side-J・公園の激闘再び
トン! トン! トントントントントン!!
バキ!! ドゴ!! ゴガ!! グギャ!!
「うわぁ……………」
けっこうひどい状況に、少しばかり声が出てしまった……
バリバリバリバリバリ!!!!! トン! トン!! トトン!!
ガラガラ!! ゴドン!!
ドローンからの電撃から逃れようと暴れるナイトゴーレムに対して銀河さんが手に持っている小型の――バズーカ砲――かな? で、容赦ない砲撃の嵐!!
……てか、本当にバズーカ砲? かなり砲撃音が小さいし、連発もしている――!!
「な、何発入っているんだ? あの小型バズーカ……?」
「……実弾砲じゃないのか!? ……もしかして――自衛隊の秘密兵器とか!?」
「エネルギー弾を発射しとるんやないか? てか、わいのこの電撃止めてくれや~~!!」
「うわ、何あの武器!? 魔力を感じないのにあの威力!!」
「強~~い♪ あのかっこいい人、この世界の勇者かな? それとも魔王?」
謎の少女二人も地面に降りて見学に回っている――
「それで……? 君たち二人は、我々の敵なのですか? 味方なのですか?」
ドローンからの電撃でナイトゴーレムと――ヤッタルデーが動けないからだろう。
バリアを解除した超常自衛隊の一人が、少女たち二人に問いかける――
「……あなた方の言う敵とは?」
少女たちの片方――確か……アニスって名乗っていた方の少女が、そう聞き返す――
バチバチバチ!!
超常自衛隊の人が持つ――さっきはバリアに使っていたツールから、派手な音と共に電撃を発生させる!!
「この電撃を使って拘束していいのが我々の敵だ」
「ちょ、ちょっとそれってかなりやばいやつじゃない!? ヤダヤダ!!」
「はいは~~い! レイナちゃんたちは敵じゃありません!!」
なんか調子のいい少女たち……
「わ、わいも敵やない!! 敵やないで~~!!」
ヤッタルデーの悲痛な叫びは誰にも届かないようだった――
「ぎゃああ!!」
情けない悲鳴を上げて容赦なく体を削られていくナイトゴーレム――やがて……………
ドゴン!!
大きな穴がナイトゴーレムの腹部に出来上がる!!
「………それが――中心、か……?」
「何っ!?」
「ぐげ!?」
「「「「「……………?」」」」」
その部分だけが光り輝いているとか、何かしら変わったものがあるとかじゃない。
だが、明らかにノーヴェル・マシーとナイトゴーレムが動揺する――
「あ……や、やめ……っ!!」
トン……! バキンッ!
七瀬さんがそこにバズーカの一撃を食らわせると――!!
ドサドサドサドサ!! ガゴン!!
大きな音を立てて、ナイトゴーレムは完全に崩れ落ちた!!
「くっ!!」
バラバラバラバラバラ―――――
バリバリ!!
ナイトゴーレムを拘束していたドローンは、その攻撃目標をゴージャスな不審者・ノーヴェル・マシーに変更する。
「くっ……余に対してこのような行いをするとは……そなた、奥ゆかしいと噂される日本人の中では異質な存在のようだな」
「それはどうも。だが、その日本人を幾人も異世界へ連れ去ったと噂されるゴージャスな不審者相手に奥ゆかしい、なんて真似はできないのでね」
デカブツだったナイトゴーレムの動きを封じていた時とは違いパワーを減らしてはいるものの、それでも強力な電撃がノーヴェル・マシーを拘束する!!
チャキ――
そして七瀬さんは小型バズーカ砲をノーヴェル・マシーに向ける!!
「さて、答えてもらおうか? ノーヴェル・マシーとやら……お前は一体何者で、何の目的があって何人もの日本人を誘拐した? そして、誘拐した日本人はどこにいる?」
「余に問いかけをするとは威厳高な日本人だな。名は何と申す?」
「……お前のような訳のわからないヤツに名乗り必要性はないな。ま、特佐、とでも呼んでくれればいい。それが僕の役職だ」
七瀬さんはバズーカ砲をノーヴェル・マシーにつきつけたまま一切目をそらさずに言い切る――
「特佐か――か……特佐殿……異世界――ダンジョン大陸に興味はないかな?」
「ないな。僕の興味はお前が異世界に連れ去った人々をどうやったら日本に戻せるか、だ」
「それは残念。ところでこのバチバチを与えてくれているあの空飛ぶ武器は何なのかね?」
「そんな事を聞いてどうする?」
「いやあ、少し興味があってね、余の物にしようと思う――“心を持て”!!」
「――――っ!?」
ノーヴェル・マシーの言葉に七瀬さんはドローンへ視線を変える!!
バリバリバ―――――
突如、ドローンからの電撃が止まり、そして!!
「ちっ!!」
ガチャン!!
七瀬さんはバズーカ砲から取っ手の小さな部分だけを取り外すと大半はその場に投げ捨てる!!
