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装備の確認

僕の村ではこれというものはない漁村だ、メルの街に行く街道から徒歩で3日離れたところにある。

街道からも離れ、メルの街も海に接しているため、わざわざ僕の村による旅人はほとんどいない、たまに来る行商人が村人の娯楽の一つだ。


裕福ではなかった村だけど、子どもも多くみんなで助け合う活気の村だった。

ある時、海が真っ赤に染まり、一人の男が海の上を歩いてきた。

男の黒い肩まである髪に、牛の角が生えた頭部、どこかの執事を思わせる服装

指からは長く伸びた爪が見えた、あれは悪魔だ。


本能的悪魔だと感じ取り僕は恐怖した。

村人も同じように恐怖し、逃げる村人、腰を抜かし崩れ落ちる村人。

それを、あざ笑うかのように背を向けた逃げ出した者を見えない何かが切り刻む。


身体をバラバラにされ絶命する村人を見て、恐怖し、また新たに逃げる、そしてバラバラにされる。

悪循環が開始され、まるで地獄絵図だ。

僕はただ座り込んでしまい身動きが取れない。


悪魔の目が僕を捉える。

その時、悪魔と僕の前に来たのは僕の父だ。

大柄な父はその手に巨大な大剣を握り、悪魔に構える。

「大丈夫か? 今すぐ助けてやる。」

僕の父はかつて冒険者だった。


悪魔に切りかかり、波打ち際まできた悪魔に切りかかる

悪魔は両手の爪で受け止め、父の連続剣でどんどん悪魔を押し返し、

滞在していた他の冒険者も加わり、形勢逆転かと思われた。


父は腰まで海につかり、他の冒険者も海につかって、悪魔を追い詰めている。

「飽きましたね」

確かに悪魔がそういうと、父以外の冒険者が四肢を失い血しぶきと共に海に崩れ落ちる。

父も右腕を肘から先を斬り落とされ、辛うじて左手で大剣を持っている。

「逃げろ!」

父の叫びにも似た声で一目散に逃げだした。


そこからの事はあまり覚えていない、走って、走って気が付いたらメルの街にいた

どうやって街に入ったのかも分からない。


アリアは少年の身なりをいちべした。

服は所々汚れてはいるが、漁村の子どもにしては、革製の靴に籠手、胸当て小さな幅広い短剣を腰に下げている。

「んー、なりたての冒険者みたいな格好だね。」

腰に下げている、短剣が目に留まる。

「その短剣見せてくれる?」

「これですか?」

少年は腰の短剣をアリアに差し出した。


「アリアどうしたんだ?」

「これ、付与魔術ついるわね」

よくゲームとかにある、武具に魔法がついてるあれか?

「あれ?これもなんか付いてるって言ってたよね?」

俺は腰にあるロングソードを見る。

「ああ、詳しく鑑定しないと分からないけど、それもかかってるね」

アリアは短剣を手に取りながらこちらを振り返る。

「でも、行くなら、準備しないとね」

「急いだ方がいいじゃないか?」

救援を求めているなら急いだ方がいいのではないのだろうか?


「村の場所も分からないし、話しでは3日かかるのよ?準備しないと」

「確かに・・・でも俺金もってないぞ?」

得意げにアリアは革袋を見せる。

「大丈夫、この前の報酬受け取ったから。」

そんな俺たちの会話に割ってはいる。

「あの、助けに行ってくれるんですか?」

少年がアリアを見上げる。


アリアは短剣を我が物顔でクルクル回しながら得意げな表情で言う。

「助けてほしいんでしょ?、私こう見えても結構上のランク冒険者なのよ?」

「あ、でもそんなにお金持ってないです。」

みるみる不安な表情になってく。


回転していた短剣をピシッと止め、少年に返す。

「お金はそれでいいわ、でも一つ追加要求が有るわ、それを受けてくれるなら」

アリアの真剣な眼差しに少年は息を飲む。

「名前教えてくれる?」

少年の顔から不安な表情が消えていく。

「僕はスイ、シール村のスイ」

「私はアリア、よろしくね」


? そこまで強いアリアがなんで、あんなに追い込まれいたんだ?

-----------------------------------------------------------------------------


「ここは武器屋か?」

「そうよ、その剣とかも調整しないとね」

アリアは遺跡で拾った俺の腰の剣を指さす。


店内には数多くの武具が並び、カウンターの奥から、屈強な男が顔をのぞかせる。

年齢は30ぐらいだろうか?

