旅へ
「んぅ…ここは?」
起きると知らない天井だった。
「フラン!よかった…おーい!フランが目を覚ましたぞ!」
ルルが誰かに呼びかけるとダダダという誰かが走ってくる音が聞こえた。
「お姉ちゃん!」
「うわっ!」
走ってきたノアに抱きつかれ、そのままの勢いでベットに倒れた。
「お姉ちゃん!良かった!目を覚ました!邪神の気配がなくなって、帰ってこなかったから探しに行ったら、たくさんの血を流して倒れていたんだから!死んじゃったかと思ったんだよ!」
「ごめんね。心配かけたね。」
「はぁ、あんな勇ましい後ろ姿を見せていたんだから帰って来る責任があるだろうに…。」
「え〜と、すみません。」
「まぁ、謝る立場じゃないよ。なんせ、大陸最強の私ですら手が出せなかった化け物を倒したんだからな!」
(大陸最強って自分で言っちゃうのかい!まぁ、事実だけどさ。)
「それに、フランが最高神だって?」
「ああ、それに関しては他言無用でお願いします。」
「…わかった。この秘密は墓まで持っていこう。」
そして、私はノアを撫でようと右手を動かそうとした。が―――。
「右手が、動かない?」
私の手が黒く、侵食されていた。おそらく、神剣を使った反動だろう。神気をかすかに感じるからね。最高神の魔力量ですら扱えるかグレーの魔力消費量に、超再生を凌ぐ侵食。切り札にするしかないね。
「その手なんだが、医者でもわからないものだったらしい。」
「ああ、これは武器の反動ですよ。すべてを滅ぼす、剣の。」
「そうやって治すんだ?」
「わかりません。」
「そうだ、フランが血を流した箇所に物凄い大きな木や草が生えていたし、血に触れたモンスターや動物は、sssランクダンジョンにしかいないとされる不死狼や神毒狼が現れていた。もしかしたら、ポーションにフランの血を入れれば治るかもしれない。」
なにそれ、嫌なんだけど。というか、勝手に人の血で実験しないでくれる?でも、背に腹は代えられぬか。
「わかりました。その作戦で行きましょう。」
「ノアくん!血入りポーションの準備を!」
「はーい!」
そして、ポーションをかけた。が、治らなかった。
「なぜ…?」
(もしかしたら…)
フランは自分の手を斬った。他の人から見たらトチ狂ったようにしか見えないだろう。だが、考えがあった。
(神気に侵されているところを斬って、ポーションをかければ新品の腕が再生するんじゃない?)
「何をしている!ノア!フランを止めろ!」
「来なくていい!ルルさん、ポーションを。」
「お、おう!」
そしてポーションを腕にかけ、飲み干した。すると―――。
「腕が、再生していく?」
「元通りになりましたね。」
「よくこんなことが思いついたな。」
「少し痛かったですけどね。そういえば、邪神は?」
「塵になって消滅した。完全討伐ってことだな。どういう武器を使ったんだ?聖剣か?古代秘宝か?」
「それは言えません。私でも使えば死にかけになる、兵器と言ってもいいものですから。」
「となると、神剣あたりか?存在が確認されているのは、『深淵』『地獄』『知恵』『神炎』だが場所がわかっている…。名前だけがとく確認されているものだと、『核融合』『終焉』『破滅』だな。伝説では、『核融合』『終焉』は神の手によって破壊されたとなっていて、『破滅』は封印されていた…。いや、剣神が持っていたはずだ。」
(え?封印されていたの?神剣って。)
「まぁ、詮索はせん。このあとは何をするんだ?ここで過ごすのか?」
「…旅に行こうと思います。」
「…そうか。達者でな。」
「ルルさんもお元気で。」
そして私達は数秒で準備をして、旅に出た。
因みに、ノアは私が昏睡していたとき私の勇姿を吹聴してまわり、私と邪神の戦いの被害が出たところを最短で直せる技術と知識を教えたり、変異したモンスターの特徴や攻撃パターンを教えていたみたい。
これが、私達の二つ名のできた経緯。そして、旅への興味が出た出来事。次は、王都に行こうかな?




