二回目の手紙01
7月25日……夏、例年どおり猛暑が続く中、俺と怜は学校に向かう、最近ではよく怜と学校に行くことが多い、まあ、家が意外と近くにあったって話なんだけど……。
ちなみに、今は夏休みなんだけど、一応、二学期には学校祭とかあるし、生徒会は活動しなくちゃいけないらしく、さながら、部活のように夏休みに駆り出されるのである。
「あぢぃ・・・なんで、歩かなきゃいけないんだ? せめて、怜が自転車乗れるようになれば……いいんだけどなぁ……なぁ……」
俺はムスッとした表情で怜を睨む。
「べ、別に乗れないわけじゃないの! そ、それとも、あきら君が二人乗りでもしてくれる?」
お! その手があったか……じゃあ俺の自転車に今日帰ってきたら荷台でも付けておくか……。
「誰が、お前なんかと二ケツなんかするかよ」
はっははー、明日驚かせてやろう! ……って、何を考えてるんだ? 俺はこの連日の暑さでついに脳がやられたか?
「そ、それもそうだよね……あはは……」
さあ、明日の反応が楽しみだぞ……。
俺は、いつもより足取りが軽くなった気分で学校に向かう……。
「今日のあきら君……なんか変……?」
ぼそっと言った怜の声は届かない……それもそのはず、俺は隣にいたはずの怜を置いて先へずんずんと進んでいったのだから……。
やはり、今日の俺はどうかしていたようだ……。
「はぁークーラーの効いた電車は最高だぜ! 外に出たくなくなる……」
「うん……そうだね……」
涼しい場所にいるせいか、脳もクールダウンされてる気分だ……。
随分と、変なことを言ってた気がするが、あえて思い出さないでおこう……思い出せば自分が恥ずかしくなるだけだし……。
「いっそ、終点まで」
「それは、ダメ」
この暑い夏でも、間髪入れずに、冷静に(というより、冷ややかに)突っ込む怜……さすがだ。
「――ですよねぇ……」
「今日は『大会』の話もあるんだよ? それなのに、言いだしっぺのあきら君が遅刻なんておかしいんじゃない?」
……ごもっともです。
「そういえば、会長、合宿がなんとかって言ってたよな……」
「今日は、たぶんその話じゃないかな?」
しかし、合宿なんてどこでやるんだ? あ、あれか! 私営のホテルとかでやるのか?
そんなことばかり、考えてたら学校の最寄駅に着く。
「また、炎天下の中歩くとか……なあ、どうでもいい話なんだけど……」
「別にそんな話はいいからさっさと行こうよ……ただでさえ、遅刻気味なんだから」
たしかに、くだらないから、流されてもいいんだけど……俺のこの疑問を聞いてくれたっていいじゃないか……。
「ぜったい聞かないからね!」
だから、あなたはエスパーですか? いくら、俺が顔に出やすいとはいえ、簡単に見抜きすぎじゃないか……?
「わかりやすいだけだよ」
もう何も言わないでおこう……。
と言っても後、3分ほどで、学校には着くのだが。
結局、残り3分の道でも、しゃべっていた俺だったのだ……。