「お、アリアじゃねーか 子ども二人も連れでどうしたんだ?」

アリアは軽く手を振る。

「お前さんの剣直ってるぞ?」

「ありがと、なら借りてたこれ返すね」

アリアは腰に下げていた剣を取り外してオジサンに渡す。

代わりに受け取った剣を鞘から引き抜く。

綺麗な鋼の刀身だ。

「流石ね、あと今日はこの剣と盾を鑑定してほしくて」

俺を指さす。

「この子のか?」

「この子って、艦長多分あなたより年上よ?」

「「え?」」

スイとオジサンは驚きの声をあげる。


アリアと出会ってからの一連の事をアリアが説明していた。

「アリアが契約ねー、しかし、ロイドの奴ら、まだお前を諦めていないのか・・」

オジサンはため息をついて、こちらに向き直る。

「アリアを救ってくれてありがとう。」

オジサンは深々と頭を下げた。

「いや、完全に助けられなくてすまない。」

「いや、契約自体は後から破棄できるし、今のアリアの顔を見れば無理強いされてないのも分かる。」


オジサンは試着室で着替えるアリアを親指で指さす。

「あれが子ども頃、家の裏に迷い込んでいたんだよ」

オジサンは座り込み、話しを続ける。

「どうも、両親は殺されたみたいでな、まぁ、それ以降ここで面倒見てたんだよ」

「そうなんですか」

アリアの過去がどんなものだったのか分からない。

「契約解除の魔道具は教会管理だから、後で借りておこう。」

「教会?」

さっきこの武器屋の周辺に少し大きな建物があった、あれか?

「アリアはこの東地区の教会や商店に面倒見てもらっていたし、アリアの収入も教会の孤児院に入れてるから、貸してくれるだろうよ」

「アリアは村っと言っていたけど?」

そうだアリアはここを村と言っていた。

「ああ、東地区はネルの外壁の外にできた農村で当時はネルとは違う村だったんだよ」

オジサンは机から地図を出す。

ネルの街の外壁から離れた場所に「バドゥ」と記載される。


「なんの話しをしているの?」

アリアが試着室から出てきた。

「いや、たいしたことじゃない」


オジサンはアリアから返してもらった剣を見る。

「ここまで、ボロボロとは」

そのまま、後ろの樽の中に入れる。

「で鑑定してほしいのはどれだ?」

「艦長その剣渡してあげて」

俺は腰の剣をテーブルに置くと、オジサンはルーペで鑑定を始める。



少し「うーん、うーん」と言いながら剣と盾を見ている。

"ふぅ"と一息つくと、オジサンはルーペで俺の剣見ていたが顔をあげる。

「随分古いな、剣自体には古いただの鋼の剣だな」


テーブルの上に置かれた剣の柄にある赤い宝石を指をさす。

「ただ、この魔石は古すぎて完全には分からないな、持ち主の要望に合わせた形状変化、スピードは遅いが完全な修復機能があるな」

盾を手に取り、説明してくれる。

「こっちもかなり古いから詳細は分からないが、鋼に直接、魔力拡散の付与というころか、鋼に付与魔術とはレアだが、何分古くて、大半が失われているな。」


「剣の完全修復はレアね一つの魔石に二つか、すごいね」

「魔石一つに一つの付与、金属に付与は今の技術では完全に再現はできないな。」

オジサンが説明してくれる。

「金属に付与されたものを力を取り戻す事は出来るぞ。」


「あ、これ、取り外せる?!」

アリアは何かに気が付いたのかテーブルの上の剣の赤い魔石を引っ張るが、びくともしない。

「あれ、結構固いわね、はずれない。」

「貸してみな」

オジサンがアリアと同じようにテーブルの上の剣の赤い魔石を引っ張るが、やっぱり外れない。

俺は同じように魔石に手を伸ばすとパキンっという音と共に簡単に外れた。

「え?」

パチクリするアリア。

「すげーな、艦長さん」

「いや、なんの抵抗もなかったから」


あれ、イメージが頭にくる。

俺は手を額にあてていたが、アリアも同じ様に手を当てている。


「これなに? 投擲陣と同じイメージ? 鍵?」

「これは、この前手に入れた鍵か」

「どうした、お前達?」

どうやら体に取り込まれた鍵が主張しているのか?

