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五話、この話と全く関係無いけど何で悪い奴が一回正しい事するだけでヒーローになんの?巻

お昼を片付けている最中の首永さんと

ヘルパーステーションで仕事もしないで

座っている大塚さんがそこにいた。


二人に休憩いただきました。

と伝えると大塚さんは「休憩長えぇよ!」

と時計を指差し文句を言っている。


確かに今の時刻は1時2分で2分程過ぎていた。


私は「遅くなってすみません。」と謝罪を

して頭を下げる。


大塚さんは

「たくっ!仕事はしねぇのに休憩だけは、

しっかり取りやがる!」


「これだから中年のおっさんは口ばっかで

むかつくんだよ!」


と怒って一階に降りて行った。


首永さんにも謝罪をすると


「いや、謝る必要無いわよ。」


「たかが2分じゃない。」


と言うので私は

「それもありますが…。」


「大塚さんは、感情的になりやすいので

首永さんに八つ当たりしたらと思うと申し訳なく思って。」


そう言うと首永さんはクスっと笑い


「人間に色々言われるのは慣れているけど、心配されたのは初めてだわ。」


「心配してくれてありがとう…。」

と言って休憩に行く。


私はため息をしながらデイサービスから

帰って来る利用者様達を待ちながら

サービス提供票を書いていた。


サービス提供票とは単純にいうと介護職員が利用者様にケアプランに基づいたサービスを提供したのかを記入して

(国民健康保険団体連合会)に提出する。

介護保険のルールにそっているか等様々な

審査を通るとサービスを提供した報酬が

支払われるのだ。


もう少し細かく話をしたいが見ている人には退屈だと思われるのでここは割愛させて

もらうが、この様にして利用者様を守り

根拠のない介護を行わず自分らしく生活を

するためのお手伝いをする。


なので我々福祉に関わる者が不正を行わない様、常に管理をする機関があるのだ。


そして私は午前中に入浴を行った利用者様に対して行ったサービス内容を記入していた。


すると風間理さんがボールペンを鼻の上に

のせて退屈そうにしていた。


鈴木

「風間理さん、吉田さんの入浴介助で着替えの見守りをしましたよね。」


鈴木

「これも大切な仕事なのでやりましょう。」


風間理

「そうなんですけど…」


風間理

「あの…私、日本語を書けないんですよ。」


鈴木

「えっ(日本妖怪管理機構)で教わらなかったのですか?」


風間理

「教わりましたけど、どうしても覚えられなくて…」


風間理

「それに私達妖怪はほとんどが念を飛ばして会話をしているので文字を読む機会もないですし…」


鈴木

「ゆっくりで良いので日本語を覚えた方が

良いですよ。」


鈴木

「出来る範囲で教えますから。」


風間理

「は~い分かりました。」


そう言うとサービス提供票のお手本を何度も見ながら一枚の提供票と格闘をしていた。


するとピンポーンとインターフォンが鳴り


玄関口に行くとデイサービスから戻って来た利用者様を乗せている送迎車が列となっているために軽い渋滞が出来ていた。


歩行器を使って歩いて来る木下様が見えた。


私はデイサービスの職員から木下様の

デイでの様子を聞かせてもらう。


(これは送りと呼ばれ利用者様の様子や体調の変化を伝える。)


