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急がず、焦らず
亮介とのことを終わらせたばかりの心は、
まだ少し揺れている。
その揺れを
誰かに埋めてもらうようなことはしたくなかった。誰かの優しさで誤魔化したら、
また同じところでつまずく気がした。
ちゃんと自分の足で立って、
自分の気持ちを選びたい。
スマホを置いたあとの
胸の奥に残った温度は、
叶多くんへの気持ちが消えたわけじゃなくて、
むしろ静かに形を持ち始めていた。
胸の奥がジンとするのは事実。
叶多くんの声で、
名前を呼んでもらいたい。
顔を見たい。
触れたい、
触れられたいとも思ってしまう。
でも、
今連絡してしまったら
自分の中で
何かが急ぎすぎてしまう気がしたから。
急がず、
焦らず、
ちゃんと自分のタイミングで。
その気持ちは大事にしたかった。




