高嶺に咲く花の君へ
君は高嶺の花だ。
そんなの、分かってる。
分かっていた。
けど、君が偶然に僕のことを見つけてくれて。
君が僕に話しかけるようになって。
僕は、勘違いをするようになっていた。
君は、僕の隣に咲いてるんだって。
けど、違った。
君にはたくさんの人望があって。
君にはたくさんの仲間がいて。
君の周りには常に誰かがたくさんいて。
君の周りを誰かが囲んでいて。
僕なんかじゃ、近寄れない。
君はやっぱり、僕にとっての高嶺の花で。
僕の隣に咲いてくれたのは、風の悪戯で。
…幻で。
今日も君は皆に囲まれてる。
たくさんの花々に囲まれる君。
僕は、それを遠くで眺める。
近くで話していた時も楽しかった。
まあでも、これくらいの距離から君を見ているくらいが僕には良いくらいだ。
…そうだね、本音を言うと。
もう少し、君と話したかったかな?
美しい君の傍に…もっと居たかったな。
遠くから君を見つめながら。
僕は、君との僅かな思い出に浸る。
高嶺の花が傍に咲いていた時の、こころ踊る記憶を───
作品を書いてはみたものの、感想返信のほうができそうにないので、申し訳ないですが感想欄を閉じさせていただきます。
あなた様の刹那の時を下さり、ありがとうございました。
多田氷雨。