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マテール・プレアー  作者:
第一章
3/23

仲間?

この世界にも学校はある。

学校といってもただ集まって話しをしたり、武闘の心得や己がスキルの上昇の自主訓練などしかしない。

「あっれぇ〜、ジュニアじゃない?お前旅に出るとか言ってなかったっけ?」

「うるさい、いつ行ってもいいだろう……また……よ」

「ん〜、最後の方聞こえなかったなー、もう一度大きな声で、はいっ!」

こいつ、オレが圏外で出会った盗賊から逃げ戻ってきたのを知ってやがるな…。

「ふん、お前こそどうしたんだよ、新しい弓を買ったと聞いていたが、前と変わらないじゃないか」

「ヒュー、ヒュー…」

ふん、誤魔化したか。

「まぁいい、少し俺に付き合えってくれ、弓兵」

「えっ、で、でも俺たちは男どうしっっっグホッ、ちょ、み、鳩尾はダメだから!悪かったよ、ちゃんと付き合うから構えるなっ!し、舌打ちした⁈あっ、これは舌打ちの舌と行使するの『した』を掛け合わっぶほぅ……」

…帰るか……。

「おーいお前らー、そこで何してんだ〜?」

振り返ると、ツンツン頭で陽気という言葉が良く似合う男が歩いてきている。

「おいおい、なんか楽しそーだな!なんだ、弓兵の腹を殴るゲームか?俺も混ぜろジュニア〜」

「構わん、煮くなり焼くなりお前の好きにしろ。それで、今日も槍の稽古サボってきたのか?」

「これはサボリじゃない、俺はみんなとのコミュニケーションを大切にしてるだけだ」

「あの〜、言ってることとやろうとしてること違うくない?さっきから握ってるその拳おろしてくれないかな〜?」

「おぉ、すまんすまん、んじゃ、おもいっきりいくから‼」

「なぜにッ!グフッ……」

「お、動かなくなった。おーい、あと3発くらい入れたいんだけど〜。もう無理?無理なら蹴りに変えるけどいい?」

「鬼かッ!」

「そ〜れ」

「ッ⁉」

「お〜、避けたか〜」

「…チッ」

「そこ、舌打ちしない!さ、流石に人としての器の大きい俺でも、今のはちょいと腹にきたぜ」

「蹴ってないのに?」「頭だろ」

「う、うるさいうるさいうるさ〜い!お前ら二人まとめて相手してやるよ、かかってきな!」

…面倒くさいことになったな……。

「いいぜ!俺が相手してやるよ、ジュニアは審判してくれよ。どうせすぐ終わるけどな」

「っっぜんにブチ切れたぞテメェ!幼体になってもしらねぇからな!」

「遠吠えはいいから早く始めようぜ!」

「ムッキーー!」

幼体とは己の体力(各々値の違うHPのようなもの)が切れた状態のことを言う。

幼体時は相手の攻撃を食らうことはないが、逆に与えることも出来ない。

よって死人が出ることもない。

「たかだか槍兵が遠距離の弓兵に勝てると思なよ!」

「どうだか、さっきからお前の弓矢は一本当たってないがな〜、その程度か?」

「ムッキーー!笑いながら言うところがさらにムカつくぜ!」

ー30分後ー

「あっはははははははははは〜!もう終わりか、弓兵?」

「も、もう勘弁してください…」

「なぁ審判、対戦終了?」

「ぞっこーだ!」

「だよね〜、流石ジュニア、わかってる〜」

「え、ちょ、ま、まって!な、なんでロープ?てかどこからそんなもの?んでどうして俺の足に巻き付けてるの⁈な、何する気なんだ!?」

「…昔々の話だが、一人の老人が孫と一緒に暮らしてたそうな…」

「木にロープをくくり、川で漁をしていたそうな…」

「ある朝、いつも通りに漁をしていると突然ロープが切れ、流されたそうな…」

「そうと知らない孫が帰りが遅いのを心配して川に行ったそうな…」

「そこには老人の姿はなく、変わりに生活に一生困ることのない金貨と食糧のでる不思議な袋があったそうな…」

「老人は一生戻ってこなかったが、孫は優雅に暮らしたとさ、おしまい」

「どうだ弓兵、感動したか?」

「…一体どこに感動の要素が…。しかもそれ即興の作り話だろ!えっ、ちょ、だからさっきから待てと、いや、待って、待ってください、お願いだから!お願いだから川に投げないでーーー!」

この日を境に弓兵が槍兵に楯突くことはなかった。現時点では……。

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