弓兵脱走⁈
「あっれぇ〜、おっかしいな〜。金貨と食糧袋出てこないぞ?」
「あれだ、流したものの質が悪いんだ。今回は諦めようぜ、槍兵」
「ちょっ ぶふ、 あっ、あぼ……おばべらだずげろっ ぶっ ぷ ーーー」
ーーー
ここはどこだろうか……。
そうだ、俺は確か川に落とされてそしてそのまま…。
死っ?えっ、死んだの、俺?ま、待ってくれよ、まだ…まだ死ねないよ!
だって…だって……俺まだけっこグブハァ。
ーーー
「お、水はいたぞ水〜。楽しいな〜、腹を押すと〜水が出る〜噴水みたいに水がでる〜」
「ーーっぶふぁ。な、なんだったんだ、鳥肌がたってるぜ……あれっ?生き…てる?生きてるよな俺⁈良かった、さっきので死んだと思ってたぜ」
「いや、お前死んだよ、ほら、俺ら斬首されてこっちに来たからさ」
「そうだよ〜、弓兵が俺に勝負を挑むからこうなったんだよ〜。まぁ、川に落としたのは悪かったと思ってる。だからこうして合いに来たんだ」
「お、お前ら…。そうか、俺やっぱり…。死んだら天界や地界に行くと言う話は違ったみたいだな。でもいいさ、俺にはお前らがいれば…」
「3人して楽しそうね?私を呼ぶ必要あったかしら?」
「……なに?もしかして、救護隊長も俺のことを追ってこっちの世界に…。そうか…やはり君は……それで……。ぶつぶつ…」
「よう、ヒール、早かったな」
「こんにちはヒールさん〜、あそこの弓兵を治してください。頭が悪いそうです、プスス」
「っだとおぉ!」
「辞めなさい」「あだっ」
うーむ、頭悪い奴に治療箱ぶつけるとは…。
「なに?喧嘩してるの?」
「い、いやいや、してないですよ隊長!ほら、俺と槍兵は仲良しですよ、ね、ね⁈」
「気持ち悪いから離れて欲しいんだけどな〜」
「じょ、冗談を…。ね、ね、な、仲いいでしょ?」
「そういうことにしてあげるわ、んでジュニア、なんで私を呼んだの?まさか本当にどこか悪いんじゃ…」
「あー、一応な、そこのバカが川に落ちたから見てもらおうと思って呼んだんだが…悪い、大丈夫そうだから無駄になっちまった」
「えー、そんなことで呼んだの?他には?他には何かないの?私が何でも解決してあげるわ!」
「はいはいはい!隊長!俺あります!」
「あんたには聞いてないわ」
「ひっ、酷い…。ぐ、グレてやるーー!わぁぁぁーッ!」
「おう、そうだ、一つだけあったぞ」
「なになになに〜?聞かせなさいよ!」
「えーっとだな……ここが死んだ後に辿り着く世界だと信じてる奴をどうすれば正気に戻せるか教えてくれ」
「はっ?」
「お〜い、待てって〜。ジュニア〜、ヒールさ〜ん、弓兵がどっか走ってったんだけど〜。『ふふふ、どうせ俺は死んでるから敵と戦おうが死なぬ!』って言ってたけど…」
「……どういう状況か理解したわ」
「話が早くて助かる」
「ワクワクするね〜」
「いいから早く追いなさーい!」