act.3 決めた‼︎
何んだか知んねーけどさぁ、怖いのはごめんだぜ…。あ〜あ…何言ってくれてんの…。
渾然さんに言われた後、あの男の子にも言われた。
あの男の子の名前は紫咲と言う。
『欲さん!僕達と一緒に戦って下さい‼︎』
圧が凄い。
オレの両手を包むように握り迫って来る。
渾然さんが言うには、要は運も素質だ。
『あの壊滅状態にあった場面で生き残った。欲。お前には大切な家族が居る。それも知った上でお願いする。この地球、いや日本、お前の家族の居るこの国を守ってくれ‼︎』
「嫌なら嫌って言った方がいいよ。この男達に根負けしてムリやり戦って死にました。じゃ、私達も寝覚めが悪い。」
部屋に濃い紫髪のロングヘアーをツインテールにした女の子が入って来て言った。
ツインテールは腰まである。歳は16~18ぐらい?
その女の子をじーっと見つめる金女。
「…。おい。聞こえてるのか?」
女の子は言った。
金女はソファーから立ち上がって女の子に近付いた。
「まつげ長。」
女の子は眉間にしわを寄せた。
「決めた‼︎オレこの仕事やるぜ!地球を守りオレはスーパーヒーローになり、酒池肉林の限りを尽くし、女も金も全てのものを手にするのだ〜〜〜‼︎ハーレムも夢じゃない‼︎」
女の子は唖然としていた。
「あんたってさぁ…」
「?」
「名前通りの男みたいだね。」
「…。確かに‼︎」
「何、今気付いたみたいな顔してんの。」
「…今、気付きました。」
『…。』
2人は沈黙した。
「お取り込み中、失礼さん。おれ、覚心。」
オレンジの髪は少し襟足が長く、チャラそうな見た目の男が部屋に入って来た。歳はパッと見、オレより下?20代中頃だろうか?
覚心は金女の目の前に右手を差し出し、握手を求めて来たので、応じた。
「今の聴いてたよ。いいねぇ!君みたいなのを求めてたのよ、ウチは!歓迎するよ!ありがとう。」
金女は照れ臭そうに周りを見た。
隣の部屋に行っていた渾然さんも紫咲もこの部屋に入って来て拍手している。
「あっ、いや、ど〜もど〜も…。」
「やるって決めたからにはとことんやるのよ‼︎中途半端な奴はすぐ死ぬからね!」
女の子が言った。
「はいっ‼︎」
「良い返事ね!私の名前は女郎丸 百合。よろしくね!」
「よろしくお願いします‼︎」
百合と金女はガッシリ握手した。