act.2 インビテーション
金女が目を覚ました。
「わっ!目を覚ましましたよ!渾然さん!」
ここはどこだ…
ん…?
オレは…生きてる。
金の目に睨まれて…海に…
そうだ!海に落ちたんだ‼︎
15.6の男の子がこちらを覗き込んでいた。その男の子に渾然と呼ばれた男がこちらに近づいて来た。
どうやらここは、どこかの部屋の中の様で、オレはソファーの上に寝かされていた。
「大丈夫か?」
「…。」
「渾然さんが助けてくれたんですよ!よかったですね!実は、あの中で助かったのは貴方だけでした。海に落ちたのが不幸中の幸いだったみたいですね。」
翌日。
金女は渾然とベランダで話していた。
渾然は燻銀のトーチライターで煙草に火を点けた。
「お前、家族は?」
「居ますけど、田舎に。」
「…。そうか。」
「親父はUターンして、実家の家業を継いだんス。オレは東京に残って今の職に就きました。だから今は離れてるんスけど、田舎に姉の家族と3世帯で暮らしてます。」
渾然は煙草の煙をフーッと吐いて空を見上げる。
それを見つめる金女。
間。
煙草の火を消し、下を向いていた渾然が金女に向き直った。
「欲、お前を俺等の仲間にしたい。俺達と一緒に地球を守る仕事をして欲しい!」