き込んだり、クラスで無視するように仕向けたりする事で家庭内のストレスを解消していた。

 その結果として、クラスメートに恐れられている自分が特別の存在だと思えた。

 だが、書き込みを全て消された事で、自分では対抗出来ない『力』に出会った事を改めて思い知った。あの子が自分を排除しようと書き込みを始めたら、抵抗する事も出来ずに一方的にやられてしまう。悪夢のような展開だった。


 やっと起き出した彼女が誰も居ない自宅でカップラーメンにお湯を注いでいる頃、1年3組では各自が弁当を広げていた。

 葉瑠菜三人のおかずは出汁巻き卵とタコさんウィンナー、マッシュドポテトをベースにした豪勢なサラダだった。食後用としてビフィズス菌を豊富に含んだ飲料を用意していた。


「なあ、そのウィンナーを誰か一個でいいから恵んでくれへんかなぁ? 昔から一度は食うてみたかってん」


 三人の弁当を羨ましそうに眺めていた拓海が遂に声を上げた。応えたのは葉菜だった。


「ええよ。うちのんあげる」


 葉菜はひょいっとタコさんウィンナーを摘むと、拓海の弁当に入れてあげた。


「ああ、夢みたいや。生まれて初めてのタコさんウィンナーを美少女からもらえるなんて。夢とちゃうやろか?」


 拓海が幸せ一杯の顔で言い終わる前に、そのタコさんウィンナーは横から手を出した菜々が食べてしまった。


「え? え? エー? お、俺の夢が・・・ 子供の頃からの夢が・・・・」


 当の菜々は自分のタコさんウィンナーを綾乃の弁当に押し込んだ。


「井植君がくれるって」

「田中、それは俺のや! 誰が何と言おうが俺のや! 悪い事は言わんから、こっちに渡して、お願いや」


 綾乃もさすがに可哀想になって、菜々のタコさんウィンナーを拓海の弁当に回してあげた。


「田中、今日はいつもより可愛いで。眩しいくらいや」

「そんな大袈裟な。明日、作って来てあげるよ」

「おい、雄、俺は今起きてるか? 寝てないよな? ええんか? 本当にこんなに幸せな昼休みが俺に来てもええんか? もしかして俺、死ぬんか? フラグ立ってないか?」

「拓、落ち着け。今、タコウィンナーがお前の弁当に有るのも、明日もタコウィンナーが食えるのも現実や」

「雄、今日ほどお前の連れで良かったと思った事は無いで。ありがとうやで」

「俺の価値はタコウィンナー次第か。ま、ええけどな」

「お前はタコさんウィンナーの偉大さを理解しとらんのや。ましてや可愛い女の子が作るタコさんウィンナーは男の夢や」


 拓海は断言した。

 それはもう、これ以上は無いという程に断言した。

如何でしたでしょうか?

 タコさんウィンナーは人類が創り出した文化の極みです(^^)

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