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マテール・プレアー  作者:
第一章
7/23

帰還

☆☆☆

---

「…二年間良く私の修業に耐えましたね。正直私はあんなことしたくはないです、やれと言われても拒否します。やった貴方に私はドン引きです。ひぃっ!」

「じゃぁやらすなっ!」

「ふふっ、冗談ですよ。でも、まだまだです。この二年間で貴方が習得したのは自分強化と吸引値の増加、それに有形物の変化くらいです。しかも変化に至ってはまだ不安定です。日々の訓練を忘れないで下さい」

「あぁ、わかってるよ魔王。とりあえず、二年間お世話になった。感謝してる」

「態度で示して欲しいですね。帰ったら街のデザートショップでもいって棚一列分送ってくださいね?」

「拒否する。だがまぁ、魔王の耳にも届くような勇者になってやるよ」

「ふふっ、期待しないで待ってますね…」

---

この街に帰ってくるのは二年ぶりか…。

そういや、オレは死んだことになっていると思ったのだが…まぁいいか。

とりあえず家に行って事情を話すとしようか。

それにしても二年前とすっかり変わっちまったな…。街の周りに外壁とは…。これもオレの影響なのだろうか…。

「そこの旅人、職業はなんだ?職業次第ではこの門を通すことは出来ないのでな」

門兵までいるのか…。

「職業は…[勇者]だ」

「⁈勇者だと?可笑しなことを言うな。[勇者]は半年前に世界から廃業したはずだが…。貴様もしや魔王の使いかっ⁉」

いや、魔王に修業してもらったけれども…。

「いや、勇者です。とりあえず家に帰りたいのだが通してもらえないか?」

「ダメだ、貴様危険すぎる、少しこちらで身柄を確保させて頂こうか」

うっわ、ダリィ。

「いや、急いでるんだ。いい加減通してもらえないかな…?」

「ダメだダメだダメだぁ!門兵として通すわけにはいかん!」

「……ハァーっ、わかりました。オレはここは通らない」

「むむっ、やはり貴様この街で悪行を働こうとしていたな!だがしかし、私の前ではどんな悪人も通しやしないわ!」

ふぅぅぅっと、一息。

体、特に足に集中する。

「そこは通らない、だから壁からいかせてもらおうか」

少し後ろに下がり、壁の高さを確認。

高さを補う為のちょうどいい木を確認。

助走をつけ、木をめがけて一気に走る。

木のてっぺんのすぐ下の位置を折れるくらいに思い切り蹴り、壁のてっぺんにぶら下がる。

あとはよじ登って街に入る。

という予定だった。

木が途中で折れなければ。

オレは身柄を拘束され今は留置所にいる。

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