「バリア!!」
バリバリバリバリバリ!!
七瀬さんがバズーカ砲から取り外したツールでバリアを展開した直後、ドローンから七瀬さんに向かって電撃が放たれる!! しかも、ナイトゴーレムに対してはなったような高威力で!!
「え? 何が起こった!?」
「ウィル・システムで制御されているドローンが暴走するなんて!?」
超常自衛隊の人たちが驚愕の声をあげる――!!
ドローンは七瀬さんへの電撃を止めるとノーヴェル・マシーのそばに移動する――
「助かった! で、余のうけたそなたはなんだ?」
「はい、マスター様! 自分は超常自衛隊所属のドローンです! ウィル・システムよる制御を受けて超常自衛隊の特佐・ギンガ・ナナセの意思による作戦行動を取っています!」
ノーヴェル・マシーの問いにドローンが応える――
「え? あのドローン、今しゃべらなかったか!?」
「いや、今更だろ? ファロ……お前もヤッタルデーもペチャクチャしゃべりまくっているだろうが……」
「……そうだね……」
「さっきのは……ドローンを乗っ取るための魔法かなにかか?」
「おやおや? しっかりと見定めていたのか! ダンジョンコアによる心転移は高位魔族でも確認することは難しいというのに」
「七瀬銀河は、そういう特殊能力を持って超常自衛隊で確固たる地位まで上りつめたんですよ。正に貴方が望む主人公属性を持った人材、というわけですね!」
「ほうほう!」
ドローンから出た言葉に感心したような表情で七瀬さんを見るノーヴェル・マシー――
「おしい人材だな! ナナセ・ギンガ!!」
仰々しくポーズを取るノーヴェル・マシー。ドローンがその部下のような位置に移動する――
「ダンジョン大陸へ共に来ないか? 余が導いた他の日本人たちもその大陸にいるぞ?」
「……悪いな。ダンジョン大陸とやらに行ってJapanese Questなんてチンタラするつもりはない――お前をひっ捕えてさらわれた人たちを直接助け出すほうが効率がいい!!」
そう言ってバリアを解除する銀河さん!!
「――!! マスター様の邪魔させませんよ!!」
バチバチバチ!!
ノーヴェル・マシーの側についたドローンが再び七瀬さんに向かって電撃を放とうとする!!
「ウイップ――っ!」
シャリン!
七瀬さんの言葉と共に、先程バリアを展開していたツールから長い鞭のような光が出現し、電撃をケチらす!! そして――!!
ピト――
その鞭の先端がドローンに触れた瞬間――
「コード049――自爆――!」
「え? ええ――っ!!」
ドオン!!
七瀬さんの一言で、ドローンが爆発する!!
「あ……もったいないな~~」
ノーヴェル・マシーがそう言う――
「よくわからない不審者に兵器を奪われるわけにはいかないんでね」
スタン!
そう言った七瀬さん――しかし、爆風に煽られて後に数歩下がってしまう!!
「仕方ない、今回は何の成果もなく引き上げねばならんか……“扉よ”!」
バンッ!!
「あれは?!」
「異世界への扉!?」
ノーヴェル・マシーが出現させたのは現れた時と同じピンク色の扉――!!
ゴゴゴ……バアン!!
大地が行方不明になった時の動画で見たのと同じでその向こうは見たことがない風景だ――
「日本の若人たち、特にギンガ・ナナセやシンイチ・カミシロよ!! 余はいつでもそなたたちを歓迎する!! 興味があるならいつでも扉をたたくがよい!!」
朗々とそう宣言すると、ノーヴェル・マシーは扉の中へ入っていこうとする――
バシュン!!
「え? あ……?!」
突然、ピンク色の扉が消滅する!!
ヒラリ……
扉のあった場所にあるのは一枚の翼……?
「“レイナちゃんの翼よ、こちらへ”~~♪」
ピュンっ!
その翼は、かわいらしい言葉に従うように一人の少女の元へ飛んでいく。
「レイナガルデ!!」
「ありがとう♪ お・じ・さ・ま♪ 異界扉の魔法、もらっちゃうね♪」
その少女――レイナはその羽を嬉しそうに掲げ、頬擦りする。
「いや~~、最初この世界に来るときはおじ様の魔法の残滓を解析して、異界扉を開いたからすっごく苦労したんだ」
翼が光となり、レイナの口に入る――
「でもこれでレイナちゃんにも異界扉の魔法が使い放題♪」
「悪い子ね」
嬉しそうに微笑むレイナに、アニスが呆れたように言う。
「まったくお転婆な……――レイナガルデよ! そなたの本ができたら余の元へ持って来い! 余や娘が第一の読者となろう!!」
少し悔しそうに……だが少し喜色がまざった表情で、そう宣言するノーヴェル・マシー――そこへ――
「ブレードっ!」
ヴァン――ズバッ!!
ツールから光の刃を出現させた七瀬さんの一撃が入る!!




