表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/153

32、万年樹の島 〜祭りの成果、レベル312

 屋敷に戻って、俺達は屋敷の食堂へとやってきた。イカタコ焼きを食べたばかりだから、空腹ではない。それなのに、ミカトが食堂に行こうと言いだした。


「あー、やっぱり届いていたね。編入試験の結果、全員合格だよ。10人の名前が書いてある」


 食堂の掲示板には、新たなお知らせが張り出されていた。そっか、ミカトはこれを見に来たんだ。


 いま、高校はテスト期間中らしい。もうしばらくは、授業がないのか。


「リントとスイトも同じクラスだね。よかった〜」


「俺達3人だけが、Bクラスで、他の7人はAクラスか。俺も二人が同じで安心した」


「あれ? もしかして俺達は劣等生?」


「リンゴくん、そうかもしれないねぇ。コホン」


「ミカト、それって誰かの真似なのか?」


「スイカくん、オリジナルだが、何か?」


「スイト、ミカトが変なことを言うときは、俺が憂鬱そうにしてるときだったりするんだよね」


「あー、なるほど。確かにそうだな。リントを励まそうとしてる感じか」


「うんうん、たまに関係ないときに変なこと言うから、そのときはスルーでいいよ」


「あはは、わかった」


「おい、おぬしら……そんなことより、レベルチェックのお時間ですよ」


 ミカトは、少し照れているようだった。照れ隠しか、また変なことを言い出した。


「そんな時間割なんてあるのか?」


「スイト、スルーだよ、スルー」


「スルーするな〜。みんな見てみろよ。俺、見間違えかもしれないんだ」


 ミカトは腕輪を触って、難しい顔をしている。もしかして、ダンジョン外の魔物だったからレベル上がってないとか? ミカトも腕輪に触れて、眉をひそめていた。


 俺も、そっと腕輪に触れた。ん? んん?




【名前】 青空 林斗 (あおぞら りんと)

【レベル】 312

【種族】 ハーフフェアリー


【体力:HP】 8,050

【魔力:MP】 6,510


【物理攻撃力】 4,530

【物理防御力】 4,080


【魔法攻撃力】 5,850

【魔法防御力】 4,720


【回復魔法力】 1,630

【補助魔法力】 4,080


【速さ】 4,650

【回避】 5,120

【運】 199


【その他】 精霊の使徒 (Lv.1)


【指輪情報】

 ①万年樹……ランク25、第3階層クリア



 ええっ? すんごいことになってる。レベル312? ダンジョンランクも25になってる。でも精霊の使徒、スキル使ったけど上がってないな。


 二人はあまり上がってないのかな。なんだか難しい顔をしてる。どうしよう、俺だけすごく上がったとは言えない。



「なぁ、リント、レベルいくつ?」


「えっと、だいぶ上がってるんだよね。ミカトはイマイチだったのかな……」


「そうか、リントも上がってるか。やはり、失敗だったな」


「スイト、何が失敗なの?」


「俺もそう思う。せっかくのラッキースポットを潰した感じだよね。でも、1階層は、やはり安全な方がいいか」


「ミカトも、何?」


 二人とも難しい顔を崩さない。どうしたんだろう。



「リントは、レベル500くらいいってるだろ?」


「へっ? まさか、俺は312だよ」


「嘘〜、見せてよ」


 ミカトの顔が怖い。俺は腕輪に触れてステイタスを表示した。すると、ミカトが驚いた顔をした。


「ちょ、リント、まじ? なんでこんなに魔力高いんだよ」


「えー? でも初期値は全部100だったし」


「俺の、見る?」


「うん、見る」




【名前】 青空 実香斗 (あおぞら みかと)

【レベル】 268

【種族】 人間


【体力:HP】 30,480

【魔力:MP】 460


【物理攻撃力】 27,320

【物理防御力】 3,320


【魔法攻撃力】 560

【魔法防御力】 2,640


【回復魔法力】 50

【補助魔法力】 50


【速さ】 360

【回避】 510

【運】 20


【その他】 なし


【指輪情報】

 ①万年樹……ランク12、第3階層クリア




「ちょ、ミカト、何? この体力とか物理攻撃力とか。それにレベルも、すんごい上がってる」


「だろ? リントはいつも俺の倍だったのに、ちょっと追いついてきたな。ダンジョンランクは差があるなぁ」



 スイトは、チラッとミカトのステイタスを覗いた。でもスイトって見せないよね。


「スイトも、こんな感じ?」


「俺はレベル301になってた。でも上がり方は個人差があるみたいだな。ミカトほど防御力ないよ。物理攻撃力は3万超えてるけど、レベル差を考えたら同じくらいだと思う」


「ふぅん、そっか」


「しかし、リントの物理攻撃力が上がらないな。スピード特化タイプかもな」


「だよね、リントの物理攻撃力……上がらないね」


 な、何? その可哀想な生き物を見る目は。でも、高校では、たぶん試験があるよね。物理攻撃力、確かに二人に比べても低すぎるから、心配してくれているんだ。



「あっ、そういえば、さっきなぜ難しい顔をしてたの? 二人ともめちゃくちゃ上がって、よかったじゃない」


「これはイカ祭りの恩恵だよ。もうイカ祭りは、ないじゃん」


「あっ……そっか、襲撃されないようにしたんだったね」


「こんなに上がるなら、1階層で泊まり込みしたかった」


「え〜、スイト、死んじゃうよ〜」


「あはは、リントには辛いか。体力差がすごいもんな」


 ミカトは、突然、何かを思い出したらしく、ジッと自分のステイタスを見て、ニマニマした。


「ミカンくん、どうしたのかな」


「俺もタイムトラベルできるじゃん。俺はまだあのスキル使ってなかったけどさ。リントの大冒険を聞いてから、うずうずしてたんだよな」


「そうだな、俺もタイムトラベルできる。学校が始まる前に試しておきたい」


 スイトも、タイムトラベルしたいんだ。俺はどうしようかな。あのリンゴ王国に導かれた理由も、まだよくわかんないんだよね。もう一度行けばわかるのかな?


「じゃあ、明日はタイムトラベルしようよ。戻ってきたら報告会な」


「おう、そうだな。リントも二時間のお試しだけだったんだろ? 今度はゆっくり行けるぜ」


「えっ? 二人とも明日は居ないの?」


「あはは、出た! リントの、ぼっちにしないで病〜。リントは、浮き島に戻るんだろ? その方法を見つけないと」


「うん、だよね」


 でも、浮き島に戻るということは、ミカトやスイトと永遠に別れることになる。人間には、浮き島の妖精は見えないんだから。



 俺達は、部屋に戻った。俺は……どうしようかな。明日、一人でダンジョンに行くか。タイムトラベルするか。


 とりあえず眠ろう。うん、今日は疲れたもんな。また明日考えればいっか。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