四話、給料が良ければ働ける?それだけじゃ無理ですがな!巻
私、鈴木太郎は、何故か私の事を怯えている
風間理さんと休憩をとっていた。
私は、いつものように国営放送のTVを見ながら暖かい缶コーヒーを飲んでいる。
TVでは若い総理大臣が
「困った時には妖怪にやらせりゃ良いよ。」
とニュース特番で語っている。
彼は齢17歳で国会議員になり18歳で
史上最年少の総理大臣となった。
それも少子高齢化が原因である。
政治家になりたいと思う大人は
この世界では少ない。
何故ならこの世界の国会議員は極めて給料が少ないのである。
何故なら税金を納める国民自体が少子高齢化により少なくなり税収も下がる。
必然的に税金で報酬を得ている政治家も
給料等の経費を削減されるのは
仕方ないのである。
なので政治家の平均年収は平均170万円台
なのだ。
そして一番年収が高い職業はAI等の科学技術やロボットの管理と修理が出来る者、つまりエンジニアの年収が高いのである。
平均年収は約2000万~3000万円台で正直
羨ましいと思える。
全ての企業にロボットは欠かせない
殆どの場所にAI搭載ロボットが存在している。
そりゃエンジニアは儲かる職業だと
私はアイドルのように歌って踊る総理大臣をTVで見ながらフッと笑っていた。
ちなみに私の年収は秘密である。
まぁそこそこ貰っているが余っているほどでもない。
人は欲張ってはいけないものだ…
その様にどうでも良いことを考えながら
ボーとしていた。
私がコーヒーを口に運ぶ度に
びくびくとしている風間理さんが
少し不憫に思い声をかける。
鈴木
「風間理さんを取って食べる訳ではないのでそんなに怯えないで下さい。」
鈴木
「私はドラキュラではないですし、もし
ドラキュラでも子供の風間理さんを傷つけませんから…」
風間理
「鈴木さんは私達を傷つけないのは分かっています。」
鈴木
「なら、なんでそんなに怯えているのですか?」
風間理
「鈴木さんの妖気が一度だけ会った葛の葉様に似ていて…」
鈴木
「クズノハ?」
風間理
「私達、妖狐の王(九尾の狐、白狐)様の母です。」
鈴木
「へぇ~そんなに偉い方と似ていると言われて光栄ですね。」
鈴木
「でも私はみて分かる様に男性ですよ。」
鈴木
「母と似ていると言われてもねぇ…」
風間理
「ふふっ、鈴木さんもその様な冗談を言うことがあるのですね。」
鈴木
「私だって生きていますからね。」
鈴木
「冗談の一つ位は言いますよ。」
風間理
「やっぱり鈴木さんは人間と違いますね。」
鈴木
「はぁ?だから私は人間ですよ.!」
風間理
「そうではなくて…鈴木さんは、私達妖怪に対して他の人間とは違って対等に話してくれるので…。」
鈴木
「社会生活に置いて職場の雰囲気が悪ければ働きにくいではないですか?」
鈴木
「残念ながら、古来から偏見や差別は人間が持ち合わせている根深い習性です。」
鈴木
「それに今は2×××年ですよ。」
鈴木
「人間も少しは進歩しないとご先祖様に申し訳ないです。」
その言葉を聞いてクスっと風間理さんが笑い
重い空気だった休憩室の雰囲気が明るくなる。
すると休憩室の扉をノックする音が聞こえる。
どうぞと私がいうと食事を配り終えた
厨房の小豆洗いとのっぺらぼうの(顔梨円夏)さんが休憩に入る。
小豆洗いが私の隣に座ると耳元で
「何か邪魔をしてワリィ。」
とふざけて言ってきたので笑顔で
「えぇ本当に」と返事を返した。
すると顔梨さんが私達に向かって
「男同士で馬鹿言って楽しそうね。」
「風間理さん私達も同じ女子同士お話しましょ。」
と言うと小豆洗いが余計な一言を顔梨さんに
「齢600歳の妖怪が女子って…」
「最早ばばあ、でねぇか!」
と言い
顔梨さんに思い切り肩を殴られていた。
その後、顔梨さんと小豆さんは口論をしていた。
私はそんな事よりも気になっている事がある。
それは、顔梨さんがいつも持ってきている
お弁当をどの様にして食べているのかを
気になって仕方ないのだ。
のっぺらぼうは、基本的に目、鼻、口が無い
妖怪である。
なのにいつも気が付くとお弁当の中身がなくなっている。
神経を顔梨さんに向けていると風間理さんが
「鈴木さん、私、利用者様の移乗が苦手なので今度教えて貰えますか?」
と聞いて来たので良いですよ、と返事をする。
すると、ご馳走様でした!声が聞こえ
顔梨さんはお弁当を食べ終わっていた…。
今日も顔梨さんの謎が解けずにモヤモヤだけが残る。
私はため息をしながら時計をみると
1時になっていた。
休憩も終わりなので風間理さんに声をかけて
ヘルパーステーションがある二階へと向かって行く…。




