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タイムカプセル~10年前のラブレター~  作者: 柚原 澄香


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急がず、焦らず

亮介とのことを終わらせたばかりの心は、

まだ少し揺れている。


その揺れを

誰かに埋めてもらうようなことはしたくなかった。誰かの優しさで誤魔化したら、

また同じところでつまずく気がした。


ちゃんと自分の足で立って、

自分の気持ちを選びたい。


スマホを置いたあとの

胸の奥に残った温度は、

叶多くんへの気持ちが消えたわけじゃなくて、

むしろ静かに形を持ち始めていた。


胸の奥がジンとするのは事実。

叶多くんの声で、

名前を呼んでもらいたい。

顔を見たい。

触れたい、

触れられたいとも思ってしまう。


でも、

今連絡してしまったら

自分の中で

何かが急ぎすぎてしまう気がしたから。


急がず、

焦らず、

ちゃんと自分のタイミングで。


その気持ちは大事にしたかった。

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