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71-オープンキャンパス。


 日曜日。申し込んでいた専門学校のオープンキャンパスに向かう。

学校の前の横断歩道で信号待ちをしていると携帯が鳴った。

誰だろ。携帯を取り出して差出人を確認すると蘭ちゃんからだった。


『小鳥遊さん!すいませんー。頑張ってください』


 どういう意味だ?主語がなくてわからない。なんのことかメールで聞き返しておく。

信号が青に変わり歩き出す。


「なんかやな予感するなぁ。先輩がまたなんかやらかしたのかな?まぁどうせ帰りに寄るしその時に聞いてみようかな」


 少し早く来すぎたけど中に入って待ってよう。今日日曜日だからお目当ての人がいる可能性は低いんだけど。もしかしたら試作してたりオープンキャンパスのお手伝いしてるかも知れない。

静かに扉をあけながら中に入る。


「すいませーん」


 すると中から先生と思われる人が出迎えてくれた。


「こんにちは。靴脱いでスリッパに履き替えてこっちにきてね」


 案内されるがままに履き替えてホールに向かう。

玄関ホールなんてあるのか。

壁には本棚が設置されて本がずらりと並べられ大きな木の机と椅子が置いてある。


「椅子に座って待っててくださいね。お名前はなんですか?」


 紙を手に名前を聞いてくる先生。今日参加する名簿かな?


「小鳥遊です」


「小鳥遊さんね。小鳥遊小鳥遊……あった。高校一年生なんだ。もうオープンキャンパスにきてるんだ真面目だね」


「そうですかね?ちょっと目的がありまして……」


「目的ですか?」


「こちらに和西さんという生徒がいると思うんですけどもしかしたら会えるかなって思いましてね」


「和西にですか?ちょうど今日手伝いで来てますよ。ちょっと待ってくださいね」


 そう言ってすぐ隣にあるオープンになっている職員室?に入っていった。

その間にメールを確認しておこう。


『おねぇちゃんが小鳥遊さんのところ行きましたよ?』


 また勝手に来てるのか。前回の全然学んでないな……。でも残念今日は家に居ないんだよ。


『前言ったけどオープンキャンパスで今日は家にいないから大丈夫だよー』


 蘭ちゃんに返信して先生を待つ。先輩も残念だったな。アポを取らないからこうなるんだ少しはこれで反省してもらいたい。

そんなことを考えていると職員室から先程の先生と和西さんが出てきた。


「連れてきましたよ。良かったですねタイミングよくて」


「はい。まさか本当に会えるとは思ってませんでした」


「えーと……。それで俺に何の用ですか?」


 和西さんは訝しそうこちらを見ている。

どうやら顔は覚えられてないみたいだ。


「あー。僕先日のコンテストに参加したんですけど、覚えてないですかね?」


「コンテスト……?んー」


 考えるように目を瞑って上を向く和西さん。


「あ!高校生の金だった人か」


「そうですね。思い出せていただけましたか」


「すいません。記憶量が乏しくて」


「コンテストって和西が賞取ったあれか?」


 先生なのに知らなかったのね。引率の先生とは違う人だから担当してなかったのかな?


「そうですよ。それで俺より賞が上だった高校生ですよ」


「へぇーそれは凄いな。専門学校通う必要ないんじゃないのか」


 笑いながらそうこぼす先生。

すいません。特にここに来ようとかおもってるわけじゃないです。


「小鳥遊さんのレシピを持って帰って学校で作ってみたんですけど美味しかったですよ」


「ありがとうございます。和西さんのも作りましたけどなかなか手が込んでて大変でしたけど美味しかったですよ」


「慣れたらすぐですよ。それで今日は何か用事あったんですか?」


「ちょっと次のコンテストについてレシピとか進んでるのかなって思いまして。相談する人もいませんから、もう一人の人がどうなってるのかなと」


「そういうことでしたら班を一緒にしておきましょうか?」


気がきく先生だ。でもいんだろうか?決まってるのがあるんじゃないのか。


「いいんですか?」


「大丈夫ですよ。三人班なのでもう一人は……小鳥遊さんと同じ学校の人いますね。その人と三人でいいですかね」


「ありがとうございます」


 誰だろう……?まぁ2.3年だよね。


「それじゃあそろそろ時間ですし始まってからにしましょうか。席について待っててください」


 先生に促されて時間まで席に着いて待つことにした。

結構参加する人いるんだなぁ。みんなが製菓の卵なのか。

時間ギリギリに玄関のドアが静かに空いて最後の参加者が顔を出す。


「うわ」




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