独壇場
本体から先行してアルカディアについた私達は三手に分かれて行動し始めた。因みに、役割はノアが各地で発生している火災の鎮火と救助、アイリーゼは怪我人の守護とか、私は最前線で魔物を食い止める役割だよ!
んで、最前線に来ましたが…地獄絵図ですね。たくさんの人達が血溜まりの中に突っ伏しているのを見るとかなりの人が犠牲になって食い止めているみたいな感じかな?蘇生…はいけないことはないけど時間がかかる。となると魔物を食い止めたほうが良いか。うまく行けば元凶も駆逐できるかもしれないし。
魔物を駆逐することを選んだフランは、神剣を手にして前線へ征く。この町を、国を守るために。
まずは魔物の攻撃を受けそうな人の間に割り込み、そのまま押し切る。魔物をふっ飛ばし、周りの魔物も巻き込ませて殺す。
これを何度か繰り返す。
現れたのは、救世主?聖女?
いや、これから始まるのは一方的な蹂躙。現れたのは悪魔だ。
神剣を一閃する。延長線上の魔物を全て切り捨てていく。この攻撃がきっかけとなり、先生は彼女の独壇場へと変化する。周りのハンターたちは本能的にここから遠ざかっていく。そうでもしないと、殺られるからだ。
魔物のヘイトが一斉にこっちへ向くが、攻撃は当たらない。いや、当てれない。なんせ、射程に入る前に殺されているから。
遠距離からの魔術?そんな物は存在しないと言わんばかりに相殺されていく。
「『剣神術:無之太刀』神代魔法『地獄火焔嵐』氷結魔法『氷結弾丸』」
広範囲殲滅用の術や魔法を駆使して物凄い速さで魔物を殲滅していく。
周りのハンターは唖然としていた。あまりにも人間離れした動き・技に。
本来、生物はどう極めても魔法は発動するまでに多少のタイムラグが発生する。0.5秒ほど。それに生物の反応速度を加算すると魔法を魔法で相殺することは不可能と言われていた。挑戦したりするものは現れたが、成功するものはいなかった。出来て、広範囲魔法を高密度の魔力で威力を減らすくらい。それが出来たのは稀代の魔法使いハイエルフだった。魔法に長けていると言われているエルフの中の更に魔法に長けているハイエルフでさえ、それしか出来なかったのだ。
しかし、それを成し得た者が目の前に現れた。相手が悪魔だとつゆ知らず、ハンターたちは後にこう語った。
「今までの概念を覆す、英雄が現れた。其の者は、歴史の中で唯一名前だけがわからない英雄として刻まれるだろう」と。
「ふぅ…殲滅完了。」
3分もかからずに500を超える伝説級…Sランク上位から神代級下位…SSランク下位の魔物を殲滅した。普通はできない、神だからこそできる芸当だ。
(そういえば…ルルさんはどこなんだろう?少なくとも最前線にいるべき人のはずなんだけど・・・聞くか。他のハンターに。)
撤退中のハンターの一部に声を掛ける。
「ねぇ、」
「んぁ?何だ、お嬢ちゃん。こんなところにいたら危ないぞ!」
「あ、いや」
「ほら、おじさんと一緒に戻ろうな?」
「…………ルルさんはどこにいるんですか?」
「ん?大英雄ルルか?それならダンジョンの中へ一人で行ったが…。それがどうかしたのか?」
「ありがとうございます。では、助けに行ってきますね。」
「あ、おい、ちょっ待て!」
あのハンターには申し訳ないけど、行かせてもらうよ!ありがとね。
ん?ルルさんって銃で戦ってるでしょ?つまり後衛…。
あれ?ルルさん結構ピンチ?
うい。魔術と魔法が出てきたと思いますが、魔物が使う魔法を魔術と呼称しているだけであって、本質は変わりません。ややこしいですね。