次使えるまで、3時間ってことか。

休憩すればもっと早いのか。

まるで鍵自体が説明しているみたいだ。


「これって私にも使えるのね」

アリアが額から手を離し顔を上げる。

「私にも次の使用回数が分かるわね。」

アリアが手の平から、小さな鍵が顕現する。

「あと一回使えるわね」

「俺と違うんだな?」

俺はすぐ使えないのだが、アリアは違うらしい。

「相性の問題かしらね」

アリアは手を握り、鍵は光の粒子となり消えていく。


俺の手からオジサンが赤い宝石を取る。

「ま、外せても詳細は分からないな」

赤い宝石を再びロングソードに、はめ込もうとする。

「あ、待って」


「スイ、また短剣貸してくれる?」

アリアはスイから短剣を取ると短剣の柄にある青い宝石の横に赤い宝石をはめ込んだ。

「なんだ、これもレアな短剣だな」

机の上のロングソードが淡い光がこぼれ、拾った時の形状に戻った。

「あ、戻った」

「魔力の源の魔石が他の者に移ったからね」

「これだけの短剣だと、盗難防止付けた方がいいな」

オジサンは短剣を机の上に置くと、立ち上がり振り返ると棚の後ろをあさっている。

「あった、これだな」

白い石がテーブルに転がる。


「で、この剣と、盾の買取でいいのか?」

「うん、流石良く分かってるわね」

アリアは頷いてる。

「いくらになるかな?」

「艦長さんの武器はいらないのか?」

「ん?、おれには、これがあるからな、腰にある銃を見せる。」

オジサンは首を傾げる。

「それはなんだ」

「んー、小型の石弓みたいなもんだよ」

アリアには道中で魔獣に襲われた時に一度見せている。


「変わった石弓だな、っと二つで金貨4枚だな」

「5枚!」

アリアが指を立てて交渉をする。

「おいおい、それは流石に・・・」

オジサンはスイと俺の身体を凝視する。

「金貨1枚と銀貨3枚で、今買い取った剣と盾を鎧に作り直す、でどうだ?」

「あら、斜め上の提案ね」

軽いため息が聞こえた。

「お前さんには勝てないから、いいさ、余った金属でも金貨1~2枚の価値はある。」


再びスイと俺たちを観察している。

「ハードレザーに金属プレートを張り付けるぐらいだけどな」

「あ、一人分でいいわ、艦長は、鎧を着ないから」


アリアが提案する。

確かにこの白い教官のコートとワイシャツ、ズボンにはシルクが付加している。

教官のコートにおいては、その辺の鎧より強度がある。


耐切創には優秀 魔法にも優秀しかし、この小型熱線銃や打撃には、ほぼ耐性がない。

「なら、もう少し豪華にできるな、出来上がるまで、1週間ぐらいかかるかな」

「それでいいわ、これも貰えるのよね?」

アリアが白い石を手に取る。

オジサンはそれをアリアの手から取り、スイの短剣にはめ込む。

「ああ、これは盗難防止の魔石だよ」

「この短剣3つの穴が空いているからね」


オジサンはスイの短剣に魔石を、はめ込んでいく。

スイの短剣には左から赤、青、白の魔石がはまっている。

「これは、よくある魔石だから、そんなに価値はないね」

「だな、白いのが銀貨5枚、赤が金貨20枚、青は買い取れないな」

オジサンはスイに返す。

「この青いのは、お前さんと契約している召喚獣だろ?」

「召喚獣?」

スイは短剣を見ながら首を傾げる。

「分からない、お父さんがくれたものだから」

「そうなのか?」

「でも契約の繋がりはスイ君ね」

召喚獣としてのアリアには分かるのかもしれない。

---------------------------------------------------------

店をでて装備を確認する。


アリアは白を主体とした青いラインのワンピース

召喚での投擲陣、レイピア


スイは皮の手袋、靴、胸当て、短剣、(形状変化、盗難防止、不明の召喚石)付


艦長の俺は、教官の服にコート、熱線銃、背中にあるファランクス


「食料もあるし、時間もないし門でアヒルを借りていきましょう。」

「アヒル?」


(艦長、現在位置ノ把握ハ不可能、観測基準点喪失)

俺にしか聞こえていない。

「そうか、シルクへの通信を続けて頼む」

(周囲ノ天体ノ観測ヲ継続シ、帰還後ニ位置情報ヲ、確定デキレバ艦長ハ強運デスネ)

「強運? 不運だろ?」

(ソウデショウカ? 帰還ガ出来レバ、当初ノ仕事ヲ辞メル事ガ、デキマス)

「なるほど任務開始時に直ぐに未開に惑星の発見、考え方次第か、なら、まず目の前問題だな」

(同意見デス)

「どうしたの?」

アリアが振りかる。

「いや、行こう」

門を向けて三人で歩いていく。


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