鈴木

「木下さんお帰りなさい。今日は、何をしたのですか?」


木下

「今日は麻雀やってよ、ボロ勝ちだったわ。」

そう言うと木下様が

デイサービス(南国の波風)職員に手を振って「また頼むな!」と言っていた。


すると車を動かし窓から職員が笑顔で

手を振り返す。


すると山崎様と式澤様が同時にデイサービスの送迎車から降りて各々の職員が付き添い

施設の玄関に付き添い誘導していた。


山崎

「ただいま!疲れたよ…」


式澤

「おや、山崎さんも疲れたのですか?」


山崎

「そりゃあれだけ運動すればねぇ。」


式澤

「たかだか一時間ダンスをしただけじゃないですか。」


山崎

「私も歳だからね!」


と言い口論となり始める。


すると二人が通っている

デイサービス(アイノメバエ)の職員が

笑いながら「お二人共仲が良いですね。」

口論をしている山崎様と式澤様に話す。


それを言われて山崎様と式澤様が声を揃え

「どこが!」と大声で言うので

木下様が「息が合うね。」と同じく笑っていた。


二人は、フンと言って手を洗いに洗面所へと向かって歩く。


今は感染症が流行っているので外出したら

基本的に手洗いはしてもらうのである。


私は二人のデイバックを預かり

(アイノメバエ)の職員から二人の様子を

聞いた。


「山崎様はいつも通り皆様とダンスを楽しみ他の利用者様と一緒にチークダンスも踊り

照れていました。」


「式澤様は、昼食時に強い眠気の訴えがありお昼寝をしました。」


「バイタルは血圧が低めなので様子を見てください。」


「デイノートにも書いてありますので確認をお願いします。」

と言って会釈をして職員が送迎車に

戻って行く。


手を洗い終えた山崎様と式澤様がデイの職員が帰るのを見送っていた。


私は山崎様と式澤様に

連絡帳と洗濯物だけ預かると伝えデイバックを二人に返す。

山崎様と式澤様がデイバックを受け取り


山崎

「洗濯、頼むね。」


式澤

「後で良いので部屋にある洗濯物も洗って

貰えるかい?」


山崎

「相変わらず洗濯物が多いね。」


山崎

「よくそれだけ着替えがあるわ。」


式澤

「汗をよく掻くからね、あんたには迷惑かけて無いだろ!」


また二人が喧嘩を始めそうだったので

私は二人をなだめ木下様に椅子ヘ座って

待ってて欲しいと伝えて、二人を居室に

誘導した。


木下様が笑いながら「おつかれさん。」

と言うので私は苦笑いをしながら

「ありがとうございます」と返事をした。


木下様をエレベーターに乗せると二階に

上がる。


この施設(ほしのひかり)は要介護度の違いで一階と二階で分かれる。


比較的認知症等介護度が高い利用者様は二階

ほぼ自立している利用者様は一階に住んでいる。


場所によっては色々な分け方があるが

この施設はその様になっていた。



木下様を居室に誘導すると

私は洗濯を始めた。


木下様は、認知症があるためデイバックは

基本的に施設が管理する。


勿論利用者様の許可を受けて預かって

いるので安心して欲しい。


私はデイサービスからの連絡帳を見て

個人記録にバイタルとデイサービス先での

様子そして帰られた時間を記入していた。


ちなみにバイタルとは利用者様の

(血圧)(体温)(酸素飽和度)等の

バイタルサインの略語である。


個人記録は各利用者様の日記みたいな物で

それを見て利用者様の様子や今後の介護に

おける支援の方針を決めていくのだ。


個人記録はそれだけ大事な物なので記入を

怠るのはいけないのである。


私はその日の日報に式澤様の血圧が低いので

様子を見て欲しいと記入する。


施設には個人記録の他にその日の出来事を

書いて知らせる日報がある。


職員はこれを見て今日の予定をたてたり


利用者様の様子を知るのである。


そんな事をしていたら、首永さんが休憩を

終えて戻って来る。


時計を見るともう2時5分だ。

時間が過ぎるのが早いなと思いながら、


私は首永さんに式澤様のデイでの様子を

口頭で伝える。


それを聞いてわかったと言って式澤様の様子とバイタルを計りに一階へ降りて行く。


私はヘルパーステーションにいない

風間理さんを探しながら洗濯物の様子を見に行く。


すると奥にある空き部屋から声が聞こえる。


「多分、ここは妖怪管理機構に目を付けられているわね。」


「私も新しい仕事を探さないと巻き込まれるかもしれない…」


