79-イラスト。
「とりあえず食べませんか」
「そーだね。紅茶も出来たし」
箱からケーキを取り出して紙皿にのせて先輩の前に置く。
「ねぇ後輩くん。これどこが前回と同じなの?」
「試作って点がですかね?」
「原型留めてないじゃん!!前回の!!」
「だから違うって言ったじゃないですか。それとも同じのが良かったんですか?」
「いや新しいのがいいけどさぁ……。流石に驚気だよ」
文句多いなぁ、この先輩。黙って食べてればいいのに。
「中身も違いますからね。食べればわかりますけど」
「いただきます」
フォークで角から削って食べる。なんだか子供の公園の砂場の棒倒しが思い浮かんだ。
「どうですか?」
「普通のチョコバナナだね?」
普通で悪かったですね。問題はその後のコンポートなんだけど。
「あ、中になんか入ってる?オレンジ?」
「金柑ですよ。知ってますか?」
「それくらい知ってるからね!馬鹿にしすぎ。皮ごと食べれるやつでしょ?」
「正解です」
「常識だよ!あ、これ柔らかいんだね?フォークで簡単に切れるんだ」
その為に煮込んだから当たり前ですよ。柔らかくないと中に入れれないんだよねぇ。
「あとは味がどうかですね」
「甘苦いけど他が甘いから合うかも。でもも少し甘さ控えめでもいいかも」
先輩が初めてちゃんとした意見を言った気がする!!先輩は本気だ。そんなに高級ケーキが食べたいのか。
「なるほど他はなんかありますか?」
「んー。チョコがもう少し苦い方が好きかなー?」
「でもこれ子供も食べるんですよ?」
「あーそっかぁ。でも甘さがくどいよ?」
「ムースでさっぱりさせてるんですけど足りないですかね?」
「ムースも甘いじゃん!」
そりゃそうだけど……。酸味が苦味で中和させたほうがいいのかな?
「また改良してみますね。それと先輩」
「楽しみにしてるよ!一昨日のより断然美味しいし!なに〜?」
「先輩って美術って成績幾つですか?」
「5だけど?てゆうか家庭科以外5だよ?」
当然でしょ?って顔されても……。天才と一緒にしないでほしい。
「本当になんでもできるんですね?なら絵って得意ですかね?」
「絵?どんなの?似顔絵とかは苦手だよ?」
「いや、人じゃなくてイラストなんですけど」
「なんのイラスト?」
「特になんのとかはないんですけど描いて欲しいのがあって」
「後輩くんがついにわたしを頼った!!!これは先輩として頼られる存在に!!いや、後輩くんのことだから使われてる。のが正しいかも」
「頼ってますよ先輩。先輩の感性溢れるイマジネーションとセンスに期待してます」
「ちょ、ハードルあげないでよ!!」
「やってくれますか?大会終わってからでも全然構わないので」
「いいよー暇だし?それでなにするの?」
「この紙に枠書いてあるんでこの中に絵を描いて欲しいんです。色付きで」
「この三角の中に書くの?」
「そうです。テーマだけあるんですそれに沿って考えてくれればいいですよ」
「テーマはなに?」
「四季です。春夏秋冬。春だけは枝付きの桜だけ書いて欲しいんですよをほかはまかせますけど」
「桜ねー。りょーかい!!他は好きに描いていいの?」
「あんまり詰め込みすぎないように一目でわかるような感じに。後果物とかはやめてください。線も強弱つけてもいいですよ」
「注文多いな!!まぁ楽しそうだからやるけどね」
「ありがとうございます助かります」
「いつもスイーツくれるお礼だよ。あげるものが身体かこれくらいしかないからね」
「絵で十分です」
「後輩くん絶対ホモでしょ……?」
「違いますよ」
「わたしjkだよ?」
「知ってますよ」
同じ高校にいるんだから当たり前じゃないか?
「ムラっとこない?ついでに新品だよ?」
「きませんね」
おっさんじゃないんだから女子高生だからって理由で惹かれないでしょ。
「ホモかロリコンか熟女好き決定ね」
「先輩の性教育はどうなってるんですか……」
「後輩くんがおかしいんだよ!!」
「なら先輩は自分が女子高生だからこの学校の男子生徒と先生にみんなから見るたびに発情されてるって思ってるんです?」
「え、あでもそうなるのか……。知らない人にそう思われるのはちょっときもいかも?いやかなりきもい……」
「ね?先輩が間違ってるんですよ」
だいぶ暴論だけどね。あと普通に半分くらいはみんな割とそういう目で見てると思うけど言ったら先輩人間不信になりそうだからやめておこう。
「悔しいけどなんか違う気がするよ……。後輩くんには何言っても勝てないからもういいや……」
「まぁとりあえず、イラスト頼みましたからね?」
「まかせて〜可愛いの描いてくるよ。あと明日はケーキ要らないや」
「珍しいですね?わかりました。あとこれ蘭ちゃんに渡してください」
「はいはいー!一応聞くけどわたしの分は?」
「蘭ちゃん次第ですね?」
「説得しよっと。お菓子買って帰らないと」
物で釣る気なのか。そんなことしなくても貰えると思うけど……。
「それじゃまた金曜日にきますね。さようなら」
「ばいばいー!わたしは練習だよ……」
せいぜい食べた分のカロリー消費頑張ってください。




