表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/11

プロローグ

 10年前、兄が姿を消した。

兄は、いつも唐突に一人旅に出てはしばらくするとフラッと帰って来ていたので今回も最初は特に気にしていなかったのだ。

 だけど、兄はいつまで経っても戻ってこなかった。

 届いたのは、1通のメッセージと写真だけ。


『ずっと探していたネペンテス島を見つけたぞ! 俺は島へ行くがたとえ帰って来なくても心配はしないで欲しい。10年後にきっとまた出会えるから——お前に、その意思があれば、だがな』


 訳の分からないメッセージだった。

兄は、いつだってよく分からない発言をする人だったが嘘はついたことはないのは弟である僕がよく知っている。

 だから、きっとこのメッセージはいたずらでもなくて、〝本当〟なのだろう。

 僕は、兄を信じることにした。


 両親には、兄は放浪の旅に出たと適当なことを言っておいた。

 兄は、いつも適当だったから、両親もすぐに信じてくれて兄の失踪届などを出すようなことはしなかった。


 そうして家族3人でぼんやりと生きていたけれど、僕が19歳の頃に両親は交通事故で亡くなってしまった。

 

 僕は、とうとう一人になってしまった。

 

 兄もどこに行ったか分からない、両親もいなくなってしまったし、恋人がいるわけでも大親友がいるわけでもなかった。


 だから、早く兄に会いたかった。


 僕は、ただ平凡にこの10年を過ごしてきた。

 

 そうして、時は流れていき兄のメッセージに書かれていた10年後がやってきた——

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