いじめ〜言葉のナイフ〜
教室のドアを開ける・・・
緊張とドキドキ。
初めての中学校生活。
それは悲劇の始まりだった。
笹倉媛菜13歳。今日から中学生。
中学受験をし唯一落ちなかったのがこの学校。
みんなから離れてこの学校に来た。友達は一人もいないと思ってた。
「媛菜?」
「え?」
「媛菜だよね?」
「苺?」
「うん!なんで?引っ越したはずじゃ・・・」。
「うん・・・。」
苺の顔が怖ばった。
「なにかあったの?」
「い。いじめにあったの。」
「えぇ!!」
「だから・・・。ね?」
「うん。それが正解だったと思う。」
苺は(柏原 苺〈かしわばらいちご〉)小4の夏休み急にお父さんの転勤で引っ越した。急に決まったコトだった。みんなにお別れの言葉も言えず、私たちの街をさってしまった。
「お父さんはまだむこうの街で単身赴任にしようって決まったから今はお母さんと檸檬と3人で暮らしてるんだ」
「へぇ。檸檬ちゃん元気?」
「元気過ぎて困る。」
「いいなぁ。妹ほしぃ。」
「媛菜は一人っ子だもんね。」
「いじめには気をつけてね」
「うん。」
「私はいじめなんてあり得ない。いじめなんて屁のカッパ☆」
「あ。クラスが発表されてる!」
「行こうか。」
「あ。あった。」
「何組?」
「D組。」
「私もぉ!やったぁ苺!!」
「うん!」
―――3ヶ月後
「捺華!由美!」この二人は仲良しの子。
苺とはグループが離れてしまった。と言うより、私たちが離していったという方が正しい。
苺が私に言った一言。
『人間としてサイテー。』
ムカツク。いくら苺でもひどい。許せない。
「媛菜。気にすることない。無視してやろう。」
「あ。ありがとう」
――次の日――
「おはよう。きゃあ!」
「ゴメン。遊んでたの。ゴメンね。クスクス」
「いいよ。大丈夫。」
「媛菜!」
「おはよう。捺華。由美。」
「大変。ヤバいかも。。。」
「笹倉さん。」
「はい?」
「あ!姫路さん!おはようございます。」
姫路さんは学校一の金持ち。
「あなた、私のイケニエになって下さる?」
姫路さんの頼みは絶対。断るコトは『死』を意味する。
「笹倉さん。でどうなの?」「イ、イケニエやらせていただきます。」
「ゴメン。助けてあげたいけど・・・。ゴメン。媛菜。」
「大丈夫。頑張るから・・・。」
何週間かたったある日。
「笹倉さん。」
「はい。」
「お茶。」
「どうぞ。」
ガッシァャン
「あら。ごめんなさいね。制服が濡れてしまったわね。」
「大丈夫です。」
「こっちに来て。」
「はい。」
「これを着て。」
ボロボロのジャージ。
「あ。大丈夫です本当に。」
「じゃあ。 やりなさい。」
「はぁい!姫路さまぁ☆」
ばっしゃーん
ポタポタ
冷たい水。
「これでもくらぇ!」
ばしゃ
「いやだ!やめて!玉子は。痛いです!ジャージ着るのでやめて!」
「それだけじゃすまないの!」
シャキ
「は・さ・み!」
「髪。切ってあげる。」
「いやぁーーーーーーーー!!!!!!!!」
パラパラ
「いゃ。やめてよぉ。私が何をしてこんなコトになったの?教えてよ!なんで?なんで?なんで?」
「・・・。」
「どうしてなのよぉ!!!」
「あんた!姫路さまにそんな口聞いていいと思ってをの?」
「そうよ!姫路さまに謝りなさい!」
「いや!もうあんた何かに従わない。これは立派な犯罪。警察にうったえてやる!」
「辞めなさい!それだけは・・・」
「だからあんた何かに従わないって言ってるんだよ!日本語わかんない?」
「お願いします!笹倉さん!」姫路さんは土下座をした。私はその姫路さんを見下ろすように。
「ちっとも怖くないじゃない。」
小さな声でそう言った。
それから数ヶ月姫路さんのお父さんの会社がリストラにあい、会社は倒産。
「この世に私より強い人はいない。」
私はべつに金持ちではないけれど、なに不自由なく暮らしている。姫路さんの付き人見たいな女の子たちは私についている。
ある日。
「媛菜!」
「はい?苺!」「ちょと来てくんない??」
校舎裏
「媛菜。勘違いしてない?」
「はぁ?なにが?」
「あのね。あんたをいじめるようにしたのは全部私が姫路さんに言ったの。」
「あんただったの?!」
「うん。」
「絶対。許さない。」
――次の日――
「おはよう。」
「のんきに現れたね。」
「媛菜ぁ!もう苺はみんなの敵だよね!」
「うん。みんな・・・」
『ウワァァァァ!!!!』
「なに?やめて!」「だからあんたは私たちの敵。敵何だよ!」
「なんで?」
「うるさい!玉子攻撃して!」
「はぁい!」
「ハサミ!」
「どうぞ☆」
「苺の自慢の髪の毛。バサバサにしてあげる!」
「やめて!」
「これは・・・仕返しなの。」
「仕返し・・・?」
「私にしてきたことをせいぜい後悔するといい!」
「いやぁーーーーーー!」
「もっと!もっと苦しみなさい!」
「待って!私の話を聞いて!なんで媛菜をいじめたのか。その理由は何なのか。教えるから!!」
「・・・。」
「お願いします!」
「わかった。」
「ありがとう。
実はね私。媛菜に『いじめられるなんてサル以下じゃん!』って言われたコトがずっと残ってた。媛菜は私が『人間としてサイテー。』って言ったからそう言ったって思ってるかもしんない。でも、その前に姫路さんに脅されてたの。『イケニエになりたくなければ4万を渡せ』って私はそんなのいやだから渡したの。でも、そのあとに姫路さんに『笹倉媛菜を殺せ』って言われた。私はいやだって言った。でも、姫路さんの圧力が加わった。『そうしないと私の父の会社がつぶれる。つぶれたらあんたのせいだ。』ってだから姫路さんに協力してもらって媛菜をいじめた。」
「・・・。」
「私、本当はこんなことに、こんな騒ぎにしたくなかった。私は媛菜の言葉のナイフに傷ついた。」
「言葉のナイフ・・・?」
「もう傷つけあうのはやめよう。」
「――っ」
「媛菜。」
「苺―――。」
「ゴメン。」
「私も私の知らない時に傷ついてたなんて・・・。」
「もうヒトを傷つけていいと思う?」
「ううん。」
「これから二人で助け合っていこうね!」
「うん!」
 