と誰かと話しをしている風間理さんの姿が

あった。


私は気付かれない様にそっと後ろに下がり

見なかった振りをしてヘルパーステーションに戻る。


私はさっきまでの幼いと感じた風間理さんの様子が違うのに少し驚いていたが

まぁいっか、と気にせずに自分の持ち場に

ついていた。


時計を見ると4時30分で仕事が終わる時間である。


私は首永さんが二階に戻るのを待ちながら

仕事のやり残しが無いかを見ていた。


誰か二階にあがって来る。


ドタドタという足音で私は大塚さんだとすぐに気が付いた。


大塚さんが辺りを見渡し

「あれがいねぇな…。」

と言って右手に持つ有名なケーキ屋の箱を

見ていた。


私は、「誰か探しているのですか?」と

大塚さんに聞くと少し顔が赤くなり

「別に!あんたには関係無いだろ!」と

言って一階に降りて行った…



私の勘だが風間理さんにあのケーキを渡そうとしていたのだろう…


大塚さんも少しは可愛げがあるなと感心していた。


するとバイタルを計り終え二階に上がって

来る首永さんが見えた。


首永

「式澤様のバイタルは異常がないので個人記録に記入しときます。」


首永

「それと今日の夜勤者の酒山さん少し

遅くなるって連絡があったのよ。」


首永

「鈴木さん少しだけ残れる?」


というので私は残れると伝え

夕食まで残る事にした。


時計を見ると5時30分だ

私は利用者様にトイレの声掛けを始める。


すると背後から凄い勢いで私に近づく者の

気配を感じ私はあわててお尻を壁の方に

向けると司馬様が「何で尻を隠すだ!」

と怒るので

私は「お尻を触られたりカンチョーされるのが嫌だからです。」と伝える。


すると悲しそうな顔をして司馬様は

「ごめん嬉しくなかっただなぁ…」

と後ろへ振り返りトポトポと歩いていた。


私は何故か胸に酷い罪悪感が生まれたが

これでいい、と自分に言い聞かせた。


階段の下が騒がしい、私は何かあったのかと階段を降りて行くと夜勤者の酒山さんと

大塚さんが楽しそうに話していた。


ちなみに酒山さんは女性の(鬼)である。


酒山

「大塚さんケーキありがとう!」


酒山

「これ私好きなんだ!」


大塚

「喜んでくれて良かったですよ。」


酒山

「でも何で私にケーキをくれるの?」


大塚

「それは酒山さんが美人だからですよ!」


酒山

「今度大塚さんにケーキのお礼するね。」


と言うと二階に上がって行く。



大塚さんは鼻の下を伸ばし頬を赤くして二階に上がって行く酒山さんを見ていた。


私の視線に気付くと

「何だよ別に良いだろ!」

と怒って二階に上がって行く…


まさかケーキを渡す相手が酒山さんだと

思わないので私の勘も当てにならないなと

笑っていた。


まぁ酒山さんはスタイルも良く下品な言い方だが胸が大きく身体も引き締まっている。


顔も目がぱっちりしていて性格も鬼なので

竹を割ったような性格でさっぱりしていた。


確かに非の打ち所は無い。


しかし私の周りに鬼と結婚した者がいるが

鬼は愛情も深いが嫉妬も深い。


それはそれは結婚生活も苦労をしていると

ぼやいていたのを思い出す。


まぁ私には関係がないので気にしない。


酒山さんが出勤してきたので二階に上がり

首永さん達に挨拶すると一階のタイムカードを付いてロッカーに向かって歩く。


着替えを終えてロッカールームから出ると

私服に着替えた風間理さんが待っている。


私は「どうしましたか?」と聞くと


風間理さんが照れながら

「途中まで一緒に帰りませんか?」

と聞いて来る。


私は丁寧にお断りしてリュックを背負い

会社を後にした…


すると同じく仕事を終えた小豆洗いが

風間理さんに「俺が一緒に帰ったる!」

と笑いながら言う。


風間理さんは大声で「結構です!」

と言い走って帰る。


その姿を見て小豆洗いは

「何か青春だなぁ」と意味不明な言葉を

いいながら小豆を持ちザルの中でざらざらと擦りながら帰って行く。



私は家に着くと今回の出来事を報告書に

まとめ(AYAKASHI)にメールを送った。


「しかし今日も疲れたお休み」と

写真に向かって話しかける。


写真には、一人の女性と子供そして柴犬が

写っていた…。








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