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紡ぎ唄のように - Spinnerlied genannt -  作者: 久郎太
第二幕:華麗なる式典
12/45

12.即位式典

 豪華絢爛とはこのことを指すのであろう。


 白と金と赤の洪水のような皇帝の間にそれぞれに着飾り極彩色の色とともに人があふれていた。

 その中心に居るのは新たに皇帝位につく若き皇太子。

 年老いた現皇帝は、その頭から帝位の証をすでに下ろしていた。 


 即位の儀を取り仕切る、この帝国で唯一信仰されている宗教の最高位の大神官の声がその場に朗々と響きわたる。

 古の祭典の儀式にのっとって粛々と進められていく。


 大神官はその類稀なる低く柔らかな美声を持って、古から伝わる経典を読み上げた。




 古より伝わる、戒めの唄


 この地に住まうものよ心して聞き給え



 祖は何処より舞い降りてこの地を創造した


 この地を完成させた祖は、おのが血を半分残して何処へか旅立った


 その力は、技と思い


 技が器を作り、思いがそれに力を与える


 いつの技と、いつの思い


 やがてその地を得んとして罪を犯した者達がいた


 奴らは祖の怒りを買い罰を受ける


 この地の果てに封じられ彼らに監視され隔離された


 おろかな奴らの為に一度、終焉をむかえた地


 この地をかろうじて支えた偉大なる血族


 自らの意思で、央と四方に身を据えて今なおこの地を守りし聖なる血族


 その技と思いで奴らを封じる彼らの守護を乞う


 この地を統べる者よ忘れることなかれ


 この地を真に守ることが適うのは、かの血族のみ


 汝の役目は民を治め、かの血族を守護すること也





 反響していた、大神官の声がゆっくりとおさまる。

 それを待って彼は即位の儀式を補佐をしていた神官長の一人が捧げ持つ赤絹の上に載せられた皇帝の証を手に取った。

 と、同時に若き皇太子は大神官の前で膝を折りこうべを垂れた。

 大神官は、皇太子の頂きに慎重に皇帝の証を載せた。

 その瞬間、皇帝の間は割れんばかりの拍手が沸き起こった。


 新しき、若き皇帝が誕生した瞬間だった。

 

 若き皇帝が片手をあげると拍手は、ぴたりと止まった。

 それと同時に、二人の若者が皇帝の前に進み出てその膝を折った。


 ヴァイスシュバルツ


 容姿も装いも対照的だった。


 光を体現したかのような白い祭典用の鎧を身にまとった、淡く輝く白金の髪の白き若者。

 闇を体現したかのように黒い祭典用の鎧を身にまとった、冷やかな鋼鉄のような鉄色の髪の若者。

 

 彼らは、これから内と外から皇帝を守護する皇帝だけの剣と盾

 


 皇帝を生涯唯一の主として剣を捧げる忠誠の儀が始まろうとしていた。
















第二幕 開幕ですw

この12話は、そのプロローグ的なものなので誰の視点でもなく文章もとっても短いです(汗

この第二幕は場面的に、彼の出番が大で彼女の出番は小です……(滝汗

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