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86-通過。


 先輩達の後を追って掲示板に着いた。

間から覗いてみると予想どおりこの3人がトップ3に名を連ねていた。

先輩本当に凄いんだな。1位通過じゃん。

後ろから先輩に褒め言葉を送る。


「流石ですね先輩」


「……」


「先輩?」


「あ、後輩くん!!一位だよ!!やったぁ!」


 突然振り返って飛びついてくる先輩。

咄嗟の重量に耐えるため手を先輩の後ろに回してバランスを取ってしまった。

これじゃあ抱き返してるみたいじゃないか。

てゆうか右手普通にお尻を掴んじゃってるし……。


「あら、汐音さん大胆ね」


「おねぇちゃん積極的ぃ〜!」


 律さんも蘭ちゃんもやめなさい。本当に。

体が安定したので手を離す。

いや柔らかかったとか思ってませんよ。えぇ。


 とは言ってもこちらが掴んでなくても先輩が抱きついてるからドレスだけの薄着のせいで色々と柔らかい感覚は襲い続けている。

まぁ、それよりもブローチが凄く痛いんですけどね??


 「音羽さんいつも1位でもそんなに喜ばないのにね」


 取って当たり前思考なのか?天才怖いね。

皆に言われて自我に帰ったのか、真っ赤になって後ろに飛び退く。


「ち、ちがっ!そ、その……。ごめん…………なさい……」


 途中から消え入るような声でゴニョゴニョと口を動かして俯く。

恥ずかしいなら最初からやらなきゃいいのにね。

昨日といい今日といい先輩どうしたんだろうか?


「そんなに勝ちたかったの?食べ物のこと考えてたくせに」


律さんもっと言ってやってください。


「彼氏さんが来るからいいところ見せたかったんじゃないの?」


「彼氏じゃないけど先輩は僕が来るとは思ってなかったと思いますけどね?」


「あら、そうなの?」


「はい。行く行くとは言ってましたけど場所と時間も教えてくれなかったですし」

「ならなんで?」


「一位ってなんかあったっけ?」


 貴方達優勝候補でしょうが!それくらい把握しておかないでいいのか?


「あ〜もしかしてあれかな……」

「ストップ〜!!そこまでぇ〜それ以上は、ね?」


 なんだ?先輩なんか狙ってるのか。賞金とか?ケーキ屋でケーキ買う資金調達に大会出てたり。流石にそんな不純な動機じゃないよね。


「先輩も大変なんですね」


「そーだよ〜!誰かさんのおかげで苦労してるよ」


 誰だろうか?自分のせいじゃないのか。


「まぁ頑張ってくださいよ。もう席に戻ってるんで」


「はいはい〜。任せときなさいよ! ちょちょいと勝ってきますよ」


「あら。汐音さん言ってくれますね?」


「音羽さんには負けないよ?」


 ライバルが隣にいるのによくそんなこと言えるな……。


「2人とも先輩をコテンパンにしてあげてください。それじゃあ失礼しますね」


 軽くお辞儀してその場を後にする。

そーいえば蘭ちゃんの言ってた上達具合のこと聞きそびれちゃったな。

帰りにでも聞けばいいか。




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