8-好物。
04/11 指摘があり脱字を修正しました。ありがとうございます。
先輩と話していたクラスメイトがこちらにやってくる。
「小鳥遊くん。あなたの事らしいよ」
え?僕?
「知り合いだったの?」
「いや……一回会ったことはあるけど」
よくわからないけどちょうどいいや。ケーキ渡したいし。
「とりあえず行ってみるよ。明日感想聞かせてね」
「お、おう……。モンブランありがとな」
ドアで待つ先輩の方へ向かう。
「お、後輩くん。ちょっと時間大丈夫?」
「え、はい」
「よかったーじゃあ移動しよっか」
「えーと、それで何の用で?」
やってきたのは最初に会った教室だった。
中まで入るとピアノや楽譜台なとが置いてある。音楽室って他にあるよね?
しかも普通の教室だし防音とかもされてないはずだ。昔の音楽室とか物置とか?
「先週全然話せなかったからねー」
椅子に座って言い座るように促してくる。
「まぁ、本音は暇だから少し話そうかなと」
「暇つぶしに後輩を拉致ですか……」
「拉致とはひどいなぁ。こんなに可愛い先輩が話し相手になってあげようってのに」
拗ねた様子で机を叩いて抗議する。可愛いけどうるさいです。
「それ自分で言います?てゆうかほぼ初対面なのにぐいぐいきますね……」
「あ、ごめん……。苦手だった?」
「大丈夫ですよ、僕も聞きたいことあったんで」
先週あった時とは全く別人だ。
まあ、こっちのが気が楽だけどさ。
「ん?なに?」
「あの落としたやつ食べました?」
「あの落としたやつ?」
「あの落としたロールケーキです」
ロールケーキを床に落としたみたいな言い方だけど。
「食べたよ!あれすっごく美味しいね!甘過ぎなくて食べやすかった」
「くどくなかったです?」
「凄い桜の味だったけど飽きなかったなぁ」
凄い幸せそうな顔をする先輩。そんなにケーキ好きなのかな?
「ケーキ好きなんですか?」
「甘いもの大好きなの。昨日も妹が貰ってきたケーキ食べたんだけど、手作りとは思えないくらい美味しかったなぁ……」
また食べたいなぁ。なんてにやけてる。
「良かったらケーキひとつ余ってるんですけど食べますか?」
「後輩くんっていつもケーキ持ってるの……?」
失礼な。人をそんな変人みたいに。
「そんな事言うってことは要らないんですね」
「ごめんなさい!食べます!意地悪しないで」
本当にキャラ違うなぁ。あの時の可愛かった先輩は幻だったのか。
「はいどうぞ。小さめだからそんなに量無いですよ」
箱を手渡す。
「ありがとー。何のケーキだろう?」
「モンブランですよ」
箱を開けて中身を見て首を傾げる先輩。
「あれ?これ昨日食べたやつだ」