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転生しちゃった

私が死ぬ直前の最後の記憶は轢かれそうになった女の子を助けた記憶。


「ようこそお越しになりました。勇敢なる人の子よ」


目が覚めるとよく分からない真っ黒な場所でよく分からない人がが2人立っていた。どっちも神様レベルで美しいぞ!


「もしかして神様だったりします?」


「はい。私は女神〇〇こちらの子は従者の〇〇よろしくお願いしますね」


名前だけ良く聞こえなかったな。でも聞き返すのも気まずいなぁ。でもそんなことよりも、もしやこれって


「転生ってやつなのでは!?」


「はいそのとおりです。幼子のために命を捨てたあなたに褒美を与えようと思いまして」


「今世ではあまり楽しい人生を送れずに早逝されてしまったでしょう。だから来世では平和な世界で楽しい人生を過ごしてください」


な、なんて良い人なんだ!女神か!?女神だ!

それにしても子供は助かって良かったな


「じゃあ早速転生させることとかって出来ませんかね?」


「もう少し話したかったのですがうん、分かりました。では来世では良い人生を」


そして眩い光に包まれて私の意識は無くなった

___________________________________________


「相変わらず性格が悪いですね」


「何のことですか」


女神と名乗った女性は先程浮かべていた慈愛の笑みではなく意地の悪い顔をしていた。


「何がってあの子は子供のために命を犠牲にしましたが結局子供は助からず二人死んだだけじゃないですか」


「私は助かったなんて一言も言っておりません。勝手に勘違いしたあの子がいけないでしょう?」


従者は女神のことを少し非難しているような声色だった。


「あの子が転生する世界は全く平和からは程遠い世界ですよ。それにどうせならあの子をとんでもなく強くさせてあげれば良いのに、もしかして嫌がらせですか?」


「面白そうじゃないですか。今世こそは楽しく暮らすぞって意気込んでるあの子が現実を知った時どのような感情になるのかが、あの子が自分がただの使い捨ての鉄砲玉だと気づいた時自分の人生に何を活用するのかが!」 


捲し立てるように言った彼女の目はドス黒く濁っているように見え、今の彼女は女神というより悪魔の方が近いように思える。


「それに見ず知らずの子供のために命を捨てられたのですから。まぁ結果は死人が一人増えただけですが今度は世界のためにも命を捨ててくれますよ。でも役目を達成する前に死んでしまうのも面白そうですね」


「・・・相変わらず性格が悪いですね」


「嫌いになりましたか?」


「いいえ、そんなことはとっくの昔から分かっていますよ。」


「そうですか。私も自分のことが世界で一番大好きです。」


「好きとは言ってないんですけどねー」


「ではあの子の人生でも見ながら暇を潰しましょう。それが牢獄に囚われた私の数少ない楽しみなのですから。前の子は十年で死んでしまいましたから今回の子は前よりは待ってほしいものですね」

___________________________________________


私が勇者だと言われてから私の日常は変わった。しかも良い方向にじゃない、悪い方向にだ。それまで親しくしてくれた村の人たちもみんな私の機嫌を伺ってくる感じがすごく嫌いだ。しかも私に話しかけてくれる人はほとんどいなくなってしまった。どうせ最初はあんなに持ち上げたのに今になって自爆魔法というのが怖くなってしまったんだろう。恨みを買わないようにしているんだろう。


全く私がムカつく奴と一緒に自爆なんてするわけないでしょ!


というか自爆なんて絶対使わないかんな!


まぁいいさ、取り敢えずうちに帰ろう。


「最近魔獣の出没が多くなってるらしいわよ〜。あっ」


「ゆ、勇者様こんにちは」


私の住んでる家の前で話していたおばさん二人は私を見るなりササーっといなくなってしまった。


あっ、てなんだ!あっ、はひどいだろ流石に!人を腫れ物みたいな扱いしやがって、マジムカつく。


「ただいまー」


「おかえりーってなんだそんな顔して、もしかして今日も腫れ物みたいに扱われたか?」


ガッハッハと笑うこの人は私の家族みたいな人でこの村で唯一私のことを気遣ってくれない人だ。無神経で酒好きな彼の辞書に気遣いなんて言葉は存在していないのだろう。


「うっわ酒くさ!昼間から飲んでるとか、ちゃんと仕事してるの?」


「今日は休みなんです〜休みの日くらい酒に溺れてものいいじゃないですかー、あ、そういえばお前に手紙が来てたぞー」


手紙?もしやラブレター!?いやー照れますなぁそうと決まれば早速開封していきま、しょう!


ふむふむ拝啓ルミナ・スーサイド様、長いし形式的なところは飛ばして重要そうなとこを見よう。




ほーほーほー、まとめるとお前は勇者の素質あるからうちの学校に来て、成長しろと。確かに他のことを極めたら自爆魔法なんて使わないで済む! 私天才か?


「手紙ちょっと貸してみろ」


悩んでいる間にヒョイって取られてしまった。うっ、近くに来るとより酒臭い。


「お前はどうしたいんだ?」


「行く、兄さんはどう思う?」


「俺は反対だな。なんだかんだ言ってはいるけどこれは、お前を逃がさないために学園に来いってことだと思うぜ」


私が勇者から逃げると思っているのか全く舐められたもんだよ。だからと言って別に死ぬ気はないけどね!


「勇者なんてやらないで逃げても良いと思うぞ」


「ううん。行くことにするよ。これは自分の役割だから」


「そうかよ、じゃあさっさと行ってこい。、、、、ちゃんと帰ってくるんだぞ」


「うん!行ってきます!」


そうだ。行くだけじゃなくてちゃんと最後にはここに帰ってこよう。そう誓って私は家を出た。








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