act.6 高校の美術室は未国埜亜空間?
数日後。金女は渾然に呼ばれ、ある学校に来ていた。
麹華苑高校・校門前。
「よっ!」
「あっ、渾然さん。高校に用って…。」
「会わせたい人が居るんだ。」
学校の授業が終わり、これから部活が始まる時間だ。
渾然はまるで我が家の様に普通に高校の廊下を歩いて行く。
「渾然さんって学校の先生だったんスか?」
「に見えるか?嬉しいな。」
「見えませんけど。」
「お前なぁ…。」
渾然は美術室の前で足を止めた。
引き戸を開ける。
中に居た女性がこちらに振り向き駆け寄って来た。
「オオ!我がダビデよ!よく来たね♪」
その金髪ロングソバージュの女性が渾然に抱きついた。
「久しぶりだな。」
「う〜ん♥︎4日ぶりなのに久しぶりと思うって事は私が恋しかったのね♥︎」
「あたり!」
「嬉しい‼︎」
「会わせたい人って渾然さんの彼女さんですか?」
「そう見える?」
「はい。」
女性は満遍の笑みでこちらを見た。
彼女も渾然も、否定も肯定もしなかった。
「彼女はニ刻館 綺蝶。この高校の美術の先生だ。…そして欲、お前と同じくこの地球を守るため一緒に戦ってくれる同士。」
「よろしくね!欲くん。」
金女は驚いた顔をしたが目の前に差し出された手を握り握手した。
「よろしくお願いします。」
「お前が今、何を考えているか当ててやろうか。こんなスタイルの良い美人さんも仲間なのか。だろ?」
渾然が金女に言う。
「えっ⁉︎何んで分かるんスか?」
「俺がお前だったらそう思うから。」
「へ〜ぇ。」
「とか何んとか言って、渾然がそう思ったんでしょ?」
綺蝶が言って来た。
「そうでした〜‼︎」
「じゃあ!今日こそ私の石膏像のモデルになってくれるのね♥︎」
「いや、それで来たんじゃない!こいつを」
「も〜、のらりくらりと逃げるんだから〜!」
「じゃあ、特訓の後にこの金女欲くんをモデルにしたらいい。」
綺蝶は金女に向き直り
「それもいいわねぇ!貴方なら私のダビデになれそう‼︎」
「彼女は石膏像造形家だ。ダビデ像の様な素晴らしい石膏像をこの世に残すのが彼女の夢なんだよ‼︎なってやってくれ!」
「えっ⁉︎」
「お願いだ!」
綺蝶は金女に顔を寄せた。上目遣いが可愛すぎる‼︎
「……俺で良ければ……。」
「やったぁ‼︎じゃっ!特訓頑張って来てね♥︎」
「は〜い♥︎」
「で!特訓って?」
『時と場所を超えよ・未国埜亜空間!出現‼︎』
美術室の中にある資料室の戸が青く光った!
渾然はその戸を開け、中へと誘う。
中へ足を踏み入れる金女と渾然。
そこはだだっ広い草原の様だった。
「今日からここで特訓してもらうぞ!欲!」
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