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マテール・プレアー  作者:
第一章
2/23

勇者?

ーー駄目です、このままでは体がもちません!

ーー止むを得まい。

ーーしかし、そうなるとこの子は…。

ーー背に腹は変えられまい…。急ぐのだ…!事態は一刻を争う…。

☆☆☆

「おるぅらぁぁぁ、くらいやがれぇぇ!」

「なっ⁉貴様卑怯なッ!」

部屋中に駆け巡る騒音二つ。

この後ろでオレは考えていた。

[あぁ、勇者になりてぇ〜]

この世界はあらゆる[職業]により分けられる。

鍛冶屋や商人、弓兵や騎士団などがある。

もちろん、そこには勇者もある。

これらの職業は大抵親から子へと引き継がれるものである。

子は母方の職と父方の職のどちらかを選ぶことができる。

例えば、鍛冶屋と商人の間に出来た子なら将来は鍛冶屋か商人である。

「んっふふ〜、どうだ魔王、お前にはあんなハンドリング操作出来ないだろう!だんとつで俺の勝ちだ!」

「後ろから甲羅をぶつけておいてなにを勝った気でいるのだ勇者よ。もう一度だ、お前が卑怯な手を使わなければ私がお前なんぞに負ける分けないのだ!」

「はっ、なにを卑怯な手だって?もし、本当の戦いだとしたら卑怯もなにもねぇ!俺は死にたくないからな、手段は選ばんっ!」

「む?た、確かにそれはそうだが….。

ええいっ、ならば次は手加減せぬぞ?くっくっくっ、私の本気を受けてみるがいいッ!」

何故こんなのがオレの兄なのだろうか…。

15の時、「俺、ちょっと旅してくるわ」と言い残し、そのまま2年間音沙汰なし。

帰ってきたと思ったら

「おう、友達連れてきたぞ。俺がこいつの家ぶっ壊しちゃったから今日からこいつもここに住むことになったから」

「どうも、魔王です。いやぁ、勇者には家を壊されて大変でしたよ〜、はっはっはっ!おっ、これは弟くんですか?噂には聞いてましたよ、どうです?私の門弟に?」

「お断りします」

こんなやり取りをしたのはいつのことだろうか…。

13日前くらいか…。

ともあれ、オレの兄は(一応)勇者なのだ。

うちは両親が勇者のため、職業は勇者しかない。

ここで親から子へと職業が引き継がれる理由がある。

生まれた子は遺伝子により、親の職業に就きやすい身体の構造になる。

鍛冶屋ならば、鉄を打つタイミングなど、そのような類のものまで天性的に引き継がれる

確認しておきたいがそれは確実ではない。

遺伝子によるものであるから優性と劣性に分かれる。

大抵は優性が発症するがわずかな確率で劣性も発症する。

なぜそう言い切れるのか?

オレがそうだからである。

勇者の親から生まれたオレは本来なら勇者に似つかわしいスキルを得ていたはずであったのにも関わらず、オレが発症したのは魔王のスキルであったからだ。

簡単に例えるなら

勇者は無から有を作るスキルであり、

魔王は有から無に帰すスキルである。

故にオレは魔王になることも可能だと国から特例が出ている。

まぁ、職業確定は20歳であるから今はいいが…。

「おい弟よ、お前もこっちきてやろうぜ!」

「それは名案だ。やりませんか?そうですねぇ、なにか掛けますか?私に勝てたら貴方を弟子にしましょう!私に負けたら貴方を下僕にします、どうですか?」

「んじゃあ、俺が勝ったら牛乳買ってきてくれ。俺が負けても牛乳買ってきてくれ」

「んじゃあ、オレが勝っ

「「お前(貴方)に決定権はないっ(ありませんッ)!」」

…理不尽だ……。

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